法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

「OPPO Find X9」、デザインを一新したHasselbladカメラ搭載ハイエンドモデル

 国内市場にOPPO製品などを展開するオウガ・ジャパンから「OPPO Find X9」が発売された。昨年、年末も押し迫ったタイミングで発表されたが、発売直後に品切れが伝えられるなど、注目度の高いモデルだ。遅ればせながら、筆者も実機を試すことができたので、レポートをお送りしよう。

ハイエンドのゆくえ

 国内外の市場で販売されるスマートフォンは、スペックや価格などの違いにより、いくつかのクラスに分けられている。上位の「ハイエンド」や「フラッグシップ」をはじめ、幅広いユーザー向けの「ミッドレンジ」、リーズナブルな価格帯の「エントリー」などのクラスが存在する。

 それぞれのクラスに位置付けられるモデルは、チップセットやディスプレイサイズ、カメラ性能などによって差別化されているが、国内で販売されるスマートフォン全般の価格が上昇するなか、ミッドレンジモデルの性能が向上してきた影響もあり、「ハイエンド」や「フラッグシップ」と呼ばれるクラスの位置付けがやや微妙になりつつある。

 かつて、「ハイエンド」や「フラッグシップ」は各年の最上位のチップセットを採用し、動作はサクサク、カメラは最高峰の性能とされていたのに対し、ミッドレンジはややスペックが抑えられ、価格重視のエントリーは動作が今ひとつ……などと評されていた。

 しかし現在、高度なグラフィック処理が求められる一部のゲーム環境などを除けば、一般的な用途なら「ミッドレンジでも十分」という声も少なくない。

 こうした状況において、メーカーとしては各クラスのモデルをどう差別化していくかがカギになってくる。今回取り上げるOPPOの「Find X9」はオウガ・ジャパンが国内向けに販売するラインアップにおいて、「ハイエンド」に位置付けられる。

 オウガ・ジャパンは、コロナ禍においてはラインアップを絞り込み、ハイエンドモデルの投入を見送っていたが、一昨年の「Find X8」からハイエンドモデルの国内展開を再開し、今回の「Find X9」はハイエンド再開の第二弾になる。

 ただ、今回の「Find X9」はグローバル向けに発表された「Find X9」シリーズのうち、スタンダードな位置付けのモデルであり、グローバル向けには「Find X9 Pro」という上位モデルも存在する。4月21日にはさらに上位の「Find X9 Ultra」というモデルの追加も予告されている。

 「Find X9」と「Find X9 Pro」はチップセットなどが共通であるものの、ディスプレイサイズやカメラのスペック、バッテリー容量などに違いがあり、一部からは「Find X9は本当にハイエンド? フラッグシップ?」という声も聞かれる。

 しかし、国内向けに販売される「Find X9」はグローバル向けと違い、おサイフケータイ対応など、日本仕様を満たしているアドバンテージもある。何をもって「ハイエンド」と呼ぶのかは端末メーカーやユーザーの捉え方次第だが、「Find X9」は仕様や内容を見る限り、ハイエンドに相応しい端末と言って差し支えないだろう。

 もうひとつのメリットは、オープン市場向けだけでなくauでも「OPPO Find X9 OPG07」として取り扱われ、スマホトクするプログラム+で購入できる点が挙げられる。

 OPPO公式オンラインストアでの価格が14万9800円であるのに対し、auの一括価格は13万4800円。スマホトクするプログラム+を利用することで、月額4121円の支払いに抑えることができ、2年後の返却時の実質負担額は9万円台になる。

 また、販路についてはソフトバンクのオープン市場向け端末の取り扱いサービス「SoftBank Free Style」でも販売され、MVNOではIIJmioやQTmobile、家電量販店ではヨドバシカメラやビックカメラ、エディオンなどで販売されており、ユーザーのニーズに合わせて、いろいろな販路で購入することが可能だ。

 端末故障時や破損時の補償サービスについては、OPPO独自の「O Care」が利用でき、月額プランで980円、1年一括プランで1万1550円、2年一括プランで2万2000円、3年一括プランで3万3000円を選ぶことができ、端末交換負担金は1万円となっている。auで購入した場合は月額1190円の「故障紛失サポート ワイド with Cloud」が契約できる。

従来モデルからデザインを一新

 ボディから順にチェックしてみよう。本体は幅約74mm、厚さ約8.0mmというスタンダードなサイズの持ちやすいボディに仕上げられている。「iPhone 17」や「Galaxy S26」などよりも少し背が高い程度で、手にしたときのサイズ感は近い。

OPPO/au/オウガ・ジャパン「OPPO Find X9」、サイズ:157mm(高さ)×74mm(幅)×8.0mm(厚さ)、203g(重さ)、カラー:チタニウムグレー(写真)、スペースブラック
パッケージには80W対応ACアダプターやUSBケーブル、保護ケースなどが同梱される。保護ケースはブラックに近いので、今ひとつ見栄えに欠ける
右側面は電源キーとシーソー式の音量ボタンを備える。カメラ部の突起は約3.3mm(実測値)
左側面にはカスタマイズ可能な「Snap Key」を備える
本体下部にはUSB Type-C外部接続端子、ピンで取り出すタイプのSIMカードスロットを備える
SIMカードスロットは表裏にnanoSIMカードを1枚ずつ装着できる

 前モデルの「Find X8」は背面中央上部に円形のカメラ部をまとめたデザインで、かなりカメラが強調された印象だったが、「Find X9」は全体的にすっきりとしたデザインにまとめられている。ユーザーによって、好みはあるが、今回の「Find X9」のようなデザインの方がより幅広いユーザーに受け入れられそうだ。

カラーバリエーションはチタニウムグレー(左)とスペースブラック(右)の2色展開。いずれも背面はマットな仕上げ

 ただ、「iPhone」や「Galaxy S」シリーズ、「Xiaomi T」シリーズなど、多くのライバル機種はメーカーごとやシリーズごとに、ある程度統一されたデザインの方向性を持たせている。対してOPPOのラインアップは今ひとつ統一感がなく、シリーズごとのデザインもあまり一貫性がない。「OPPOと言えば、このデザイン」「Find Xシリーズは○○だよね」的なアプローチがないと、ユーザーにはなかなか浸透しにくいかもしれない。

 耐環境性能は、IPX8/IPX9準拠の防水、IP6X準拠の防塵に対応する。IPX9準拠の防水はまだ対応する機器が少ないが、規格としては4方向の角度(0度、30度、60度、90度)から、80度の高温水を30秒ずつ高圧で噴霧しても通信機器としての機能を有するとしている。

 IPX8が水深1.5mの水没(30分間)を想定しているのに対し、IPX9はシャワーや洗浄機などで強く温水がかかるシーンなどを想定しており、水まわりで作業をするユーザーも安心して利用できる。

 強度についてはスイスSGSの耐衝撃テスト「PT-23-000-201470」をクリアしている。従来の「Find X8」では同規格のほかに、国内でよく知られている耐衝撃規格「MIL-STD-810H準拠」の記述があったが、「Find X9」ではSGSのみが表記されている。

 耐衝撃性能としてはそれほど大きく変わらないのだろうが、SGS規格はグローバルで対応機器が増えているものの、国内では耐衝撃テストの内容が明示されていないので、メーカーとして、もう少していねいな説明が必要だろう。

 バッテリーは7025mAhの大容量バッテリーを搭載する。昨年12月の発表会でもアピールされていたように、シリコンカーボンバッテリーを採用することで、従来の「Find X8」に比べ、約25%の大容量化を実現している。

 他製品のレビューでも説明したように、通常のリチウムイオンバッテリーが負極に黒鉛やグラファイトを採用するのに対し、シリコンカーボンバッテリーはシリコンとカーボンの複合素材を採用することで、高いエネルギー密度を実現している。

 シリコンカーボンバッテリーは、限られた物理サイズで大容量を実現できるメリットがある反面、かつては充放電サイクル(充放電のくり返し)による劣化が早いというデメリットも指摘されていた。

 Androidプラットフォームでの充電制御や端末内での温度管理が重要になってくるが、ライバル製品が完全充電サイクルの回数などを明示しているのに対し、「Find X9」はそういったバッテリーのライフサイクルに関する情報を明示していない。

 連続的な使用時間については、OPPOが「4K 60fpsのDolby Vision動画を5時間以上撮影できる」としているが、YouTubeで動画を連続再生したところ、十数時間を超えても再生ができていた。使い方にもよるが、一般的な使用であれば、終日使用することができそうだ。

 バッテリーが大容量化すると、充電時間が長くなるが、「Find X9」はOPPO独自の80W SUPERVOOCフラッシュチャージによる有線充電、50W AIRVOOCワイヤレス充電による急速充電が可能だ。

 ゲーム中などに充電器を接続したときは、バッテリーに充電せず、本体に直接給電する機能も備える。今回は急速充電を試すため、同梱の80W ACアダプターを使用し、バッテリーがほぼゼロの状態からの充電を試してみたが、約30分で44%充電、約1時間半でフル充電できた。

 ただ、連続使用時間や連続待受時間、バッテリー充電時間といった電源周りの情報は、オウガ・ジャパンの製品情報ページやスペックに明示されておらず、やや不親切な印象は否めない。

 前述の「4K 60fpsのDolby Vision動画を~」という表現も一般的なユーザーが製品の性能を判断するうえで実用的な指標とは言えず、メーカーとして、もっとユーザーが実使用時間を想定できるような指標を示すべきだろう。

 ちなみに、auの製品情報ページには連続通話時間が約1810分、連続待受時間が約710時間、TypeC共通ACアダプタ02(27W)使用時の充電時間が約180分と示されており、これらが実用上の目安になりそうだ。

狭額縁の約6.6インチAMOLEDを搭載

 ディスプレイは2760×1256ドット表示が可能な約6.6インチAMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載する。ガラスはCorning製Gorilla Glass 7iを採用し、出荷時には実使用可能な保護フィルムも貼られている。

 本体前面は四辺の額縁が約1.15mmの狭額縁で仕上げられ、画面占有率は95.4%に達する。動画再生時やゲームプレイ時は、より高い没入感が得られる印象だ。

 ディスプレイの仕様としては輝度が通常時で800nit、日光下で最大1800nit、リフレッシュレートが最大120Hz、タッチサンプリングレートが最大240Hzとなっている。リフレッシュレートの設定は「自動選択」「標準」「高」の3つから選べるが、デバイス情報を見る限り、対応は60Hz/90Hz/120Hzのみで、静止画表示時の1Hz表示はサポートしていない。

 ディスプレイには生体認証として、超音波式指紋センサーが内蔵される。多くの端末に採用されている光学式指紋センサーに比べ、外光の影響を受けることが少なく、認証のレスポンスも速い。

 ただし、同様の超音波式指紋センサーを採用した他製品のレビューでも触れたように、市販の保護ガラスを貼り付けると、指紋を再登録しても指紋認証が正しく動作しないケースが多い。市販の保護ガラスを購入するときは、指紋認証対応を謳う製品を選ぶようにしたい。

 もっとも「Find X9」の場合、前述のように出荷時に保護フィルムが貼られているので、当面はそのまま使い続け、保護フィルムにキズなどが気になった段階で、貼り替えを検討すればいいだろう。生体認証はインカメラによる顔認証にも対応し、マスクを着けた状態での顔認証も可能だ。マスクの装着が基本となる仕事に携わるユーザーにとっては有用と言えるだろう。

 指紋センサーについては画面ロック解除時に長押しをして、表示されたショートカットからアプリを起動する機能も備える。他社製品でも同様の機能を備える機種があるが、「Find X9」はショートカットに表示するアプリをカスタマイズできるため、「au PAY」や「PayPay」といったコード決済アプリや店舗の会員アプリなどを登録し、すぐに起動できるようにしておくことも可能だ。

[設定]アプリの[ユーザー補助と利便性]-[クイック起動]を選び、[現在のメニュー]の[編集]を選ぶと、起動するアプリや機能をカスタマイズ可能
画面ロック解除時に指紋センサーを長押しすると、[クイック起動]のメニューが表示される。コード決済アプリなどをすぐに起動できる

MediaTek製Dimensity 9500を搭載

 チップセットはMediaTek製Dimensity 9500を採用する。Dimensity 9500は昨年9月に発表されたばかりのチップセット。TSMCの3nmプロセスルールで製造され、AIを中心とした機能が強化されている。

 MediaTekとしてはフラッグシップのチップセットで、米Qualcomm製Snapdragon 8 Elite Gen5の対抗製品に位置付けられる。パフォーマンスは連続した動画再生やゲームなどでも十分な印象で、グラファイトシートとベイパーチャンバーにより、高負荷の環境下でも効率良く放熱できるようになっている。

 メモリーとストレージは16GBのメモリーと512GBのストレージを搭載し、外部メモリーカードには対応していない。メモリーはRAM拡張に対応しており、4.0/8.0/12.0GBの拡張が可能だ。

 後述するように、「Find X9」がカメラ機能をセールスポイントとして掲げたフラッグシップモデルであることを考慮すると、ストレージについてはもう少し上のスペックを狙うか、外部メモリー対応でも良かったのかもしれない。

 ネットワークは5G NR/4G LTE(TDD/FDD)/3G(W-CDMA)/2G GSMに対応する。5G SAの対応については、auの動作確認情報のWebページによると、auが販売する「Find X9 OPG07」が対応とされているのに対し、オープン市場向けのSIMフリー版は5G SAの欄が「×」と表記されている。

 ところが、今回試用したオープン市場向けのSIMフリー版にauのSIMカードを挿してみると、5G SAで接続することができた。au Starlink Directの対応については、auで販売する「Find X9 OPG07」が対応とされているものの、「au Starlink Direct IOT完了製品」のWebページには「Find X9」の記述がなく、オープン市場版が利用できるかどうかは明示されていない。

 「Find X9」はグローバル向けモデルがベースのため、NTTドコモが5Gで利用する4.5GHz帯の「n79」が非対応であるほか、4G LTEの1.5GHz帯の「Band 21」(NTTドコモ)や「Band 11」(KDDIとソフトバンク)も非対応となっている。

 5Gの「n79」については他製品のレビューなどでも触れたように、NTTドコモのエリア改善が進められる中、「n79」で接続できる場所が増えている印象がある。4G LTEの1.5GHz帯については、NTTドコモの「Band 21」のトラフィックが非常に多いことが確認されている。

 実際には、他の周波数帯域が利用できることがあるため、非対応でも5Gや4G LTEでつながらないわけではないが、NTTドコモ及びNTTドコモ網を利用するMVNO各社では、利用する環境によって、つながりやすさやネットワークのパフォーマンスに差が出る可能性がある点には留意したい。

 SIMカードはデュアルSIMに対応し、nanoSIMカード×2枚か、nanoSIMカードとeSIMの組み合わせで利用できる。eSIM転送の対応については、メーカー及びauのいずれのサイトでも明記されていない。

 Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax/beに準拠し、2.4GHz/5GHz/6GHzでの利用が可能で、Bluetooth 6.0にも対応する。Bluetoothの対応コーデックは一般的なSBCやAACに加え、LDACやLHDC 5.0、aptX/aptX HDにも対応する。

 非接触ICはFeliCaを搭載し、おサイフケータイの各サービスが利用できる。モバイルSuicaの対応機種一覧に掲載されているほか、マイナンバーカードのAndroidスマホ用電子証明書の対応機種にも掲載済みだ。

 ただ、発表会であれだけFeliCa搭載をアピールしておきながら、オウガ・ジャパンの製品情報ページやスペック表にFeliCa搭載の旨がまったく記述されていないのはいかがなものだろうか。衛星による位置情報の測位機能は、米GPS、露GLONASS、中国BDS(BeiDou)、欧州Galileo、日QZSS(みちびき)、印NavICに対応する。

ColorOS 16を搭載

 プラットフォームはAndroid 16ベースの「ColorOS 16」を搭載する。日本語入力はAndroidプラットフォーム標準のGboardを採用する。

ホーム画面は最下段にDock、中段にアプリのショートカットと検索ボックスを配置
ホーム画面で「ドロワー」を設定すると、上方向にスワイプしたときにアプリ一覧画面が表示される。アプリ一覧内でフォルダーを作成することはできない
アプリ一覧画面上段の「カテゴリ」を選ぶと、アプリがカテゴリー別にフォルダーに分けられた状態で表示される
画面右上から下方向にスワイプすると、クイック設定パネルが表示される。各機能のタイル名が表示され、内容を把握しやすい。[設定]アプリの[通知とクイック設定]でカスタマイズすることも可能

 ColorOSはOPPO独自のユーザーインターフェイスで、最新版のColorOS 16ではルミナスレンダリングエンジンにより、なめらかなスクロールと快適なタップ反応速度を実現したとしている。基本的なユーザーインターフェイスはAndroidプラットフォーム標準に準拠しているが、[設定]アプリ内の項目をはじめ、一部のメニューは独自の表記が採用されている。

 OSのアップデートについては、メディア向けに「最低3年間のAndroidプラットフォームのアップデート」「最低4年間のセキュリティアップデート」という情報がアナウンスされているが、これらの点について、オウガ・ジャパンの製品情報のWebページやニュースリリースには何も表記がない。

 法人向け「Android Enterprise」のWebページには「セキュリティアップデートは、初出荷日から3年間提供されます」「最低1回以上のOSアップグレードがサポートされる予定です」という表記もあるが、個人向けの製品として販売するのであれば、OSのアップデートやセキュリティパッチの提供期間は、製品情報ページやニュースリリースにきちんと表記すべきだろう。

 「Find X9」で利用できる独自の機能としては、OPPOデバイスやiOS端末との間でファイルや写真が共有できる「O+Connect」、WindowsやMacなどのパソコンのデスクトップ上に「Find X9」の画面をミラーリングして表示する「PC Connect」などが搭載されている。

パソコンやタブレット、iPhone、テレビなどと接続することができる。[設定]アプリの[デバイス接続]で設定が可能

 これらの機能に加え、新たにAndroidプラットフォームのQuick Shareを利用したiOS/iPadOS端末の「AirDrop」とのファイル共有が利用できる。本機能はすでにGoogleの「Pixel 10」シリーズやサムスンの「Galaxy S26」シリーズなどで実現され、これらの機種に続いての対応になる。

 OPPOがこれまで提供してきた「O+Connect」では対象デバイスにアプリをインストールする必要があったが、QuickShareによるAirDropとの連携は、ColorOSを最新版に更新すれば、アプリなどを追加することなく利用できる。

[写真]アプリで写真を選び、[共有]メニューで[QuickShare]を選ぶと、iOS/iPad OS端末のAirDropに接続が可能。[QuickShare]の[設定]-[共有を許可するユーザー]で、一時的に[すべてのユーザーに対し10分間]に設定する
iPhone側では[設定]アプリの[一般]-[AirDrop]で[すべての人(10分間のみ)]を選ぶと、この画面のように通知が表示される。[受け入れる]をタップすれば、データを受信することができる

 また、AIを利用した機能のひとつとして「AIマインドスペース」が搭載される。三本指を下方向にスワイプしてスクリーンショットを撮ったり、本体左側面のSnap Keyを長押しして音声メモを記録したりできる。Snap Keyを短押しすると、AIが表示画面を分析し、内容に応じたタグ付けをして分類する機能になる。

 まだベータ版という位置付けで、今後のバージョンアップが期待されるが、同様の機能はGoogleの「Pixel」シリーズの「Pixelスクリーンショット」、Nothingの「Phone」シリーズの「Essential Space」などでも実現されており、AIを活かしたスマートフォンの機能として、今後の各社の活用が注目される。

Snap Keyで起動できる機能は、[設定]アプリの[Snap Key]で設定する。出荷時は短押しでスクリーンショットを撮って、「Mind Space」に保存する。その他にも「サウンドとバイブ」や「サイレントモード」の切り替え、[レコーダー]や[カメラ]の起動も設定可能
[Mind Space]にはスクリーンショットや音声メモなどを記録しておくと、ジャンル別などに分類して、保存しておくことが可能
[設定]アプリの[OPPO AI]には、AIを活かした各機能のメニューが用意される

Hasselbladと共同開発のカメラシステムを搭載

 カメラについては、従来モデルの「Find X8」に引き続き、「Hasselblad」との共同開発によるカメラシステムを搭載する。Hasselbladはスウェーデンの老舗カメラメーカーで、世界で初めて6×6判の一眼レフカメラを開発したことで知られる。

 つい最近、月探査プロジェクト「アルテミス計画」が話題になったが、Hasselbladはかつてのアポロ計画で撮影された「地球の出」の写真をはじめ、ジェミニ計画での宇宙遊泳の撮影など、1960~1970年代のアメリカの宇宙計画を支えてきた光学機器メーカーでもある。

 スマートフォン関連では2016年にモトローラから発売されたスマートフォン「moto Z」の背面に装着する「Hasselblad True Zoom」というオプションに関わっていたが、その後、2017年にドローンなどで知られるDJIに買収され、現在はDJI傘下で製品を展開する一方、OPPOとのコラボレーションにより、スマートフォン向けのカメラのチューニングも手がける。

 「Find X9」のカメラとしては、背面に向かって左上にソニー製LYT-808の1/1.4インチ5000万画素イメージセンサー/F1.6の広角カメラ(23mm)、左下に1/1.95インチ5000万画素イメージセンサー/F2.6の光学3倍望遠カメラ(73mm)、中央上に1/2.76インチ5000万画素イメージセンサー/F2.0の超広角カメラ(15mm)を配した構成で、超広角カメラの下には9チャンネルのマルチスペクトルカメラ(マルチスペクトルセンサー)を備える。

背面にはトリプルカメラを搭載。カメラ部の右下にはHasselbladを表す「H」のマーク

 マルチスペクトルセンサーは撮影時の環境光の波長を計測し、画像処理に反映することで、ユーザーが撮影するときの見た目に近い色合いを再現することができる。スマートフォンの撮影では室内や夜景、夕暮れなどで、色合いが崩れてしまうケースが少なくないが、こうした環境下においても安定した色再現を可能にしている。

招き猫を撮影。背景や周囲をぼかすことで、中央の招き猫が際立った仕上がり。ぼけも自然
夜景の東京駅を[0.6x]で撮影
夜景の東京駅を[1x]で撮影
夜景の東京駅を[2x]で撮影
夜景の東京駅を[3x]で撮影
夜景の東京駅を[6x]で撮影

 ディスプレイ上部のパンチホール内には、1/2.74インチ3200万画素イメージセンサー/F2.4のインカメラ(21mm)を内蔵する。標準と0.8倍の撮影に対応するほか、ポートレートではアウトカメラ同様、被写界深度を変更したり、「ビューティー」「フィルター」「ソフトライト」のエフェクトを加える機能も備える。30/60fpsの4K動画の撮影にも対応する。

 撮影モードは「写真」「動画」「ポートレート」「マスター」「HASSELBLAD高解像度」「その他」がメニューに用意される。「その他」には「夜景」や「スローモーション」といったシーンに合わせたモードに加え、「テキストスキャナー」や「ドックスキャナー」のようなビジネスで活用できるモードも用意される。

 「Find X9」ならではの撮影モードとしては「HASSELBLAD高解像度」に加え、「XPAN」モードが挙げられる。「XPAN」モードはHasselbladのデュアルフォーマットフィルムカメラ「XPan」で採用されている「65:24」という比率を再現したレトロな撮影モードで、シャッター音を含め、クラシカルなフィルムカメラのような撮影体験を再現する。ワイドなシーンだけでなく、縦長のシーンでも少し違った雰囲気の撮影を楽しみたいユーザーにおすすめだ。

夜景の東京駅を[XPan]モードで撮影

 撮影した写真や動画は独自の[写真]アプリで閲覧できる。[写真]アプリ内からGoogleフォトへのバックアップの設定もできる。[写真]アプリで少し気になるのは、写真や動画、スクリーンショットが混在した状態で表示されることだろう。

 Googleフォトの[フォト]アプリでもスクリーンショットなどは[コレクション]という別項目で表示されているので、表示は分けられるように設定できた方が便利だろう。

撮影した写真や動画は[写真]アプリで確認できるが、スクリーンショットも混在して表示されるのは、ちょっと使いにくい印象

 撮影した写真や動画は[写真]アプリの[編集]で、[トリミング]や[フィルター]などの操作ができるが、[AIエディター]を選ぶことで、[AI再構成]で自動的に画角などを調整したり、[AI消しゴム]で不要な人物の削除、[反射除去]でガラスなどに写り込んだ反射を消すといった編集ができる。

[写真]アプリで写真を表示し、[編集]メニューから[AIエディター]を選び、[AI消しゴム]を選ぶと、人物をまとめて簡単に削除できる。自動で選択されなかったときは、[スマートラッソ]を選び、対象を囲むと削除できる

 また、他のOPPO製端末に搭載されている[AI Studio]も楽しめるアプリのひとつだ。ポートレートで人物を撮り、いろいろなスタイルに着せ替えたり、マンガ調や絵画風に変換するといった機能が利用できる。AIにあまりなじみがないユーザーがはじめて楽しむ機能としてもおすすめだ。

Hasselbladカメラと充実のAI機能で楽しめる一台

 冒頭でも触れたように、スマートフォンを構成する部品や物流などのコストが高騰する中、円安が続く為替レートも影響し、各メーカーとも、どんなスペックのハイエンドモデルに位置付け、ラインアップを展開していくかが難しい時期を迎えている。

 なかには最上位モデルの投入を見送ったとされるメーカーもある中、OPPO製端末を国内市場に展開するオウガ・ジャパンは、グローバル向けに展開するハイエンドモデルにFeliCaを搭載し、国内で実用性の高いハイエンドモデルとして投入してきた。

 Hasselbladによってチューニングされたカメラも従来モデルから継承する一方、AIを活かした多彩な機能も搭載することで、非常に満足度の高いハイエンドモデルに仕上げられている。

 その一方で、本稿でも指摘したように、製品に関する説明やアナウンスにやや不十分なところが見受けられ、より多くのユーザーが購入を検討するには、少し躊躇してしまいそうな印象もあった。製品そのものの完成度が高いだけに、これはもったいない気がする。

 13~14万円台という買い物は決して安くないため、もっとユーザーに対して丁寧に周知し、説明していく取り組みが必要だろう。幸い、「Find X9」はauで取り扱われるため、デモ機はauショップの各店頭で試すことができる。ぜひ一度、実機を手に取り、HasselbladカメラとOPPO AIの楽しさを試してみていただきたい。