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お盆のお墓参り、今年はシェアサイクルで行ってみた

 お盆のお墓参りにシェアサイクルを活用してみました。筆者は毎年お盆の時期に、埼玉県熊谷市にある、とあるお寺にお墓参りに行くのですが、お寺までの交通手段をどうするか? が例年の課題でした。

 と言うのも、筆者は自家用車を所有していないため、基本的には公共交通で目的地を訪問する必要があります。

 熊谷駅からお寺のすぐ近くまで路線バスが走っていますが、バスは1時間に1本(多い時間帯で2本)と、便数が多くはありません。さらに、自宅からのアクセスが良い電車で熊谷駅に到着すると、バスの出発時間にギリギリ間に合わない……という、非常に惜しいタイミングで電車が到着し、バスが出発してしまうのです。

バスには間に合わず、駅から見送った

 これまでの選択肢は、駅前のカフェなどで過ごして次のバスまでの約1時間を待つか、タクシーで片道約3000円を支払いするかの2パターンでしたが、ここに新たな選択肢が加わりました。

 それは、熊谷市内で2021年9月にスタートしたシェアサイクル「ワイルドナイツサイクルシェアリング」です。サービス名やロゴ、車体カラーはラグビーチームの「埼玉パナソニックワイルドナイツ」からきています。

「ワイルドナイツサイクルシェアリング」の自転車
前カゴにもチームロゴがばっちり

 自転車は電動アシストつきで、料金は基本プランが15分ごとに88円(1時間で352円換算)、料金上限は1日は2000円(8時間まで)です。なお、市内の通勤や通学利用向けの月額プランは6000円で、1回の利用は60分まで、以降は15分ごとに88円の料金が設定されています。

 「ワイルドナイツサイクルシェアリング」の利用には、スマートフォンが必要です。「ecobike」アプリをインストールし、アカウントの登録および支払い方法の設定をします。既に他の地域で「ecobike」を使っている方は、登録済みのアカウントを利用できます。支払いは、クレジットカード払いのほか、ドコモまたはソフトバンクのキャリア決済に対応しています。また、一部エリアは現金の支払いも可能です。

 他社のシェアサイクルと同様に、自転車のスマートロックに貼られているQRコードをアプリで読み込みすると、カギが解錠され自転車が利用できるようになります。

スマートロックに貼られているQRコードをアプリで読み込む

 熊谷駅の最寄りのステーションは、商業施設「ティアラ21」の向かいにありました。自転車をレンタル・返却するためのステーションは市内20か所に設置されており、原則として24時間営業ですが、このステーションは6時~22時までの営業です。

熊谷駅近くのステーションでレンタル

 今回の目的地は熊谷駅から片道約8.5km。普通に歩けば1時間30分程度かかりますが、電動アシスト自転車で走行してみると、所要時間は片道約30分でした。道中は信号が少なかったせいか、普段東京都内を電動アシスト自転車で走るよりもやや早いペースです。

Google Mapで確認すると片道の所要時間は約30分

 もともとは、シェアサイクルをお寺の近くのステーションに預けて、復路は時間があえばバスを、バスの時間があわなければタクシーを使おうかな……と考えていましたが、熊谷駅からくまがやドームへと至る道路には、自転車専用通行帯が設けられていました。

 また、通行帯への自動車の路上駐車なども極めて少なく、道中は極めて快適に自転車走行ができたので、当初の計画を変更して帰りもシェアサイクルを利用することに。

自転車専用通行帯が整備されており、自転車でも走行しやすかった

 目的地のお寺にはシェアサイクルのステーションが設置されていないため、一時駐輪中も料金が発生してしまうのですが、その料金は1時間で350円ほど。一時駐輪の時間が長時間でなければ、それほど負担が大きいわけではありません。むしろ、一時駐輪のためにステーションに返却して、お寺まで歩いて往復する方が手間と時間のコストが大きいな…と考えたのです。

 天候が荒れていないことや、(夏場は特に)気温が高すぎないこと、高齢者や幼児など自転車移動が難しいメンバーが同行しないなど、もろもろの条件が整う必要はありますが、バスでは待ち時間が長くなるケースが多いこと、タクシーでは運賃が高くなることを考えると、シェアサイクルでの移動は筆者にとって非常にありがたい、第3の選択肢と言えます。