山根康宏の「言っチャイナよ」

OnePlusのフラッグシップ登場、899元の激安モデルはあのスマホをインスパイア

世界最大のスマートフォン市場、かつ最大の5G加入者数を誇る中国で毎月発売された5Gスマートフォンを香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が紹介する。2023年1月に発表・発売された5Gスマートフォンは6機種。内訳はvivo 1機種、OPPO 1機種、HONOR 1機種、その他メーカー3機種。

 2023年は1月22日が旧正月となることもあってか、毎月10機種以上の5Gスマートフォンが発表されていたが今月はメジャーメーカーの製品は4機種のみ。vivoとOPPOはエントリー5G機のマイナーチェンジ、HONORもハイエンドのバリエーションモデル投入であり、純然たる新モデルと言えるのは「OnePlus 11」のみであった。マイナーメーカーではLeTVがiPhone 14 Proデザインをコピーした「S1 Pro」を格安価格で発売。また高級モデルをリリースしているKretaから「Mycenae M11」が発表された。

999元の格安5Gスマホ、vivo「Y53t」

 1000元を切る価格で登場したvivo「Y53t」は4Gユーザーの5Gへの移行を狙い、ECサイト限定で販売される。1300万画素カメラにメモリは4GBと最低限のスペックだがバッテリーは5000mAhと十分な性能を持つ。なお2021年発売の「Y53s」の後継モデルではない。vivoも低価格機を多く出しており、型番付与システムがややわかりにくくなっている。

項目内容
発表日2023年1月1日
価格999元(約2万円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.51インチ1600×720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数500万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB、6GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドSA : n1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78、NSA : n41 / n77 / n78
サイズ164.05×75.6×8.15mm、186g

ラグジュアリーな高価格5Gスマートフォン、Kreta「Mycenae M11」

 独自路線で高級素材を使ったスマートフォンを展開しているKretaから2023年モデルとして登場したのが「Mycenae M11」。背面はカーフレザーブラウンまたはワニ革ブラック仕上げの2つのモデルを用意。メインカメラの横には時刻や通知を表示する小型のサブディスプレイも搭載する。なお本体デザインは同じ高級スマートフォンを出すVERTUの「iVERTU」とほぼ同等だ。詳細スペックは不明のまま1月から予約販売が開始されている。

項目内容
発表日2023年1月2日
価格7999元(約15万7000円)から
チップセット不明
ディスプレイ6.517インチ1600×720ピクセル、背面0.8インチ160×80ピクセル
リアカメラ画素数4800万+サブカメラ解像度不明
インカメラ画素数800万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー4850mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ164.0×75.5×8.8mm、203g

OPPOも格安5Gスマートフォンの後継機「A56s」を投入

 2021年10月にOPPOが発表したエントリー5Gモデル「A56 5G」の後継機となるのが「A56s」。カメラ周りのデザインは大きく変わり、最近のトレンドである同円サイズのレンズを2つ並べたデザインになっているが、1300万画素カメラやエントリー5Gチップセットなど基本的な性能は変わっていない。

項目内容
発表日2023年1月5日
価格1099元(約2万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.56インチ1612×720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ163.8×75.1×7.99mm、186g

OnePlusの最新フラッグシップモデル「OnePlus 11」が登場

 OnePlusのフラッグシップモデルは数字2桁の型番であり、2022年1月に発表された「OnePlus 11 Pro」の後継機となるのが「OnePlus 11」だ。リアカメラは3つとも高解像度となり、ハッセルブラッドのカラーエンジンを思う存分発揮できる。バッテリーは100Wの急速充電対応。2022年8月発表の「OnePlus 10T」で廃止されたOnePlus独自のマナーモード切替スイッチ「Alert Slider」は本モデルで復活している。

項目内容
発表日2023年1月4日
価格3999元(約7万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 2
ディスプレイ6.7インチ3216×1440ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数5000万+4800万超広角+3200万2倍望遠
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+128GB、16GB+256GB、16GB+512GB
バッテリー5000mAh、100W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41 / n66 / n77 / n78
サイズ163.1×74.1×8.53mm、205g

ハイエンドモデルのバリエーションを強化、「HONOR 80 Pro Flat Edition」

 2022年11月発売のHONORのフラッグシップシリーズ「HONOR 80 Pro」と「HONOR 80」を組み合わせたモデルが「HONOR 80 Flat Edition」だ。80 Proの本体に80のフラットディスプレイとカメラを組み合わせており、両者の中間に位置するハイエンドモデルのバリエーション製品であり、カラバリは3色あるがメモリ構成は1タイプのみとなる。

項目内容
発表日2023年1月5日
価格3599元(約7万円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8+ Gen 1
ディスプレイ6.67インチ2400×1080ピクセル、120Hz
リアカメラ画素数1600万+800万超広角+200万深度測定
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB
バッテリー4800mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ162.5×75.3×7.9mm、186g(黒)、193g(青、ピンク)

iPhone 14 Proクローン「S1 Pro」が激安5GモデルとしてLeTVから登場

 iPhone 14 ProのデザインをほぼインスパイアしたモデルをLeTVが発売。「S1 Pro」は899元という超低価格な5Gスマートフォンだ。価格だけでもインパクトはあるはずだが、それだけでは差別化できないと考えたからか、恥じらいも無く有名モデルと同じデザインを採用。リアカメラは1つしか搭載しておらず他の2つはダミー。フロントカメラも500万画素のみだがダイナミックアイランド型デザインとした。

項目内容
発表日2023年1月9日
価格899元(約1万8000円)から
チップセットUNISOC T7510
ディスプレイ6.5インチ1600×720ピクセル
リアカメラ画素数1300万
インカメラ画素数500万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ164.3×77.7×9.5mm、209.5g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。