【MWC Barcelona 2022】

MWCデビューを飾ったHonor、ハイエンドの「Honor Magic4 Pro」を発表

 ファーウェイから独立して、スマートフォン事業を展開するHonor(オナー)は、MWC Barcelona 2022で2月28日にプレスカンファレンスを開催。フラッグシップモデルとなる「Honor Magic4 Pro」を発表した。

HonorがMWCで発表したHonor Magic4 Pro

 同社は、元々ファーウェイのネット専業ブランドとして立ち上げられた経緯があり、かつては日本でもファーウェイがHonorブランドの端末を楽天モバイルなどを通じて販売していた。その後、ファーウェイは米国からの制裁対象になり、GMS(Google Mobile Service)を搭載したAndroidの使用や、5Gに対応したチップセットの採用ができなくなってしまった。Honorも、同様だ。

 そこでファーウェイは、Honorを販売店などが立ち上げた新会社に売却。ファーウェイから完全に切り離すことで、Honorは制裁の対象から外れた。独立当初は中国市場に特化して端末を販売していたHonorだが、21年には欧州などに販路を拡大。2月28日に開催されたイベントは、独立後初となるMWCでの発表会という位置づけになる。

 発表会では、同社のCEOを務めるジョージ・ジャオ(George Zhao)氏が、グローバル展開の実績をアピール。初の欧州展開を果たした「Honor 50」は、49の国や地域に展開された。全体では、100を超えるマーケット、200を超えるキャリアや販売パートナーに販路を拡大している。また、同社は研究開発に注力しており、フランスや日本にR&Dセンターを設立していることが明かされた。

発表会には映像で出演したCEOのジャオ氏
欧州展開を果たしたHonor 50は、49カ国で販売。高い評価を得たと自信をのぞかせた
展開国は100を超えるという。日本では端末こそ販売していないが、研究開発拠点を設立した

 Honor社の社是は「Technological Idealism(技術的理想)」と「Can-do Atitude(Honorだからこそできるという姿勢)」だと語るジャオ氏。そんな同氏が披露したのが、上記のHonor Magic4 Proだった。

 Honor Magic4 Proは、「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載したハイエンドモデル。円の中に複数のカメラを配置した「The Eye of Muse」と呼ぶデザインが特徴で、ディスプレイは6.81インチ。1Hzから120Hzにリフレッシュレートが可変し、最大輝度も1000ニトと明るい。SDRのコンテンツを自動的にHDRにアップグレードする「HDR+」にも対応する。

背面のカメラユニットが特徴的なデザイン。ファーウェイのMateシリーズをほうふつとさせる

 カメラはトリプルカメラで、メインと超広角の両方が5000万画素。望遠カメラは6400万画素で、1/2インチとセンサーサイズも比較的大きめだ。「ウルトラフュージョン」と呼ばれる、デジタルズームの画質補正技術にも対応しており、発表会では、iPhone 13 Proとの比較で優位性をアピールしていた。

カメラはメイン、超広角ともに5000万画素。望遠は6400万画素だ

 珍しい機能としては、音に志向性を持たせて通話時の声を周囲に聞こえにくくする機能に対応。GPUの性能を底上げする、「GPU Turbo X」にも対応する。ユーザーインターフェイスには、Honor独自のカスタマイズをほどこした「MagicUI」を採用。同モデルでは、このバージョンが6に上がり、ゲームのパフォーマンスなどが向上するという。価格は889ユーロ(約11万5000円)からとなる。

超音波式の指紋センサーや、立体的に顔を識別する顔認証に対応する

 このほか、Honorの発表会では、フォルダブルスマートフォンの「Honor Magic V」などが展示されていた。ここでは、その写真を以下に掲載する。

フォルダブルスマートフォンのHonor Magic V
Galaxy Z Fold3 5G(筆者私物、左)との比較。画面サイズが大きい