みんなのケータイ

スマートフォンのありがたさを猫の病気で再実感

【Libero Flip】

 突拙宅には猫が2匹おり、そのうちの後からやってきたほうの猫(猫その2)が糖尿病を患ってしまった。これは、慢性疾患の治療で使う薬の副作用で食欲増進による肥満と、ステロイド増加によるクッシング症候群などが原因と見られる。

 「血糖値が高いままでは、猫でもやはりあちこちに悪影響が出てしまうから、インスリンを投与してください。注射で。自宅で」と獣医師。もちろん素人の筆者がインスリン投与量などわかるはずもない。測定した猫の血糖値を獣医師に連絡し、その判断を仰ぐ。

 「注射以前に、血糖値を測るのに、毎回針を刺せるだろうか」と不安だったのだが、今は患畜に血糖値を常時モニタリングするセンサーを取り付けておき、時間になったらリーダー(読み取り装置)でセンサーのデータを読み取るだけでいいらしい。なお、用意されたセンサーは「FreeStyleリブレ」という円盤状のもので、人間用のものと同じである。

専用リーダーをかざして数値を確認する。コンパクトなので猫に気づかれにくいのだが、頻発するスキャンエラーで何度もかざすと、「ニャにやってるんだ」といやがられてしまう
猫に装着した「FreeStyleリブレ」。リーダーをかざしていない間も血糖値をモニタリングし続け、数時間分の値を本体内に保存する優秀な器具だ

 センサーにリーダーをかざすタイミングは、インスリンの注射をしてから1時間後、あとは2時間おきである。これは、急激な血糖値の低下が起きていないかを知るため、あとは1日の中でどのような変化があるかを知っておくためである。

 幸いなことに、仕事のほとんどを自宅で行えるので、獣医から求められている要求を果たせる。忘れなければ、であるが。

 そこで、スマートフォンの出番だ。9時、11時、13時という具合にアラームを設定しておく。バイブレーションで知らせるようにしておけば、別の階にいてもアラームが鳴っていることになんとなく気づける。

 ここで使ったのはZTE Libero Flipだ。折りたたんでおけばコンパクトなので、テーブルの上に置いておいてもじゃまにならないし、筆者の持っているスマートフォンの中では比較的バッテリー持ちが良いからだ。

フットプリントが小さいので、他のスマートフォンと比べてじゃまにならない

 Libero Flipに設定したアラームのおかげで、仕事に集中していても、別の作業をしていても、確実に決まった時間で読み取り作業を行えるようになった。こんなにたくさんのアラームを設定できるとは、なんとスマホはすばらしいものなのだろうか。

スマートフォンって、一体いくつのアラームを設定できるんですかね、とチャレンジしたくなるようなアラーム設定画面

 さて、忘れっぽい筆者でも定刻に務めを果たすというハードルを文明の利器により超えることができたのだが、さらに楽ができないかと考えるようになった。

 というのも、FreeStyleリブレの専用リーダーが少しばかりクセモノで、1日のうち何度か読み取りに失敗する。そうなると、物理的なボタンを押してホームに戻り、タッチディスプレイの「グルコース値を測定」アイコンをタップする必要があるのだが、この感度が非常に低い。看護師ですら「反応悪いんですよね~」と苦笑いするレベルだ。

 さらに表示の切り替わりが早く、その割に画面消灯までの時間が短い。

 かかりつけの獣医師に「今日の血糖値は……」とSMSを打っている間に消灯してしまうので、電源を入れる、ホームボタンを押す、「履歴を見る」アイコンをタップする、履歴をタップする、という数段階を経なければならない。しかもその1つ1つで反応が悪いのだ。これはストレスが溜まる。スクリーンショットを残せないのもちょっと残念だ。

 ぼんやりと「これってNFC使って読み取っているのか、だったらアプリがあるのでは!?」と考えるようになった。そしてアプリストアを探したところ「FreeStyle LibreLink」(以下、リブレ)アプリをGoogle Playストアで見つけることができた。

神アプリ発見!

 どのスマホにインストールしようかと多少悩んだが、ここでもLibero Flipを選んだ。理由はアラームを止め、開いて読み取るという流れをスムーズに行えそうだと考えたからだ。しかもLibero FlipのNFCセンサーは下半分に搭載されている。猫にあまり気づかれずにササッとかざすことができそうだ。

 試したところ、読み取り時の猫は比較的平常心を保っているようだったし、確実に読み取れている。おまけにスクリーンショットを撮るのも容易だ。もちろんタッチ操作の反応が悪いということもない。

ほぼエラーなくスキャン完了。見やすいし、その他の画面に遷移するためのタッチしやすいのも良い
スクリーンショットを撮れるので、履歴を残すのも簡単である

 あのまま専用リーダーのみで読み取り作業をしていたら、ストレスが溜まってしまっていただろう。猫にしても、「何か変なものを何度も何度も近づけてくるニャ」といやがるようになったかもしれない。猫の病気と、それに関係して反応の鈍い機器に久しぶりに触れたことにより、スマホのありがたさを再実感したのであった。