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2024年の世界のvRAN市場規模は約3300億円、Open RANの市場規模は約1500億円と推計
2025年12月13日 06:00
MCA並びにHand Off Solutionsは、国内外におけるvRAN/Open RANの開発・導入実態、主要キャリア・ベンダーの取り組み、アーキテクチャ選定や導入後のコスト削減効果、標準化団体の活動、政策的背景などについて調査し、その結果を調査レポート「通信事業者を取り巻くRANのオープン化と仮想化における導入実態と市場動向2025年度版」に取りまとめた。
前回に引き続き、本稿では当該レポートから調査結果の一部を取り上げる。今回は、vRAN及びOpen RANの市場規模に焦点を当てる。
vRAN市場は2024年には世界市場で約3300億円、日本市場でも約340億円規模
vRAN市場は海外では、米Verizonや英Vodafoneなどが5G SA対応を契機に仮想化CU/DUを本格導入し、マルチベンダー構成の商用展開が拡大している。
一方、日本では楽天モバイルがフルvRANアーキテクチャを先行導入したものの、他キャリアはvRANベンダー選定や半導体不足の影響を受け、導入は段階的に進行している。
特に2023年以降は、KDDIやNTTドコモが自社ネットワークにおける検証を強化しており、Open RANとの連携も視野に入れている。
今後、6G時代を見据えた柔軟なネットワーク設計やAI制御との親和性の高さから、vRANはネットワークの中核技術として一層の拡大が期待されている。
日本のOpen RAN市場は2024年時点で約110億円に到達する見通し
市場全体に占める割合はいずれも4%程度にとどまっており、既存RAN装置と比べると依然として限定的である。
国内では楽天モバイルがOpen RANを先行導入したものとされるが、実態としては、装置構成は周波数帯により異なり、4G/LTEではNokia製、Sub6ではNEC製、ミリ波では米Airspan製のRUを採用している。中でも700MHz帯ではO-RAN Fronthaul準拠のNEC製RUを導入しており、Open RAN仕様に沿った運用が一部実現されている。
一方で、Ericssonなどの主要グローバルベンダーの対応は限定的であり、商用ネットワークにおけるマルチベンダー接続の実装は依然として技術的・運用的な課題が多い状況にある。
今後の市場予測に関しては、vRAN市場は2025年の約4000億円から2030年には9300億円へと倍増し、RAN全体に占める構成比も12%から25%に拡大する。日本市場においても同期間に500億円から900億円へと成長し、構成比も18%から35%に上昇し本格的な普及が見込まれている。
一方、Open RAN市場は2030年に世界全体で約8200億円、日本国内で約380億円規模に達すると予測した。特に海外では、EricssonやNokiaといった大手ベンダーが依然としてOpen RANへの対応に慎重な姿勢を崩しておらず、SamsungやNEC、Fujitsu、Mavenirなどの新興勢力だけではグローバルな展開に限界があるためである。
従って、今後の市場拡大には、大手ベンダーの対応装置の拡充や、マルチベンダー環境下でのオーケストレーション成熟といった課題の克服が不可欠だろう。


