特集:5Gでつながる未来

「5Gでおもしろいほうの未来を」、KDDI髙橋社長が語る次の一手

 16日、幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2019」の基調講演に、KDDI代表取締役社長の髙橋誠氏が登壇した。

 「入社から1Gまですべて体験してきたが、ついに5回目だ」と感慨を現し、令和元年を5G元年として取り組んでいきたいと語った。

髙橋氏

時代の節目をもたらしてきたもの

 3G以前と4G以降では確実に変わったものが、「スマートフォンの登場」だという。

 3Gまではフィーチャーフォンだったが、4Gでは一気に普及したスマートフォン。3G以前ではフィーチャーフォンの中での進化が主だったため、料金面などさまざまな工夫が必要だった。

 5Gではどうなるのか、髙橋氏は「これからまたデバイスがガラッと変わるような予感はまだない。ということは、いろいろと工夫が必要なのではないか」と語る。

 「『おもしろいほうの未来へ』。これが定義できないと5G(の普及)は実現できないのではないか」と高橋氏。

おもしろいほうの未来をつくる

 KDDIでは「UNLIMITED WORLD」という世界観を展開している。

 5G時代を見据えた試みのひとつで、日本初の無制限プランを提供。ネットフリックスとの提携による使い放題プランは5Gの「つながり続ける世界」を現している。

 「体験価値を拡張する」という5G時代にあわせて、拡張現実(AUGMENT REALITY)とワードに、「“AU”GMENT」と、au自身の存在を込めて、スポーツやエンターテイメントなどさまざまな体験を提供していくというKDDI。

 現在、すでに大学スポーツにテクノロジーを融合させ、新たな観戦体験を提供したり、センサーボールを活用して、選手のデータを蓄積、分析する野球IoTギアの提供なども行われている。

 渋谷の街にARで情報を映し出す試みや、ドローンレースなどでの映像中継、ライブ配信、日向坂46のライブイベントなど新たなイベントの開催も決まっている。

 CEATECではKDDIが開発した「どこでもドア」が展示されている。高橋氏は当初社内で見たときに「なんだこれ」と思ったというが、完成度を高め、きれいなARの世界が楽しめるソリューションだ。

ビジネス面での広がりも

 KDDIでは、「KDDI DIGITAL GATE」をオープンしている。

 単に企業に5Gを体験してもらうという施設ではなく、5Gを活用したビジネスモデルを一緒に考えるという施設。虎ノ門の開設を皮切りに沖縄、大阪にも開設された。

 利用企業はのべ250社超に利用されており、これからもさまざまなコラボレーションを推し進めていきたいと高橋氏。

 高橋氏は最後に「いろいろな体験価値を生み出していきたい。日本全体で5Gを盛り上げていきたいと思う」と5G時代への決意を現した。