みんなのケータイ

空が見えればOK! 「au Starlink Direct」を試しに圏外へ行ってみた
2025年4月25日 00:00
既報の通り、KDDIと沖縄セルラーは、地上のアンテナの電波が届かない、“圏外”であっても通信できる「au Starlink Direct」を4月10日に開始した。
インターネットに接続して検索したり、LINE通話をするなどのデータ通信は現時点で行えないが、テキストメッセージのやりとり、現在位置情報を知らせることなどはできる。テキストメッセージや現在位置を知らせられるのであれば、バイクで山道を走行中に故障したとしても家人に位置情報を知らせてJAFを呼んでもらうことができる。
さっそく、圏外を求めて山へ向かった。
KDDIサイトで圏外を探して出発
au Starlink Directでテキストメッセージを使うには、下準備が必要だ。Android端末の場合、「Google メッセージ」が利用可能ツールとなっており、デフォルトで使っていることの多い「+メッセージ」は対象外だからだ。
また、「RCSチャット」をオンにしておく必要がある。
圏外を探すのは簡単だ。KDDI エリアマップを開いて、自宅を中心に縮尺をどんどん下げていけば良い。
あとは、行きやすそうなランドマークをGoogleマップで検索し、ナビをオンにしてバイクを走らせるだけだ。
送信できても受信しづらいという発見
いざ、長者屋敷キャンプ場付近に到着したものの、道が細く、バイクといえど停めておくと交通のじゃまになりそうだったので、道が広く、車通りの少ないであろう場所を求めてもう少し進んでいくことにした。
すると、唐突に広い道に出た。道路脇にある資材置き場へ出入りするダンプカーなどに配慮した道幅のようだ。ここなら通行のじゃまにならないし、空も見える。バイクを停めてau回線を契約している「Galaxy S23 Ultra」を取り出してみた。
よく見ると、いつもなら電波状況を示す“アンテナ”マークのある箇所に、人工衛星アイコンが表示されている。
「今、私のスマートフォンは上空を飛ぶ人工衛星とつながっているのか~」と感慨にふけりつつ、Googleメッセージから通信エリア内のソフトバンク回線のiPhone 16へテキストメッセージを送ったところ、ほとんどタイムラグなく送信しiPhone側で受信できた。
現在地情報は、メッセージ送信画面の「+」ボタンをタップすると表示される「場所」から送信できる。こちらもタイムラグなく送信できていた。
ただ、受信には時間がかかるようだ。これは電波状況があまり良くないからだと考えられる。
Googleメッセージテキストメッセージアプリも試してみたが、サイトに告知されていた通り、+メッセージでは送信できなかった。夏以降にデータ通信に対応するとのことだが、万が一に備え、通信状態の良い場所にいるうちに、Googleメッセージアプリをインストールしておくことをおすすめする。
帰り道、ふと、太陽系からさらに離れた太陽圏外に出たボイジャー1号の孤独を連想した。上空約340kmの宇宙空間に浮かぶスターリンク衛星と、手元のスマートフォンが直接つながる。この「衛星通信」という体験が、心の奥底に眠っていた宇宙へのロマンを一気に呼び覚ますものとなったようだ。