法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

「iPhone 17e」はリーズナブルな価格でライバルに勝てるか?
2026年5月8日 00:00
アップルの「iPhone」の普及価格帯モデル「iPhone 17e」が発売された。昨年発売された「iPhone 16e」の後継モデルに位置付けられる。本誌ではすでに速報記事などが掲載されているが、筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。
iPhoneのもっとも低価格なモデル
国内で半数近いシェアを持つアップルのiPhone。例年9月に主力モデルが投入されてきたが、もうひとつのiPhoneとして、価格を抑えた「iPhone SE」シリーズが存在した。iPhoneが初代モデルから続けてきたホームボタンを採用したデザインを継承し、2016年3月に「iPhone SE(第1世代)」、2020年4月に「iPhone SE(第2世代)」をリリースし、2022年4月に発売された「iPhone SE(第3世代)」は最後のホームボタン搭載モデルとして、支持されたが、昨年2月に発売された「iPhone 16e」を機に、ラインアップから削除された。「iPhone 16e」発売直後は、最後の「iPhone SE(第3世代)」を求め、MVNO各社や中古ショップなどで新古品を含めた争奪戦がくり広げられ、現在も「iPhone SE(第3世代)」は根強い人気を保っていると言われる。
一方、世代交代という形で登場した「iPhone 16e」は、普及価格帯の後継モデルという位置付けながら、シンプルな構成の影響もあり、あまり芳しい売れ行きを記録できなかった。とは言え、価格高騰を続けるiPhoneのラインアップにおいて、10万円を切る価格設定は貴重な存在であり、リーズナブルなiPhoneを求める法人ユーザーなどに中心に関心を寄せられた。
今回発売された「iPhone 17e」は、昨年の「iPhone 16e」の後継モデルに位置付けられる。デザインやスペックはほぼ共通で、価格も据え置きながら、ストレージの最少容量を128GBから256GBに増量している。旧モデルも含め、iPhoneの主力モデルを利用しているユーザーから見ると、あまり魅力的ではないかもしれないが、為替レートの関係もあり、iPhoneの価格が何年も高騰している状況の中では、10万円を切る価格のモデルは存在意義が大きいとされる。
販路についてはアップルをはじめ、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯電話会社4社に加え、昨年の「iPhone 16e」に引き続き、KDDIとソフトバンクの別ブランドであるUQモバイルとワイモバイルでも当初から販売される。かつて、別ブランドでの扱いは基本的に旧モデルのみだったが、UQモバイルとワイモバイルはコスト重視のユーザーが多いうえ、かつての「iPhone SE(第3世代)」も数多く販売してきた実績も踏まえ、発売当初から扱われることに結び付いているようだ。IIJmioやmineo、イオンモバイルといったMVNO各社では取り扱われていないのは残念だが、IIJmioは昨年6月に「iPhone 16e」の未使用品の販売を開始しており、状況によっては、今年も「iPhone 17e」が早いタイミングで扱われることになるかもしれない。
従来モデルと同じコンパクトボディ
ボディは昨年の「iPhone 16e」を継承しており、幅や高さ、厚さは共通で、重量が2g増量している。重量の2gの差は、後述するMagSafe対応が関係していると推察される。幅、高さ、厚さが変わらないため、本体に装着する市販のケースは「iPhone 16e」と共通のものが販売されている。
昨年の「iPhone 16e」は2024年9月発売の「iPhone 16」ベースで、高さが0.9mm違うのみだったが、2025年9月発売の「iPhone 17」は「iPhone 16」に比べ、高さが2mm大きくなっている。つまり、「iPhone 17e」のベースは「iPhone 17」ではなく、「iPhone 16」ベースのサイズを継続したわけだ。とは言え、ここ数年のiPhoneのラインアップでは「iPhone 12 mini」や「iPhone 13 mini」、「iPhone SE(第3世代)」などに次いで、『もっともコンパクトなiPhone』に位置付けられる。
ボタン類やカメラの配置なども「iPhone 16e」と共通だが、「iPhone 17」や「iPhone 16」などの主力モデルと違い、右側面にカメラコントロールは備えられていない。左側面は「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」及び「iPhone 16」シリーズ以降に採用されたアクションボタンが備えられる。
耐環境性能はIPX8準拠の防水、IP6X準拠の防塵に対応しており、仕様としては「iPhone 17」などと同等と考えて差し支えない。耐衝撃性能の表記はないが、フレームは「iPhone 17」などと同じようにアルミニウムを採用し、従来モデルと同等以上の強度を実現する。
ボディ周りで特徴的なのは、カラーバリエーションが増えたことだろう。従来の「iPhone 16e」はブラックとホワイトのみで、いかにも『法人向け』『ビジネス用』といった地味な印象だったが、「iPhone 17e」はソフトピンクが加わり、多少なりとも『色気』のあるデザインに仕上がっている。
バッテリーはアップルが非公表としているが、海外の分解サイトなどの情報によれば、内蔵バッテリーの容量が4005mAhであることが明らかになっている。昨年の「iPhone 16e」の3961mAhのバッテリーに比べ、わずか1%増に過ぎないが、「iPhone 16」の3561mAh、「iPhone 17」の3692mAhに比べると、10%前後も容量が大きい。チップセットの違いがあるものの、ビデオ再生で最大26時間、ストリーミングによるビデオ再生で最大21時間は、主力モデルと比べても遜色のない連続使用時間が得られる。薄型化を実現するため、バッテリー容量を3149mAhに抑えた「iPhone Air」よりも安心して利用できる印象だ。
充電については従来モデルに引き続き、本体下部のUSB Type-C外部接続端子とUSBケーブルで接続し、20W対応のACアダプター(別売)を使えば、約30分で50%まで充電することが可能だ。変更されたのはワイヤレス充電がQi2/Qi対応で、最大15WのMagSafeにも対応したことが挙げられる。従来の「iPhone 16e」はQi準拠のワイヤレス充電に対応していたものの、MagSafe非対応だったため、MagSafe対応アクセサリーを利用するには、別途、MagSafe対応ケースを装着する必要があったが、「iPhone 17e」では本体のみでも利用できる。ただし、「iPhone 17e」にMagSafe非対応のケースを装着したときは、充電器やモバイルバッテリーなどのMagSafe対応アクセサリーに固定できないケースもあるので、その点は気をつけたい。
Ceramic Shield 2採用で強度向上
ディスプレイは「iPhone 16e」に引き続き、6.1インチのSuper Retina XDRディスプレイ(有機EL)を搭載する。先にも述べたとおり、「iPhone 17e」は「iPhone 17」ベースではなく、「iPhone 16」ベースの「iPhone 16e」と共通仕様で開発されているが、ディスプレイの仕様からもその流れがうかがえる。「iPhone 17」のディスプレイは前モデルの「iPhone 16」の約6.1インチから大型化し、約6.3インチのSuper Retina XDRディスプレイを採用している。この違いは対角サイズだけでなく、アップルが「ProMotionテクノロジー」と謳う最大120Hzのリフレッシュレートにも違いがあり、「iPhone 17e」はネーミングのナンバリングこそ「17」を与えられているが、ディスプレイについては「16」の世代のまま。コントラスト比は「iPhone 17」と同じ200万対1だが、最大輝度やピーク輝度は「iPhone 17」よりも低く、「iPhone 16e」のものをほぼそのまま継承した仕様となっている。もちろん、価格帯が違うため、仕様に違いが出てくるのは当然だが、リフレッシュレートはゲームなどをプレイするときの快適さにも影響するため、少し留意していく必要があるだろう。
ディスプレイ上部のデザインも同様で、「iPhone 16」シリーズや「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Pro Max」で採用された楕円型パンチホール「Dynamic Island」ではなく、3年半前の「iPhone 14」シリーズなどに採用されていた切り欠きタイプのノッチが継承される。「iPhone 14」シリーズのユーザーもまだまだ多いが、思いの外、Dynamic Island採用のiPhoneが早く浸透してきた状況を鑑みると、普及価格帯モデルでもノッチではなく、Dynamic Islandを採用して欲しいところだ。
今回の「iPhone 17e」が昨年の「iPhone 16e」と大きく異なる点のひとつとして、ディスプレイに採用されているガラスが異なる点が挙げられる。従来の「iPhone 16e」はCeramic Shieldが採用されていたのに対し、「iPhone 17e」は「iPhone 17」シリーズと同じCeramic Shield 2が採用される。アップルによれば、従来モデルの3倍の耐擦傷性能を持つとしており、落下時だけでなく、カバンやポケットの中でのカギなどとの干渉によるキズを抑えることができる。ちなみに、昨年の「iPhone 16e」のレビューでも触れたが、「iPhone 17e」「iPhone 16e」はそれぞれの機種用に保護ガラスが販売されているが、ディスプレイの対角サイズやノッチのデザインは2022年発売の「iPhone 14」と共通なので、「iPhone 14」用のものを流用することも可能だ。
生体認証は「Face ID」を継承
生体認証は従来の「iPhone 16e」に引き続き、ディスプレイ上部のノッチに内蔵されたインカメラ(TrueDepthカメラ)やセンサーを利用した「Face ID」に対応する。Face IDは2017年発売の「iPhone X」以降のナンバリングモデルに採用されてきた顔認証システムで、Androidスマートフォンなどに採用される一般的な顔認証システムと違い、インカメラによる映像情報だけでなく、ノッチに内蔵されたセンサーから顔に赤外線ドットを照射し、それを赤外線カメラで読み取ることで、顔の凹凸などの立体的な情報を記録し、判別している。顔写真などでの認証はほぼ不可能で、高い安全性を持つ。
Face IDは端末のロック解除だけでなく、決済アプリやクレジットカードアプリ、金融関連アプリなどもFace ID対応のものが非常に多い。コロナ禍ではマスク装着時の認証ができず、不評を買ったが、2022年公開のiOS 15.4からはマスク装着時もFace IDの認証が可能で、さまざまなシーンでストレスなく、利用することが可能だ。指紋認証による「Touch ID」を採用した「iPhone SE(第3世代)」以前のユーザーにとっては、Face IDという顔認証システムに多少の抵抗感があるかもしれないが、Face IDは顔に照射した赤外線ドットの情報を数値的に記録しているため、『顔情報を記録する』ことに起因する不安は杞憂でしかない。しかも「iPhone X」での採用以降、約9年の実績があり、前述の通り、金融関連アプリでも広く利用されていることからもわかるように、信頼性と利便性について、十分な評価を得ている。「Touch ID」採用の従来のiPhoneから移行しても問題なく利用できるはずだ。
アップル独自のC1Xモデムチップを搭載
チップセットは「iPhone 17」にも採用されたA19チップを搭載する。ただし、まったく同じチップセットではなく、Neural Acceleratorsを搭載したGPUのコア数が異なる。こうした手法は昨年の「iPhone 16e」に搭載されたA18チップでも採用されている。
メモリーについてはアップルが公表していないが、「iPhone 17」シリーズと同じ8GBを搭載する。昨年の「iPhone 16e」でも触れたが、Apple Intelligenceの動作条件のひとつが8GBのメモリー搭載を挙げているため、「iPhone 17e」でも継承した形だ。
ストレージについては256GBと512GBモデルがラインアップされる。昨年の「iPhone 16e」は128GB、256GB、512GBの3種類をラインアップし、最少容量の128GB搭載モデルで10万円を切る価格を実現したが、今年の「iPhone 17e」は同じ価格でストレージの容量を2倍にしている。「iPhone 17e」発表直後、「最近のメモリー急騰の中、お値段据え置きでストレージを2倍にしたのはスゴい!」といった礼賛コメントが散見されたが、データセンター需要などで急激なメモリー不足が騒がれはじめたのは昨年秋以降。「iPhone 17e」は生産台数の多さから考えてもそれ以前に製品が仕込まれており、メモリー急騰の影響はほとんど受けていないはずだ。端末の製造コストの中でメモリーが占める割合もそれほど大きくなく、むしろ昨年の「iPhone 16e」がコストを抑えて10万円切りと評価されながら、意外に利ざやは大きく、後継モデルでストレージを2倍にする余裕があったんじゃないかという見方もある。
ネットワークについてはアップル独自の「C1X」モデムチップを搭載し、5G NR/4G LTE/3G W-CDMA/2G GSMに対応する。5GはSub6のみの対応で、「iPhone 17」シリーズをはじめ、他のiPhone同様、ミリ波には対応しない。国内では今年3月、NTTドコモが3G(W-CDMA)を停波したため、5Gと4Gのみが運用されることになったが、「iPhone 17e」は国内の各携帯電話会社に割り当てられた主要なバンド(周波数帯域)に対応しているものの、「iPhone 16e」同様、NTTドコモに割り当てられたBand 21(1.5GHz帯)、auとソフトバンクに割り当てられたBand 11(1.5GHz帯)に非対応となっている。他の機種のレビュー記事でも触れたが、NTTドコモが4G LTEで運用するBand 21は、利用できるエリアが限られているものの、現在も非常にトラフィックが多いことが確認されている。他の周波数帯域も利用できるため、非対応だからといって、ネットワークにつながらないわけではないが、利用する環境によってはつながりやすさやネットワークのパフォーマンスに差が出る可能性がある点に留意したい。
また、「iPhone 17e」には「iPhone 16e」や「iPhone Air」に続き、アップル独自のモデムチップ「C1X」が搭載されている。先行して搭載した2機種については、すでに半年から1年の運用実績があるが、今年1月、3月末のNTTドコモの3G停波を控えたタイミングで、NTTドコモのネットワークを利用したサービスを提供するIIJmioは、「iPhone 16e」と「iPhone Air」について、一部のプランを利用する場合、一時的に正常な通信ができなくなる不具合を報告した。その後、今年3月に発売された「iPhone 17e」も対象機種に加えられたが、この不具合は改善されていないという。実用面では再起動時のネットワーク接続に少し時間がかかる程度で、対象となるサービスやプランも限られているため、対象ユーザーも限定的だが、「C1X」はモデムチップとして、米クアルコムや台湾メディアテックなどに比べ、まだまだ実績も不十分なため、今後も何らかのタイミングで、こうした不具合が起きる可能性も否定できない。「iPhone 16e」のレビューで「トラブルが起きたとき、アップルが携帯電話会社としっかり連携し、対応できるか」という不安要素を挙げたが、残念ながら、その不安が的中してしまったようだ。今後、iPhoneの主力モデルなどにも「C1X」の後継となるモデムチップを搭載すると噂されており、モバイルネットワークが高度化する中、アップルの独自チップがどれだけ安定した接続性を保つことができるのかも注目される。
SIMカードについては「iPhone 17」シリーズ同様、eSIMのみに対応する。デュアルeSIMの運用が可能で、端末内には最大8つのeSIMを登録できるとしている。「iPhone 17」シリーズ発表時にも話題になったが、「iPhone 16」シリーズ以前のユーザーにとっては「iPhone 17e」がeSIM専用であることに抵抗感があるかもしれない。ただ、「iPhone 17」シリーズ発売当初に比べ、各携帯電話会社のeSIMの登録(アクティベーション)も徐々に落ち着き、トラブルも減りつつある。筆者は今回、「iPhone 16e」で利用していたワイモバイルの回線を機種変更したが、先に「iPhone 16e」の端末内でeSIMに変更し、データ移行時に「iPhone 17e」にeSIM転送をした。各携帯電話会社のショップで手続きをする方法もあるが、機種変更する回線とは別に、Wi-Fiなどのインターネット接続環境があれば、自分で移行してしまう方が簡単だろう。
Androidスマートフォンから「iPhone 17e」へのeSIM転送は、今のところ、auとUQモバイルのみが対応している。他の携帯電話会社やMVNO各社の場合は、eSIMの再発行が必要になる。
他の接続については、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n/ac/axのWi-Fi 6対応、Bluetooth 5.3に対応する。衛星による位置情報測位は米GPS、露GLONASS、欧州Galileo、日QZSS(みちびき)、中国BDS(BeiDou)、印NavICに対応する。非接触ICについては、「iPhone 17」シリーズなどと同様に、FeliCaを搭載する。アップルの[ウォレット]アプリを使い、Apple Payをはじめとした各サービスを利用できるほか、マイナンバーカードでの利用にも対応する。
iOS 26をプリインストール
プラットフォームは「iPhone 17」シリーズ同様、iOS 26がプリインストールされる。昨年の「iPhone 16e」は出荷時にiOS 18を搭載していたが、昨年9月の「iPhone 17」シリーズの販売開始に伴い、最新版のiOS 26が公開された。ただし、iOS 18も継続利用できるため、現時点ではiOS 18系とiOS 26系に分かれる形になった。「iPhone 17e」は普及価格帯のモデルのため、「iPhone 16e」と同じiOS 18系が継承されるのかと思いきや、チップセットなどが違うためか、iOS 26がプリインストールされた。「iPhone 17e」出荷後もアップデートが継続しており、原稿執筆時点ではiOS 26.4.2が配布されている。
すでに「iPhone 17」シリーズのレビューなどでも触れられているが、iOS 26は新たに「Liquid Design」と呼ばれる透明感のあるユーザーインターフェイスが採用され、iOS 18とはやや外観が異なる。機能面でもAIを利用した通話スクリーニングや外国語との翻訳通話などがサポートされている。
「iPhone 17e」はiOS 26がプリインストールされているとは言え、iPhoneとしての基本的な使い方は大きく変わらないが、従来のiPhoneから買い替えるユーザーのうち、「iPhone SE(第3世代)」や「iPhone 8」シリーズ以前など、ホームボタンを備えたiPhoneからの買い替えは、少し注意が必要だろう。若い世代であれば、ジェスチャー操作も問題なく対応できるだろうが、高齢者ユーザーの中には、やはり、ホーム画面に戻るスワイプ操作に慣れないという声もあり、なかにはiPhoneを諦め、ホームボタンを備えた他のスマートフォンに買い替えるケースもあるという。
とは言え、現行モデルを購入するとなれば、「iPhone 17e」がもっともリーズナブルな選択肢になるわけだが、ひとつ工夫ができるとすれば、本体の左側面に備えられたアクションボタンにホームボタンと同じ「ホームに戻る」というショートカットを割り当てる方法がある。操作としてはアクションボタンの長押しが必要になるため、操作しやすいとは言い難いが、もし、ホームボタンのないiPhoneに慣れないユーザーが居るようであれば、試して欲しいところだ。
次世代のポートレートにも対応した48MPカメラ
「iPhone 17e」は背面に1/2.55インチの4800万画素イメージセンサー/F1.6のメインカメラ(26mm)、前面のノッチ内に1/3.6インチ1200万画素イメージセンサー/F1.9のインカメラ(23mm)を搭載する。基本的な仕様は従来の「iPhone 16e」と変わっていないが、チップセットの変更により、画像処理エンジンなども更新されている。
4800万画素イメージセンサーは「iPhone 17e」だけでなく、「iPhone 17」や「iPhone Air」、「iPhone 16」などにも採用されているが、「iPhone 17e」のイメージセンサーが1/2.55インチであるのに対し、主力モデルのイメージセンサーは1/1.56インチとサイズが大きいため、撮影時に取り込める光の量に差がある。4つの画素を1つの画素として、多くの光を取り込めるピクセルビニングも利用できるが、室内や暗所での撮影は「iPhone 17」や「iPhone Air」、「iPhone 16」などに及ばない印象だ。
また、従来の「iPhone 16e」に続き、メインカメラはイメージセンサーの中央部分を活かした光学2倍相当のズーム撮影が可能だが、逆に超広角カメラがないことはマイナス点だ。
撮影した写真や動画は、[写真]アプリで表示し、編集もできる。[クリーンアップ]で背景に写り込んだ人物などを消去したり、写真の一部をステッカーとして切り出すといった楽しみ方もできる。従来の「iPhone 16e」からの変更点としては、アップルが「次世代のポートレート」と呼ぶ機能の搭載が挙げられる。具体的にはポートレートで撮影後、[写真]アプリの[編集]で写真を表示し、対象となる被写体を選んで、被写界深度を変更することで、背景のぼけ具合を調整できる機能になる。インカメラで撮影した写真でも利用できる機能のため、ポートレートで撮影する機会が多いユーザーには有用だろう。
「iPhone 17e」はライバル機種に勝てるか?
ここ数年、各社のスマートフォンはスペック向上と共に、販売価格が上昇する傾向が続いてきたが、昨年秋以降に起きたメモリーをはじめとする半導体の急騰により、さらに端末価格の高騰が予想されている。端末価格が上昇すれば、当然のことながら、ユーザーもスマートフォンの価格と機能のバランスを考えるようになり、今まで以上に厳しい目が向けられることになる。今回発売された「iPhone 17e」は、国内で半数近いシェアを持つiPhoneで、もっともリーズナブルな価格が設定されたモデルで、昨年の「iPhone 16e」からストレージの容量を2倍にしながら、10万円を切る価格を実現できたことは、一定の評価を得ている。しかし、実際にユーザーが新しいスマートフォンを選ぶとき、今回の「iPhone 17e」が選ばれるかどうかは、なかなか厳しい状況にある。
たとえば、3月から4月にかけて発表された新製品のうち、比較的価格帯の近い製品に目を向けると、Googleの「Pixel 10a」は7万9900円、デザイン性の高さで好評を得ているNothing Technologyは「Nothing Phone (4a)」が5万8800円、「Nothing Phone (4a) Pro」が7万9800円、サムスンの「Galaxy A57 5G」は7万9800円、シャオミの別ブランド「POCO」シリーズでは「POCO X8 Pro」が5万9980円、「POCO X8 Pro Max」が7万9980円となっており、いずれも「iPhone 17e」よりもリーズナブルだ。クラス的にもミッドレンジからミッドハイに位置付けられ、大画面ディスプレイにマルチカメラを搭載するなど、フラッグシップモデルに迫る性能を持つモデルもある。
「でも、iPhoneの人はiPhone買うでしょ」という意見もあるだろうが、以前から言われているように、「iPhoneのライバルはiPhone」であり、iPhone同士でも厳しい選択を迫られる状況にある。さすがに、昨年9月に発売された「iPhone 17」シリーズと「iPhone Air」はいずれも約13万円以上の価格なので、「iPhone 17e」とは数万円以上の開きがあるが、各社の端末購入サポートプログラムを利用すれば、月々の支払い額で500~800円程度を追加すれば、主力モデルに手が届く計算だ。
また、前述のIIJmioのサプライサービスでは「iPhone 14」の未使用品が10万円以下で販売されていたり、イオンモバイルでも「iPhone 14」や「iPhone 15」の未使用品が10万円前後で販売されるなど、旧機種に目を向ければ、さらにiPhone同士のライバルは拡がる。イオシスやじゃんぱらといった中古ショップにも未使用品のiPhoneの旧機種は数多く並んでいる。旧機種との大きな違いはApple Intelligenceの対応が挙げられるが、単にAIエージェントを使いたいのであれば、旧機種のiPhoneでも「Gemini」「ChatGPT」「Copilot」「Perplexity」などのアプリが利用できるわけで、プラットフォームに組み込んだAI機能を利用するのでなければ、それほど大きな不足を感じることはないはずだ。
これらのことを総合すると、「iPhone 17e」は『もっともリーズナブルな最新のiPhone』という位置付けにあるものの、ライバル機種に勝てるだけのアドバンテージがあるのかはやや疑問が残る。毎年のように、新機種を更新し続けることはメーカーとして、たいへんな取り組みかもしれないが、市場の状況を踏まえ、普及価格帯のモデルであってもユーザーにもっと期待感を抱かせる製品の展開を期待したいところだ。



























