みんなのケータイ

船旅初心者が海上でも「au Starlink Direct」を使えるか試してみた
2025年7月22日 00:00
この7月にauの携帯電話の契約を「auバリューリンクプラン」へ切り替え、久々にデータ使い放題な生活を堪能しております。
これまではIIJmioの併用(デュアルSIM運用)により、おおむね月7GB程度のギガで十分足りていたのですが、いやー使い放題となるとやっぱり気が大きくなりますね。
アプリ更新やGoogleフォトでの写真バックアップをWi-Fi非接続時に実行したり、動画ストリーミングにおける画質を高品質設定にしてみたり。色々とジャブジャブ使っております。
とはいえ、それまでの契約体制と比べて出費は倍以上になりました。これはもうauバリューリンクプランを徹底的に使い倒すしかない。au 5G Fast Laneを申請し、Pontaパスの紐付けも済ませました。そして、次の研究対象にしたのが「au Starlink Direct」です。
空さえ見えれば、大概の場所でテキストメッセージが送れるというau Starlink Direct。第一感としては、山間部での利用が思いつきますが、そういえば海上はどうなんだろう? というのが本稿の趣旨です。
公式Webサイトの解説では「日本国内(領海を含む)のau 5G/4G LTEエリア外」とあるので、これを字面通りに受け取るなら海上での利用は問題ないはず。船旅とはかなり縁遠い身ですが、そういえば北海道行きのフェリーに一度乗ってみたかった。
じゃあ茨城・大洗から商船三井さんふらわあの苫小牧行きフェリーなら乗船時間も約18時間と長いし、色々と試せるだろう……というわけで、7月上旬、実際に乗ってきました。
結論として、au Starlink Directの利用を示す衛星アイコンが、東北沖の海上で表示されることは確認しました。なお利用している端末は、Googleストアで購入したPixel 9 Pro。au販売品ではありませんが、対象機種であることがやはり公式サイトで明言されています。
基地局電波が届かない、しかし衛星電波は届くというタイミングになると、それを伝えるプッシュ通知が届くようです。その状態でGoogleメッセージを立ち上げ、家族にメッセージを送ってみます(相手側もGoogleメッセージを利用)。
すると、メッセージ吹き出しのあたりに「接続を待機しています」との表示が。なるほど、すぐには送達確認&開封確認アイコンが表示されないのですね。
筆者の今回の検証では、接続待機メッセージの表示からものの数秒で送信完了……とはなりませんでした。といいますか、今回の大洗~苫小牧フェリー航路、auの基地局的にはほぼエリア外ですが、どうやらドコモの4G基地局電波は結構、届くようなのです。
ですから、au Starlink Directを使うまでもなく、ドコモ契約者ならまあなんとかデータ通信できてしまうという……。
実際、今回の筆者環境でも、Android本体設定で利用SIMをドコモ側(正確には筆者が契約しているのはIIJ mio)に切り替えると、それによって通信経路が確立され、Googleメッセージの送信が完了していたとみられます。
もちろん、船の緯度経度によってはドコモでも通信できないエリアはあります。船室内か船外デッキかによっても、電波の届きやすさは変動します。よって寝床で延々とYouTubeを見るような真似はできません。
それでも、トイレに立ったり売店へ行ったりする際、ふとスマホを見るとドコモのエリア内にいるというシチュエーションは相当数にのぼりました。
これならばもう、フェリーに乗っているときはデュアルSIMのデータ通信設定をドコモにしておけばいい──恐らくはこれが、大洗~苫小牧航路におけるファイナルアンサーでしょう。
いやぁ、ここまで書いておいてなんですが、フェリーに乗り慣れた方なら「キャリアによって海上の電波の繋がりやすさは違う」なんてのは、当たり前の知識なんでしょうね。この筆者の無知っぷり。お恥ずかしいったらありゃしない。
ただ当然ながら、日本海側の小樽~舞鶴ルートなら事情が違うでしょう。もしかしたら、瀬戸内海のフェリーだったらどのキャリアでも繋がりやすかったりするかもしれません(あくまで想像です)。漁船の乗組員さんは、こうした事情に詳しそうなので、一度じっくり話を聞きたいところです。
さてフェリーにおけるスマホ利用をめぐっては、KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレスが「フェリーWi-Fi」の本格展開をはじめました。これはなかなかau契約者にメリットが大きいサービスなのでは。よーし、これらのフェリーにもおじさん乗りにいっちゃうぞ! 取材と称して!








