山根康宏の「言っチャイナよ」

240Wの世界最高速充電スマホや、DXOmarkベンチ1位の「Magic5 Pro」登場

世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2022年2月に発表・発売された5Gスマートフォンは7機種。内訳はrealme 3機種、HONOR 2機種、その他メーカー2機種。

 HONORはフラッグシップカメラフォン「Magic」シリーズを半年ぶりに更新した「Magic5」シリーズ2機種を投入。カメラデザインを大きく変えファーウェイ色を一新した。

 realmeからは240Wという超高速充電に対応した「GT Neo5」が登場。スマートフォンの充電はついに「分」時代を迎えようとしている。ハイエンドモデルに特化したメーカーとして存在感を見せるOnePlusはハイエンドモデルのバリエーション製品「Ace 2」の投入で、ここのところ他社に追い上げられている高性能モデルの厚みを広げた。

ハイエンドモデルのラインナップを広げるOnePlus「Ace 2」

 1月に発売したOnePlusのフラッグシップモデル「OnePlus 11」のデザインをそのままに、全体のスペックを引き下げたモデル。カメラもハッセルブラッドのロゴは入らず色づくりはOnePlus独自のものとなる。その一方で100Wの急速充電は同等の性能を引き継ぐ。5177mmの総面積の冷却版も備え、ゲーム端末としての性能も高い。

項目内容
発表日2023年2月9日
価格2799元(約5万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.74インチ2772x1240ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5000mAh、100W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n40 / n41 / n77 / n78
サイズ163.4 x 74.3 x 8.7mm、204g

5G入門機を2機種投入、格安モデルのrealme「V30」

 realmeの低価格モデルで4Gから5Gへの移行を促す戦略モデルが「V30」。2022年6月発表の「V20」の後継機で、ハードウェアはほぼ同等と考えられる。スペックの一部は公開されておらず、性能ではなく価格で選ぶ消費者をターゲットにしている。本体カラーはブラックとゴールドと上品にしており安っぽさは感じさせない。

項目内容
発表日2023年2月7日
価格1099元(約2万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.52インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+30万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ高さ不明x幅不明x8.1mm、186g

格安5G機のバリエーションモデル、realme「V30t」

 realme「V30」と同時に発売になった「V30t」はスペックは同等であり、モデル名のみを変更。価格は200元高い。販売ルートを変えて投入されるモデルとなる予定。

項目内容
発表日2023年2月7日
価格1299元(約2万5000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.52インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+30万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ高さ不明x幅不明x8.1mm、186g

世界最高速の240W充電対応、realme「GT Neo5」

 240Wという世界最高の充電速度を実現したモデルがrealmeの「GT Neo5」。わずか30秒の充電で2時間の通話が可能になるという。バッテリーは80秒で20%、4分で50%、9分半で100%の充電が可能だ。ディスプレイも144Hz駆動とゲーム利用も意識した設計になっている。カメラの横は透明パーツとし、長方形型の25色に変化するLEDライトも配置した。なお240W対応は16GB+1TBモデルのみで、メモリ構成が下位のモデルは150W充電となる。

項目内容
発表日2023年2月9日
価格2799元(約5万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.74インチ2772x1240ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数5000万+800万超広角+200万顕微鏡
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5000mAh、150W充電(有線)、4600mAh、240W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n40 / n41 / n77 / n78、NSA : n1 / n3 / n41 / n77 / n78
サイズ163.85 x 75.75 x 8.9mm、199g

HONORのフラッグシップカメラフォンがモデルチェンジ、「Magic5」発表

 新デザインのカメラを搭載するハイエンドモデルがHONOR「Magic5」。複数のカメラを円周上に並べていた従来のデザインはファーウェイ「Mateシリーズ」を引き継いでいたが、本モデルからは3つのカメラを円中心に三角形に配置。カメラの台座は美しい「ガウディーカーブ」を描いて本体へとつながる。Magic-Logなど新しいビデオ撮影モードも備える。

項目内容
発表日2023年2月28日
価格3999元(約7万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 2
ディスプレイ6.73インチ2688x1244ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5400万+5000万超広角+3200万光学2.5倍望遠
インカメラ画素数1200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5100mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n41 / n77 / n78
サイズ161.4 x 75.5 x 7.8mm、187g(ビーガンレザーのみ)、191g

5000万画素トリプルカメラ搭載のDXOmark最高モデル、HONOR「Magic5 Pro」

 5000万画素カメラ3つを同心円上に搭載する超高性能なカメラスマートフォンがHONORの「Magic5 Pro」。昼間も夜間も、そして超広角から望遠まであらゆるシーンを美しく記録できる。デジタル望遠は100倍に対応。またバッテリーは電極に新素材となるシリコンカーボンを採用し、同サイズのバッテリーよりも容量を高めた。

項目内容
発表日2023年2月28日
価格5199元(約9万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 2
ディスプレイ6.81インチ2848x1312ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+5000万光学3.5倍望遠
インカメラ画素数1200万+深度測定(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、16GB+512GB、16GB+1TB
バッテリー5450mAh、66W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n38 / n41 / n77 / n78
サイズ162.9 x 76.7 x 8.77mm、215g(ビーガンレザーのみ)、219g

B2B向けの高性能なデュアルOS切り替えモデル、ZTE「Tianji A41 Pro 5G」

 1億800万画素カメラや144Hzの高速駆動ディスプレイを搭載し、Android OSのモードを切り替えできるデュアルOSに対応したB2B向けのモデル。

項目内容
発表日2023年2月28日
価格未定
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル、144Hz
リアカメラ画素数1億800万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数3200万+深度測定(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ162.9 x 72.9 x 8.46mm、199g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。