みんなのケータイ

海外出張で実感した、日本のモバイル通信の快適さ

【iPhone 16 Pro、Google Pixel 9 Pro】

 MWCの取材のためにバルセロナに行き、その後、スペイン南部のマラガという街を旅してきました。

 スマホは2台持って行きましたが、主に使ったのは2台。1つは日本ではソフトバンク回線で使っているiPhone 16 Pro。現地では「Ubigi」という事業者のeSIMを使いました。UbigiはNTTグループ傘下のTransatelが提供しており、日本語でのサポートを受けられるのが利点。以前、自分のメールアドレスを間違えて購入し、eSIMの情報を受け取れない事態に陥ったことがあるのですが、問い合わせフォームから日本語で連絡し、迅速に対応してもらえました。それ以来、海外渡航時に愛用しています。

Ubigiは多彩なプランから選べて、5Gの対応も確認できる
アプリでデータ使用量を確認でき、追加チャージも可能

 もう1台はGoogle Pixel 9 Pro。日本ではUQモバイル回線で使っていますが、ahamoのSIMに差し替えて持ってきました。ahanoは月に利用できる30GBを、海外でもそのまま使えます。海外利用には最も便利な通信プランだと思います。

ahamoは海外渡航時も、追加料金なしで30GBから消費される

 以前は渡航先でSIMカードを購入したり、それ以前はモバイルWi-Fiルーターを借りたりしていたことを考えると便利になったなぁと思います。

 ですが、今回のスペイン滞在では、通信速度が遅くてイライラすることが結構ありました。目的地までの経路を調べるためにマップを起動しても、なかなか表示されなかったり、LINEで写真を送るのに時間がかかったり、「YouTube Music」を聴いているときにプチプチと途切れたり……。通信ができなくなるわけではなく、通信速度が著しく遅くなるという感じ。特に地下鉄や建物内での減速が顕著でした。

遅いなぁと思って通信速度を調べてみると、3Mbpsも出ていなかったり……

 筆者は神奈川県に住んでいますが、日本では5Gでの通信が当たり前で、「4G」と表示されることは少なくなってきました。ですが、スペインでは「4G」や「4G+」に切り替わるのは当たり前で、「3G」と表示されることも珍しくありませんでした。

日本では完全停波が近づいている「3G」も頻繁に表示された

 日本に帰ってきて、日本の通信環境の良さに改めて実感。経由地のパリでなかなか送信できなかった画像が、帰国後、機内モードをオフにすると、ドドッと一気に流れ、混雑した電車の中でもストレスなく、メールをチェックしたり、検索したりできました。安いプランで快適な通信環境を整えている日本の携帯電話事業者に感謝したいですね。むしろ、一部のMVNOが導入しているように、高速プランと低速プランに分けて、高速プランはもうちょっと高くしてもいいかも……と思ったりもしました。

我が家での通信速度。左がソフトバンク回線、右がドコモ(ahamo)回線

 ちなみに、2月はファーウェイの発表会の取材でクアラルンプールに行きました。その際は、ソフトバンク回線で使っているiPhone 16 Proを「海外あんしん定額」で使ってみました。調べたところ、5Gに対応していたので、安いeSIMを使うよりも安心かなぁと思った次第。3日間の滞在だったので、「72時間/9GB」(2940円)のプランを利用しました。結果としては、常に5Gにつながったわけではなく、4Gにつながることのほうが多かったのですが、遅いと感じることはなく、快適に使えました。

「海外あんしん定額」は安いとは言えないが、使いやすく、通信も安定していた

 ちなみに、ahamoのSIMを入れたGoogle Pixel 9 Proも使いました。そちらは常に「4G」と表示され、「5G」と表示されることはなかったはず。速度もソフトバンクの「海外あんしん定額」よりも遅めでした。あとで調べたところ、ドコモはマレーシアでの5Gローミングに対応しているものの、筆者が使っている端末は周波数が対応していなかったようです。

 Webやマップだけでなく、翻訳サービスを使ったり、SNSに動画をアップしたりと、海外渡航時に使うデータ量も増えつつあります。オンラインでチケットを購入して、QRコードを提示して入場、といったケースも増えています。なので、なおさら通信速度が気になったりもします。どこのeSIMが速いのか? キャリアのローミングサービスの評判はどうなのか? など、事前にしっかり調べることが大切ですね。