iPhone駆け込み寺
新型iPhoneは買うべき? iOS 27での延命とApple Watch活用術
2026年9月17日 16:49
毎年秋、iPhone新モデルが発売されるこのシーズンは、iPhoneユーザーにとって、「自分は買い替えタイミングなの?」が気になる時期でもある。今年は例年より判断を難しくする材料が多く、場合によっては買い替えを見送る判断も必要になりそうだ。
本稿ではこの秋に買い替えるべきかどうか、どう判断するかについて解説する。
買い替え判断ポイントその1「iOS 27によるパフォーマンス改善」
先ごろ配信が開始されたiPhoneのソフトウェアアップデート、iOS 27では、新要素としてパフォーマンスチューニングが施されている。ちなみにiPadOS 27も同様にパフォーマンスチューニングが入っている。
筆者が5年間ほぼ毎日、電子書籍や動画視聴に使い続けているiPad mini 6(2021年発売/A15 Bionic搭載)にiPadOS 27を入れてみたところ、アプリの起動やキーボードの表示などの速度が体感できるレベルで改善した。
アップデート前は動作のモッサリ感が増してきたことから、「そろそろ買い替えか」と検討していたが、アップデート後は「まだ使えるどころか用途を増やせるな」と考え直してしまった。
iOS 26が使えるiPhoneならiOS 27にアップデートできるので、これらのiPhoneではパフォーマンス向上が期待できる(iPadOS 27は一部機種でアップデート打ち切り)。
iPhoneの動作がモッサリしてきたので買い替えたい、と考えている人は、まずはOSアップデートでモッサリ感が改善するかを見極めてから買い替えを検討するべきだ。
なお、iPhoneはアップデート直後やiCloudの初回同期直後、バックグラウンドで検索インデックスを作成するので、発熱したり、パフォーマンスを最大限に発揮できない性質がある。
とくにApple Intelligence対応モデルでは高度化したインデックスを作成するために24時間以上、処理が継続することがあるので注意が必要だ。モッサリ感の最終判断は、数日後の安定したタイミングが確実である。
買い替え判断ポイントその2「Apple Intelligence」
iOS 27ではアップルのAI機能であるApple Intelligenceが大幅強化されている。とくにiOS 27で導入される「Siri AI」は、従来のSiriに生成AIチャットが融合しており、別物と言えるくらいの変貌を遂げた。
これまでアップルのAI機能は評価が良くなかった(というか機能が少なく注目されていなかった)が、過去の評価はまったく当てにならないくらい、高機能化している。
Apple IntelligenceやSiri AIは、対応モデルでしか利用できない。とは言っても、2023年モデルのiPhone 15 Pro/15 Pro MaxとiPhone 16以降が対応するので、すでに対応モデルを所有しているなら、iOS 27にアップデートするだけで使えるようになる。
iPhone 17 Pro/Air以降のモデルだと、より高度なローカルAIモデルが動作するが、現状では音声合成・音声認識以外で大きな差異がないので、iPhone 15 Pro以降からは買い替える必要性は低い。
iPhone 15/15 Plusとそれ以前の非対応モデルでは、Apple IntelligenceやSiri AIは使えず、従来のSiriのみとなる。その辺りの古いモデルのユーザーは、Siri AIやApple Intelligenceの評判やレビュー記事を見て、その機能や使い勝手が買い替えに値するかどうかを見極めよう。
ただしSiri AIはiOS 27リリース当初は英語のみで、日本語は10月のアップデートで対応予定となっている。Siri AIに興味がある人は、10月まで待って、そこで日本語での使い勝手や評判を確認すると良いだろう。
また、実際の利用シーンでは、Siri AIはサードパーティアプリの対応状況によって利便性や実用性が変わってくる。例えば常用しているアプリがSiri AIに対応することで、桁違いに使いやすくなる、なんてケースもあり得る。 10月のタイミングで「この程度の機能ならスルー!」と判断しても、定期的な情報収集がオススメだ。
急がず、買い替えが必要かどうかをじっくり見極めて!
結局、今シーズンiPhoneを買い替えるべきはどんなユーザーなのか。
まずiPhone 15 Pro以降のApple Intelligence対応モデルのユーザーは、今年買い替える必要性は低い。Apple Intelligence以外の視点、例えばパフォーマンスやカメラ性能でも、このあたりのモデルは現役モデルなので、まだまだ使い続けて1年あたりのコストを下げていくのがおすすめだ。
それ以前のモデル、とくに4年以上前のモデルを使っている人も、iOS 27のアップデートにより、アプリ切り替えなどのモッサリ感がある程度改善される可能性があるので、まずはアップデートして様子を見るのがおすすめだ。モッサリ感が十分に改善されないと感じたら、そのタイミングで買い替えを検討すれば良い。
iPhone 15以前のモデルのユーザーでApple IntelligenceやSiri AIを使いたいというなら、新しいモデルへの買い替えが必要だが、10月のSiri AIの日本語対応まであまり急ぐ必要はない。OSアップデート後の評判などもチェックして買い替えを決めれば良い。
もっと古い、OSアップデートが打ち切られているモデルのユーザーは、さっさと買い替えることを強くおすすめしたい。悩む必要はない。そこまで長く使えば十分に元が取れているし、最新の機能やセキュリティ対策が使えないことがリスクとなってしまう。
ただし、今秋はProモデルとiPhone Duoしか発表されなかったので、コスパの良いモデルを使いたい人も買い替えを待つべきだ。あくまで予想・噂だが、来年4月ごろまでには基本モデルやeモデルなどがラインナップを整理しつつ登場する可能性が高い。
それらのモデルはProモデルよりも安価にApple Intelligenceなどの最新機能を使えるはずなので、「新モデルに買い替えたいけどProモデルほどのスペックは不要」という人は、来春まで待つのがおすすめである。
このように、今シーズンはiOS 27によるパフォーマンスチューニングがあったり、Proモデルしか発表されなかったりしたので、とにかく例年よりも「買い替えるべき理由」が少ないということを念頭に置き、買い替えるかどうかを検討しよう。
iPhone Duoは魅力的だけどとにかく高価。iPad miniと比較検討を
折りたたみiPhoneを使いたい、というのなら、iPhone Duoに買い替える以外の選択肢はない。悩む必要はない。コストは度外視するしかない。iPhone Duoはそういう製品だ。
コスパを考えた上で大きな画面を持ち運びたいなら、iPhone Duoへの買い替えではなく、iPad miniの併用も検討しよう。iPhone Duoを1台買うよりもiPhone 18 ProとiPad miniの「2枚買い」の方が安上がりだ。
iPhoneを買い替えずにiPad miniだけを買い足すだけならさらに安い。そもそも現行モデルのiPad mini(A17 Pro)は、セルラーモデルでもiPhone 17よりも安価だ。
もちろん、iPhone Duoには2台持ちでは得られない、「出先や移動中にいつでも大画面が使える」という絶対的なメリットがある。例えば鉄道での移動中、立った状態でスマホを使っているシーンで、不意に大画面が必要になってもすぐに切り替えられるというのは、折りたたみスマホならではの巨大な利点だ。
そうしたシーンにこだわるなら、iPhone Duoを買うべきである。
しかし大画面が必要な場面で都度、iPad miniを取り出すような運用で不便がないユーザーは、あえてiPhone Duoを選ぶ必要性は低い。
例えば読書や動画視聴など大画面が欲しい作業をおもに座った状態でするユーザーは、iPad miniでも問題ない。むしろiPad miniの方が画面が大きいしマルチタスクもできることが多い。変形機構がない分、頑丈かつ高耐久なので、気軽にカバンに放り込んで使える。
2台併用だと2台持ち歩く必要があるという決定的なデメリットがあるが、大画面が不要なときはiPhoneだけを持ち歩けば良く、最重量級のDuoを持ち歩くより負担は小さい。
また、2台併用だと例えば片方が故障しても、もう片方である程度の作業は継続できるというメリットもある。買い替えサイクルをずらせば、片方が古くなっても、片方が比較的新しいモデル、という状態を維持できる。
鉄道などで立ったまま移動する機会の多い都市生活者なら、折りたたみスマホの利用シーンが多く、iPhone Duoを活用しやすいが、そうではない人は、利用シーンが若干少ないことを留意するべきである。10万円以上の価格差を超えてiPhone Duoを選ぶほどの需要が自分にあるか、慎重に検討しよう。
いずれにせよiPhone Duoの発売は10月23日(予約開始は10月16日)なので、急いで決断する必要はない。自分の利用スタイルを見直して、iPhone Duoが本当に必要かを見極めよう。「買ったけど自分の利用スタイルには合わなかった」で済ませられるほど安い買い物ではない。
なお、iPad miniも新モデルが発表されるという噂もある。現行モデルより高価になると予想されるが、現行モデルはプロセッサーがやや古く、新モデルでは性能も上がりそうなので、新モデルを待つのもおすすめだ。
Apple Watchの新モデルは買い時!
今シーズンのiPhoneはプロセッサーや折りたたみモデルなど、それなりの進化があるが、同時に発表されたApple Watch Series 12/Ultra 4は、地味ながらさらに大きな進化をしている。
まだApple Watchを使っていない人にとっても、すでにApple Watchを使っている人にとっても、買い時・買い替え時だと言える。iPhone買い替えを先送りし、その予算で新しいApple Watchを買うのもおすすめだ。
実際のところ、Apple Watchは、個人の好みやスタイルに大きく左右されやすいデバイスだ。買ったけど使わなくなった、という声を聞くデバイスでもある。一方で使い始めたらスマホ並の必須デバイスになった、という声が多いデバイスだ。
何が便利なのかを簡単に説明するのが難しいが、生活スタイルに合致すれば、生活全体の利便性を大きく変えてくれるデバイスであることは間違いない。
iPhone Duoを買う人で、まだApple Watchを持ってないなら、このタイミングでApple Watchを検討するべきである。当たり前だが、Apple Watchを着用していれば、時刻や通知、スケジュール、天気など簡単な情報確認のためにiPhoneを取り出す必要がなくなる。
慣れてくるとクレカの決済、Siri AIによる簡単な作業や調べ物もiPhoneを取り出さなくなる。iPhone Duoは過去最重量級だし、過去最高価格なので、取り出す機会を減らし、落として壊すリスクを減らすことは重要だ。
新しいApple Watchは、プロセッサーやセンサーが強化され、さまざまな機能が追加されている。生体センサーの強化で健康管理機能が強化されていることも重要なポイントだが、生成AIを活用した「オーディオインテリジェンス」という新機能群も重要なポイントだ。
とくに会話を自動で要約して記録する「Siri Recap」は注目の新機能である。この機能、1日中オンにすることも可能で、そうするとApple Watchを着用しているだけで、1日の会話の要約を全て自動で記録できる。何もしないでも着用者の記憶を補助してくれるという、意識しなくても自動で記録が残る「アンビエントAIログ」とでも呼ぶべき、画期的な機能となっている。
Siri Recapは残念ながら現状では英語のみのベータ版としての機能提供で、日本語では利用できない。ここは残念なところだが、こうした着用者の記憶や知覚を補助してくれる機能に対応したプロセッサーとセンサーを搭載しているというのが新しいApple Watchが「買い」の理由である。
まとめ
買い替えるべきかどうか、iOS 27の状況などを交えてご紹介してきた。あらためてまとめると、とくに例年1~3年で買い替えている人は、買い替えサイクルの延長を検討したほうが良い。各キャリアの買い替えサポートプログラムを利用している人で、ちょうど返却期限を迎える人も、無理に今秋のモデルに飛びつく必要はなく、返却を延期してでも買い替えの必要性を慎重に検討するべきだ。
買い替えを見送るべき理由はいろいろあるが、最大の理由はコストだ。半導体部品は、昨今のAI企業による買い占めで価格が高騰し、半導体を使うあらゆる製品の値上げが続いている。
先日発表されたiPhone新製品も、従来モデルからかなりの値上げとなった。ついでに従来モデルも値上げされている。こうなってくると、買い替えサイクルを長くしてコストを下げるのは有効な対策だ。
また、今シーズンはiPhoneのProモデルと高価な折りたたみモデル「iPhone Duo」しか発表されていない。Proモデルの性能が不要で、コスパのよいiPhoneが欲しいなら、従来モデルを選ぶか、次のモデルを来春くらいまで待つ必要がある。
もちろん予算が潤沢だったり、Siri AIなどの新機能を使いたい、使っているiPhoneの古さが限界に達している、などであれば、買い替えるべきだ。しかし買い替えの判断は例年より慎重になる必要がある。





