みんなのケータイ

筆者にも「NTTファイナンス」を騙る"料金未納の詐欺電話”がかかってきました

 たまたま、筆者はショッピングモールで買い物をしていた。スマホが鳴ったので、画面を見てみると――

「+1 844-***-****」

 ……これはもしや!
 お待ちかねの「架空料金請求詐欺」キタ━(・∀・)━!?

 説明しよう。この電話番号の「+1」は北米エリア、つまり米国やカナダの国際電話番号である。そして続く「844」は着信者課金番号。日本で言えば「フリーダイヤル」に相当する番号だ。

 実は、最近の詐欺電話では「050-」で始まるIP電話番号が規制強化により減少し、代わりに国際電話番号が利用されるケースが増えているらしい。特に「+1(844)」や「+1(855)」といった着信者課金番号がよく使われているとのこと。

噂の「+1(844)」が来た! ちょっと興奮が抑えられない。

 「050-」や「090-」の迷惑電話は受けたことがあったが、米国のトールフリーからの詐欺電話は初めてだ。セキュリティマニア(?)としては、一度受けてみたいと思っていた。ついに来たか……! そんなことを考えながら、ほくそ笑んでしまった。

 ちなみに事前情報として、消費者庁の公式サイトで以下のような警告を目にしていた。

 大手通信関連会社の「NTTファイナンス」または「NTT」を名乗り、国際電話番号等から自動音声ガイダンスやSMSで「料金未納」を告げる。

 消費者が案内に従うと、アプリ利用料などの未納料金を理由に「支払わなければ裁判になる」と脅され、プリペイド型電子マネーでの支払いを要求されるケースが多発している。

 この知識を持った上で、いざ応答してみる。

 スマホを耳に当てると、女性の自動音声が流れてきた。

 「こちらはNTTファイナンスです。お客様の電話料金が未納となっており、法的措置に移行いたします。オペレーターとお話になりたい方は”1”を押してください」

わくわく(?)しながら「1」を押す筆者。(写真は再現。実際の場面ではない)

 うんうん、聞いていた通りだ。間違いなく詐欺電話。わくわく(?)しながらスマホをダイヤル画面に切り替え、「1」を押す。

「はい、NTTファイナンス、鈴木でございます」
 男性の声が応答した。

 ここで筆者、試しに無言を貫いてみた。

「……もしもしー?」
「…………あんー? あんだってー?」(←わざとふざけて応答してみた)

「もしもし聞こえていますかー?」
「……もしもしー?」

 しびれを切らしたのか、オペレーターが急にドスの効いた声で怒鳴り始めた。
「舐めてんのか、ゴラァ!」

 思わず笑いながら返す。
「ハッハ、ごめんごめん。ところで、最近はNTTファイナンスってアメリカのフリーダイアル使うんだ?」

 すると
「プツッ!」――電話が切られた。

 ああ、しまった。これでは何の啓発にもならないではないか。

 犯罪者にダメージを与えたわけでもないし、どうしてこの番号にかけたのか(まぁ、総当たりだとは思うが)、あるいは「+1(844)」をどうやって取得したのか(普通のIP電話アプリでは取れないはずだが)など、もっと真面目に聞き出していれば良かったのではないか……。

 と、少しだけ反省している……反省しているとも。うむ。