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窓ガラスが5Gアンテナに、AGCが自動車用5Gガラスアンテナを公開、CEATEC 2019

 AGC(旧商号・旭硝子)は、10月15日~10月18日に千葉県の幕張メッセで開催されている「CRATEC 2019」において、5Gアンテナを埋め込んだ自動車用ウィンドウガラスを公開している。

 5Gアンテナを搭載したガラスは、AGCが開発。NTTドコモ、AGC、エリクソンの3社で共同実験を行っている。28GHz帯の電波を受信できるアンテナを備え主に自動運転や、車内の5Gスマートフォンへの電波の増幅などの用途が想定されている。

 5Gの普及に伴い、自動運転や車載機による常時通信などのいわゆるコネクテッドカーが一般的になっていくことが予測される。しかしその一方で、自動車の車体にはアンテナを搭載できる余地が少ない。

 また、自動車メーカーはアンテナなどの突起物を増やすことはデザイン上の都合により難色を示すことが多い。AGCが開発したガラスアンテナは、アンテナの搭載場所の問題を解決するとともに自動車メーカーのニーズにも応えられるものとなっている。

オンガラスアンテナ
合成石英ガラスアンテナ
フレキシブルアンテナ

 展示されているアンテナは、全部で3種類。ガラスの縁に取り付けるオンガラスアンテナ、小型化した合成石英ガラスアンテナ、そして最も小型なフレキシブルアンテナ。展示されていたのものは、トヨタ ハイエースのサイドウィンドウを利用していた。

実験で使用された日産 GT-R。窓の室内側にアンテナが貼り付けられている

 フレキシブルアンテナは、名前の通りフレキシブル基板を採用しており、オンガラスタイプに比べて小型化に成功している。これにより車内で目立ちにくいというメリットがある反面、小型化が進むほど、横方向からの電波を受信しにくくなるという弱点もあり、現在はそうした課題を解決することが目標だという。