石川温の「スマホ業界 Watch」

「iPhone 17e」実機レビュー:10万円切りで子供のスマホデビューに最適? 春を彩る「ピンク」も

 アップルは2026年3月11日より「iPhone 17e」を発売する。発売前に一足先に入手することができたのでレビューしていきたい。

 iPhone 17eの前モデルとなるiPhone 16eが発売されて約1年。

 iPhone 16eはハイエンドモデルと同等のチップを搭載しながら、価格を抑えたエントリーモデルとして位置づけられていた。

 そして今回、同様のコンセプトを引き継いだ後継機種として、「iPhone 17e」が登場した。その見た目はiPhone 16eと全く変わらない。

 ただ、iPhone 16eではマットなホワイトとブラックという2色展開しかなく、かなり地味な印象であった。実際のところ、日本では、メーカーがどんなにカラフルなラインナップを揃えても「結局、売れるのは白と黒」といいうこともあり、アップルとしても必要最小限にとどめたのだろう。

 そんななか、iPhone 17eでは新色として「ピンク」が加わった。

 実際に手に取ってみると、淡いピンクでとても上品な印象だ。

 スマホ業界では「ピンクと言っても無数の色合いが存在するが、ユーザーが好むピンクを選ぶのは難しい」と言われている。そんななか、アップルとしては、幅広いユーザーに受けるピンクに仕上げてきたのではないか。

 また、3月は国内市場にとっては「春商戦」と言われており、4月から入学や進学、就職など新生活を始める人たちがスマホを買い換える繁忙期と言われている。当然、桜が咲き始める季節でもあり、アップルとしては、相当、日本の桜を意識してきたと思われる。

 アップルでは純正アクセサリとしてブライトグアバというカラーのMagSafe対応シリコンケースやクロスボディストラップを用意しているが、こちらはかなり鮮やかなピンクだ。

256GBで9万9800円、実質値下げ?

 iPhone 17eを語る上で重要なのが「価格」だろう。

 256GBというストレージ容量で9万9800円と、昨年同様に10万円を切ってきた。

 iPhone 16eはストレージが128GBからだったことを考えると「値下げ」と言えるかもしれない。

 最近では小学生からスマートフォンを手にすることも珍しくなくなってきているが、「初めてのiPhone」としても、他のiPhoneに比べれば手が届きやすい価格帯となっている。さらに10万円を切るということで、企業も導入しやすい価格帯になっているというのは、アップルとしては法人需要も取り込みたい考えなのだろう。

 ここ最近、メーカー関係者に会うと、挨拶代わりに「メモリーの高騰がヤバい」という話で持ちきりとなる。日に日に価格が高騰し、今年後半には本体価格の値上げやラインナップの見直し、出荷台数の調整などをせざるを得ないほど逼迫しているという。

 もちろん、円安基調は変わらず、数年前に比べて、日本ではスマホは本当に高くなってしまった。そんななか、iPhone 17eはアメリカで599ドル、日本で9万9800円を実現している。アップルの日本法人としても相当、努力した値付けになっているのではないか。

実機を触る

 iPhone 17eの画面サイズは6.1インチだ。

 iPhone 17が6.3インチ、iPhone Airが6.5インチということで、同世代のなかではコンパクトといえる。実際に持ってみると、手にしっくりとホールドでき、片手での操作はかなりやりやすい。

 画面サイズの小ささで言えばiPhone SEのほうが魅力的に感じる人もいるだろうが、野球などのスポーツもアプリではないと見られない時代になったことを考えると「携帯性と見やすさの両立」という点で6.1インチも悪くないと感じるだろう。

 カメラに関してはメインカメラは1つだけ。48MPとなっている。

 昨今、2つや3つが当たり前になるなか「一つだけでは不安」と感じる人もいるだろう。

 実際、自分も昨年秋、iPhone Airをメイン機種にしたときに「1つで足りるのか」と正直、感じたが、iPhone Airを使い続けて半年、特に不満に感じることはなかった。

 望遠ズームがついていると撮影できるシーンは増えるが、日常生活において、そこまで望遠を必要とする場面は少なく、むしろ「メモ的にカメラを使う」という点においてはカメラは1つでも十分と感じてきている。

 ただ、フロントカメラに関しては、iPhone AirとiPhone 17においては18MPセンターフレームフロントカメラが採用されているのに対して、iPhone 17eは12MP TrueDepthカメラとなっている。このため、自撮りやビデオ通話をする際にセンターフレームにならなかったりするなど、一部の機能が使えない。ただ、このあたりは十分に割り切って使えるのではないだろうか。

 チップは無印のiPhone 17、iPhone Airと同じくA19チップが搭載されている。ただし、iPhone 17、iPhone Airが5コアGPUなのに対して、iPhone 17eは4コアGPUと一つ少ない。

 実際にiPhone AirとiPhone 17eでGeekbench 6でGPUベンチマークを取ったところ、iPhone Airが37668、iPhone 17eが30375であった。ベンチマークではこのような結果となったが、実際に使ってみての体感で言うと、さほど使い勝手に差を感じないというのが正直なところだ。

 個人的にも嬉しいのがiPhone 16eでは非対応だった「MagSafe」に新たに対応した点だ。充電時にぴったりと付くだけでなく、クルマに乗っているときにMagsafeでハンドルの横に置いておけるため、取り外しがしやすくとても便利なのだ。

 今年、確実にスマホの値段が上がっていく中で、iPhone 17eは10万円を切る、かなりコストパフォーマンスのいいモデルと言えるだろう。

 うちには9歳の子がいるが「スマホが欲しい」と言ってきたときには「買ってあげてもいいかな」と思える機種となっている。やはり、ペアレンタルコントロールやスクリーンタイムで、子の使いすぎを簡単に防ぎ、管理できるのはかなり魅力だ。また、アプリやコンテンツなどのサービスを家族で共有できるのもありがたかったりする。

 ただ、「子供にいきなり新品のiPhoneを与えるのはどうか」と家族に反対される可能性もゼロではない。

 その時は、家族をiPhone 17eに機種変更させつつ、家族のお古を渡すというプランで対処しようと考えている。

 ただ、iPhone 17eは10万円を切る価格設定が魅力なのは間違いないが、街を歩けば、キャリアによってはiPhone 17をかなり大胆な価格設定で売っているところもある。

 手元に「MNPできる回線はあるか」というのを確認しつつ、挑戦的な売り方をしているキャリアショップがあるか街を歩き、なければiPhone 17eを購入するという流れでいいだろう。

石川 温

スマホ/ケータイジャーナリスト。月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。