スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

EcoFlowの最新ポータブル電源「RIVER 2 Pro」を買って軽快な気分になった話

あと2〜3kg軽ければ……と思っていた俺にズバリのEcoFlow「RIVER 2 Pro」

2023年4月7日に発売されたEcoFlowのポータブル電源「RIVER 2 Pro」。容量は768Wh。直販価格は8万8000円。

 愛用中のポータブル電源はEcoFlow「DELTA 2」。詳細なレビューは本連載バックナンバーに書いた。使用開始してから現在で半年以上が経過しているが、相変わらず超絶便利に役立ってくれている。

EcoFlowのポータブル電源「DELTA 2」。容量は1024Wh。直販価格は14万3000円。

 ↑このDELTA 2を使用中だが、不思議と徐々に使用頻度が上がっている。DELTA 2はたいていの家電製品を使えるようにする「どこへでも移動できるコンセント」になるので、「ココで家電を使いたい」をほぼ全て叶えてくれる。なので、「いちばん便利な位置に置けるコンセント」として、やっぱり結局使用頻度が上がるのだ。

 使用頻度が上がって元が取れた感も高まるのはイイのだが、使用時に頻繁に思うことがヒトツ。それは「DELTA 2はやっぱり重い」ということ。室内の移動や室内からクルマなどへの短距離の移動は十分可能な重さで、具体的には約12kg。

DELTA 2の重さは約12kg。手に持って短距離を移動させるのは可能だが、2リットル入りペットボトル×6本が入った箱のような重さなので、そこそこ重いのだ。写真はバイク置き場までDELTA 2を運んでバイクに充電するの図。

 しかし、週に何度かDELTA 2を移動させていると、やはり「決して軽いとは思えない」のだ。そして、「コレがあと2〜3kg軽ければなぁ〜」とか思っちゃうのである。

 EcoFlow製ポータブル電源で軽いモデルはある。RIVERシリーズだ。

 ただし、RIVERシリーズの軽いモデルは容量が少なく出力も控えめ。容量が大きめで出力も大きめのRIVERシリーズもあるが、ナゼか本体上部に固定式取っ手がある。ポータブル電源の本体上部は平らなのがいいニャーと思っている俺にとってはビミョーな形状なのである。

DELTA 2の上部は平らなトレイ状になっていて、小物を置くのにちょうどいい。充電器などポータブル電源の近くで使うモノをよく置いている。
これはRIVERシリーズの最大容量・高機能モデル「RIVER Pro」。重さは7.2kg。軽さ、それから機能や性能は魅力的だが、本体上部に固定のハンドルがあるので、「上にモノを置きたい」という向きにはビミョーな形状かも。

 てな感じで「軽さ目当て」でRIVERシリーズに魅力を感じつつも、ビミョーに手を出せないでいた俺。そんなところへ登場したのが「RIVER 2 Pro」

EcoFlowのポータブル電源「RIVER 2 Pro」。RIVERシリーズの大容量系モデルとしては珍しい「上部が平らなデザイン」だ。

 重さは約7.8kgで、DELTA 2の約12kgより4kg以上軽い。しかも上部が平ら。そして十分な容量と出力がある感じ! ということでポチッとイッたのであり、今回はRIVER 2 Proをレビューしてゆきたいッ!!!

EcoFlow「RIVER 2 Pro」は軽めだけどパワフルなポータブル電源

 まずはRIVER 2 Proの概要から。容量768Wh(40Ah/19.2V)のポータブル電源で、本体のサイズは26.9×25.9×22.6cmで、重さは約7.8kg。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用している。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、従来のリチウムイオン系バッテリーより耐熱性が高く(熱分解が起きにくく)安全性が大幅に高いと言われている。

 出力ポートは、USB-A×3(5V,2.4A,各ポート最大12W,合計24W)、USB-C出力×1(5/9/12/15/20V,5A,最大100W)で、USB-CポートはRIVER 2 ProへのUSB充電(入力)にも対応する。DC出力(12.6V,10A,最大126W)はシガーソケット×1とDCジャック×2。AC出力(コンセント)は4ポートあり、100V・50Hz/60Hz対応で純正弦波を出力し、合計800W(サージ1600W)の出力があるほか、X-Boost機能により1000Wまでの家電製品を駆動させることができる。

RIVER 2 Proの前面。出力用ポートは全て本体前面に揃っている。
背面にはACケーブル用充電ポート、ソーラーパネル用充電ポートがある。
上面は平らでトレイのように少し窪んていてモノを置くことができる。その後方に頑丈なハンドルがある。
底面には滑り止めのラバー×4。

 比較的にコンパクトでわりと軽量でありつつ、出力が800W(サージ1600W)となかなか高出力。容量768WhはRIVERシリーズ単体としては最大容量となる。従来のRIVERシリーズフラッグシップ「RIVER Pro」とほぼ同じ価格としつつスペック的に上を行っているというなかなかの下剋上モデルかもしれない。

 それから大きな魅力として、バッテリー残量0%から100%までの充電がわずか70分で済むという利便がある。購入直後は80%程度充電されていて、そこから満充電にするまで10分かからなかったと記憶しているが、そんなふうな爆速充電である。

充電中は左側の排気口からやや熱を帯びた空気が排出される(ファン内蔵)。吸気は右側から。

 DELTA 2もそうだが、このRIVER 2 Proも驚くほど充電が速い。そのぶん排気音などもある程度するが、ポータブル電源としてはこの充電速度が実用性に直結していると思う。

 たとえば午前中に「あっ13時頃から暇ができた」と思ったもののポータブル電源のバッテリー残量が心許ない……。てな場合でも、DELTA 2やRIVER 2 Proなら午後までに余裕で満充電にでき、日曜大工で電動工具を使ったり、あるいはデイキャンプに出掛けてポータブル冷蔵庫を使ったりできるわけですな。

 ほか、スマートフォンなどからリモートで設定やモニタリングを行うこともできる。アプリは専用の「EcoFlowアプリ」を使う。

EcoFlowアプリを使っている様子。バッテリーの状態をモニターしたり、各種設定を細かく行うことができる。

 個人的にはAC出力の待機時間を自由に設定できる点が気に入っている。AC電源で動く製品をつないでいて、一時的に製品の電源が(自動で)オフになったりしても、バッテリーがスリープ状態やオフ状態に移行しないような設定にもできるからだ。

RIVER 2 ProはDELTA 2より4kg以上軽量で移動が気楽♪

 実際にRIVER 2 Proを使っての印象だが、まず「軽めでイイ!」ということ。これまで使っていたDELTA 2は約12kgで、新たに買ったRIVER 2 Proは約7.8kg。RIVER 2 ProはDELTA 2より4kg以上軽いので、その差から「軽〜い!」と喜べた。

 約7.8kgというのは、2リットル入りペットボトル×4本弱という重さで、片手で持っても「これくらいなら上の階への移動でもラク」という感触だ。「100m離れた駐車場まで手で持って行く」というのもわりとたやすいと思う。

 ただ、それ以上だと重さを感じがちだと思う。比較的に軽いとは言え、実際はそこそこ重さのあるポータブル電源ではあるので、「1km離れた駅まで持って行って、電車に乗って仕事場まで運ぶ」とかだとけっこー疲れると思う。嵩張るのでバックパックに入れるのも現実的ではなさそう。長距離運搬はキャリーケースやキャリアの類が必要だろう。

 でも室内でちょっと置き場を移動して使うのが「この重さなので気楽」というのは大きい。ポータブル電源活用のひとつの足枷が「バッテリー自体の重量」だと思うが、RIVER 2 Proの約7.8kgという重量は、「そんなに重くないし置き場所変えよう」という気にさせる重さだと思う。

 俺の場合、ポータブル電源の置き場所を変えて使うパターンで、「ポータブル電源を手で持って最も長距離移動する」のがバイクの充電時。バイクがバッテリー切れにならないよう、月に1〜2度、ポータブル電源とバイクのバッテリーをつないで充電しているのだ。これまではDELTA 2の重みを感じつつその作業をしていたが、RIVER 2 Proを買ってからは「軽さがラクさにつながった〜」と満足している。

バイク(モーターサイクル)のバッテリー充電にRIVER 2 Proを使用。いやバイク走らせればいいんスけどね。でも走るの辛いくらい寒い時期もあるし、走るの無理なほど暑い季節もあるし、仕事が詰まって走れないことも多いし……という「またにしか走れないライダーあるある」からくるバッテリー切れの防止策なのだ。
電源がないバイク置き場でもコンセントが使える! RIVER 2 ProのAC出力は合計800WまでOK。バイクの充電などは楽勝レベルなのである。
「Optimate 6」を使って充電している。あっ、バイクのバッテリーがかなり減った状態!
そのまま数時間充電し、日が暮れたころに戻ってみると……。
RIVER 2 Proの容量は約12%減っており……。
バイクのバッテリーは80%以上のレベルまで回復していた。

実用的なRIVER 2 Proだが、弱点も……!?

 RIVER 2 Pro買ってよかったニャーと思うのは、その軽さが主な点だが、意外なほどいろいろな家電が使えることもある。結論から言うと、俺的環境では「手持ちの電気ケトルはRIVER 2 Proでは使えない」ということくらい(DELTA 2ならデキる)。これがちょっとした弱点かも!? でもまあ、ほかはだいたいデキている。

DELTA 2はドライブのお供にも使っている。
出先で電気ケトルを使ってコーヒーを淹れられるのダ!
DELTA 2につないでいる電気ケトルの定格消費電力は1300W。DELTA 2のAC最大出力は合計1500W(サージ 2250W)なので、この電気ケトルを余裕をもって使える。RIVER 2 ProのAC最大出力は800Wなので、この電気ケトルは使えない。
はいコーヒー! インスタントだが。でもポータブル電源+電気ケトルだけで手軽&スグに飲めるってのがイイのである。

 RIVER 2 Proだと、DELTA 2のように出先コーヒーができない……。ただ、電気ケトルを定格消費電力が低いものを買えばいいだけではある。

 RIVER 2 ProのAC最大出力は800W(サージ1600W)なので、800W以下の電気ケトルならイケる。また、最近ではポータブル電源で使うことを想定した低定格消費電力の電気ケトルなどがけっこう多々販売されている。

 あと、地味な要素ではあるが、RIVER 2 Pro買ってよかったニャーと思うこと、もうヒトツ。やっぱりRIVER 2 Proの上面が平らであることがよかった。

RIVER 2 Proの上面は平らなトレイ状になっているので、小物を置くことができる。持ち上げるためのハンドルの位置もイイ感じに使いやすい。
同じく上面が平らなDELTA 2の上に、RIVER 2 Proを置くことができる。この向きだとピッタリとハマる感じで置ける。バッテリー使用時はこのようにスタックさせることは少ないが、保管時にはこの向きでスタック保管。
こういう向きでもわりと安定的に置くことができる。
RIVER 2 Proの上にDELTA 2は乗るかな? と思って試したら、けっこう安定的にスタックさせることができた。

 といった感じのRIVER 2 Pro。使ってみての利便はDELTA 2とだいたい同じで、ハンダゴテとかミシンとかグルーガンとか充電式家電製品の充電とか、イロイロな家電を場所的な制限なしで使えるようになるのが快適だ。ポータブル電源を置けば、そこが新たな作業スペースになったり、楽しみの場になったりするのは、やはりナイスであり、生活がよい方向にけっこう変わる。

 RIVER 2 Proはネット通販で購入したが、実質8万円弱で買うことができた。この価格でこの機能性と実用性、かなりコストパフォーマンスに優れたポータブル電源だと感じられる。最初の1台としてRIVER 2 Proを選ぶと、いろいろ満足度が高いかもしれないので、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。