iPhone駆け込み寺
iPhone「iOS 27」パブリックベータで試す、SiriやApple Intelligenceはどう変わる?
2026年7月24日 00:00
iOS 27のパブリックベータが公開された。今秋に正式公開予定の次期バージョンのベータ版だ。今年は生成AI活用機能が大幅に強化されたこともあり、なかなか大きなアップデートとなっている。どんな新機能が実装予定なのかを実機で試しつつレポートする。
Apple Intelligenceがようやくの大幅強化
iOS 27の目玉は、なんといってもApple Intelligenceの強化だ。
Apple Intelligenceは、アップルのOSに統合された生成AIのブランド名である。アシスタント機能のSiriや通知の要約、画像生成などなど、いろいろな機能が提供されている。
Apple Intelligenceは2024年の初公開時にいろいろな機能が発表されていたが、高度な機能は2年も未実装で、「アップルの生成AI戦略は遅れている」と言われる要因となっていた。今回のApple Intelligenceの強化では、それらを含めた多くの機能がパワーアップして実装されることになる。この辺りの背景や経緯はかなり面白いのだが、細かく解説すると非常に長くなるので、「アップルはGoogleの力を借りて、新世代のApple Intelligenceを完成させた」とだけ覚えていただければ良い。
Apple Intelligenceの強化により、アシスタント機能のSiriが機能も精度も大幅に向上する。あまりに大幅に性能向上するせいか、iOS 27世代からApple Intelligence対応のSiriは「Siri AI」という新呼称となった。ちなみに非対応機種では従来通りのSiriのままのようだ。
Siri AIの進化が派手すぎて目立っていないが、Siri以外にも、Apple Intelligenceを使った画像生成などの機能も大幅に強化されている。
Apple Intelligenceの対応機種は、既存バージョンと変わらず、iPhone 15 Pro以降のiPhoneなど、そこそこ新しい機種に限られる。なので、本稿の大半を占めるApple IntelligenceとSiri AIに関するパートは、古い機種を使い続ける人には直接は関係がない。
直接は関係ないが、読んでみれば「買い替えの予定はなかったけど、買い替えてもいいかもな」と思うかもしれないので、せっかく来ていただいたので一読していっていただきたい。
なお、ベータ版のSiri AIは英語(アメリカ)のみの提供なので、本稿でのレビューは正式日本語版とは異なる可能性がある。現段階は日本語未対応の初期ベータ版なので、正式版の性能の数割しか発揮できていないと考えるべきだろう。しかしそうしたことを差し引いても、パブリックベータのSiri AIはなかなかの機能を持っている。
Siri AIの正式リリース時期については、「年内に英語で利用できるようになります」とされているので、iOS 27の初期リリースには搭載されない可能性が高い。日本語対応の時期は明示されていないが、対応予定言語リストには入っている。
これまでのパターンを踏まえると、英語で先行提供した上で、他言語に展開するのだろう。アップルの開発者は基本的に英語話者なので、他言語でフィードバックが来ても対応に手間がかかる。だったら先行してベータ版を英語で提供して英語圏ユーザーに人柱になってもらう、というのが妥当なパターンだろう。
日本語対応はその後のアップデートでの対応になりそうで、順当に考えれば来春あたりだと思う……が、早まってもおかしくないとも思っている。
というのも、生成AIにとって言語の違いは些細なことだからだ。パブリックベータのSiri AIは、聞き取りと発声こそ英語(アメリカ)しかできないが、文字入力してSiri AIにリクエストする場合、日本語で入力しても反応するし、その場合は日本語で回答してくれる。また、「Read Messages」という設定項目で日本語などの言語も追加することで、日本語のメッセージも扱えるようだ。
まだベータ版ということで不安定な部分もあるが、ベータ段階でもそこそこ日本語で動作しているので、日本語対応はあまり遅れないのでは、と期待したいところだ。
Siri AIは準備に時間がかかる
Apple Intelligenceの強化により、アシスタント機能のSiriは別物と言えるほどにまで強化される。呼称もSiri AIと変わったので、本当に別物というべきかもしれない。
パブリックベータではSiri AIは英語(アメリカ)のみの対応で、OSとSiriの言語設定が英語(アメリカ)になっている必要がある。これらの設定を変えると、ベータ版のSiri AIを有効にするかどうかのボタンが表示され、それをタップすると、ウェイトリストに登録され、必要なデータがダウンロードされる。筆者の場合、数分でダウンロードが終わり、すぐに使えるようになった。
設定後、設定アプリには「Optimizing Search and Siri」(検索とSiriを最適化中)という項目が表示される。これはバックグラウンドで検索インデックスが作成中であることを示しているようだ。以前からOSアップデートで検索エンジンが変更されたときなどにはバックグラウンドでインデックス作成処理がなされていたが、今回は処理中に表示が出るようになっている。新しいApple Intelligenceではセマンティックインデックスという文脈や意味を含んだものとなっているので、その作成処理に時間がかかることを想定してのことだろう。
以前のバージョンでも同様だが、アップルのデバイスでは、こうした検索インデックスの作成はローカル端末内で完結する。iCloudなどのサーバーは、インデックスの作成も同期・保管もしない。そのため、複数端末を所有している人は、端末ごとにインデックス処理の時間がかかることになる。その代わり、個人情報を端末外で処理することはない(iCloud以外のクラウドサービスを使っているとその限りではないけど)。
筆者がAppleアカウント(長年使っているのでiCloud上に大量のデータがある)を設定しただけでほぼ新品状態のiPhone 17 Pro Max/17にパブリックベータをインストールしたところ、検索とSiriを最適化中の表示が消えるまで約24時間かかった。アプリやデータが多い場合は数日かかる可能性もありそうだ。
インデックスは一度作成すれば、あとは更新差分がリアルタイムに追加されていく。しかしバージョンアップなどで作り直しになることがある。その度に数日かかる可能性があると考えると、今後のメジャーバージョンアップは実行タイミングを気をつける必要があるかもしれない。
最新機種では大きめのローカルAIモデルを搭載
iPhone 17 Pro/Air以降などの最新機種は、高精度な音声合成や柔軟な音声認識など、高度なローカルAIに対応する。これらの機種はProプロセッサや12GBシステムメモリーなどがあるため、20Bパラメータという大容量のローカルAIモデル「Apple Foundation Model 3 Core Advanced(AFM 3 Core Advanced)」が動作する。本来、20BパラメータのAIモデルは、12GBメモリーでは動かないサイズだが、モデルの必要な一部だけをメモリーにロードする技法で動作させているらしい。
それ以外のApple Intelligence対応機種では、3BパラメータのAFM 3 Coreが動作する。この差もあって、AFM 3 Core Advanced対応機種でのパブリックベータの容量は30GB近いが、AFM 3 Coreだけの機種では10GB弱となっている。インストール後のストレージ消費量も、AFM 3 Core Advanced対応機種の方が20GB以上多い。ローカルAIはなかなかのリソース喰いである。
この高度なローカルAIモデルがどこでどう使われるか、音声処理以外では明示されていない。ここは興味深いポイントでもある。
技術的な背景の話をちょっとすると、iOS 27世代のApple Intelligenceは、ローカルに2種類、サーバーに3種類のサイズや用途の異なるAIモデルがあるが、ユーザーはどのAIモデルを利用するかは指定できない。たとえばSiri AIはユーザーからのリクエストがあると、オーケストレータという指揮官的なAIが最適なプロンプトを作成し、最適なAIモデルに投げつける仕組みとなっている。リクエスト処理中にプロンプトやAIモデルを動的に切り替える仕組みもある。
音声処理だけは反応速度などの問題でローカルAIモデル専用の機能となるが、それ以外の処理は、高度なローカルAIモデルに処理させるか、あるいはサーバーAIモデルに処理させるのか、ケースバイケースすぎてはっきり明示できないのでは、と考えられる。
逆にいうと、高度なローカルAIモデルを搭載しない機種でも、サーバーAIモデルを併用することで、同じことができるようになっている可能性がある。反応速度などで差があるかもしれないが、やれることは一緒となるような設計だ。
実際にAdvancedモデル対応機種と非対応機種を使い比べているが、数日の限られた試用では違いはわからなかった。比較検証する手法を思いついたら、別の機会にレポートしたい。
大幅に賢くなってやれることが増えたSiri AI
Siri AI(Apple Intelligence)対応端末では、新たに「Siri」という標準アプリが追加される。ここには過去のSiri AIとのやりとりが記録される。ちなみにこの履歴自体はiCloud経由で同期するが、ほかの生成AIチャットと異なり、履歴はアップルも読み取れないような形式で保護される。
大雑把に説明すると、Siri AIはユーザーのリクエストが入ると、オーケストレータが履歴などから必要なコンテキストを抜き出してプロンプトを作成し、AIモデルに投げる仕組みとなっている。AIモデルは受け取ったプロンプトを処理すると、毎回データを破棄する。コンテキストをサーバーAIが保持しないという、徹底したプライバシー保護体制が構築されている。
履歴はスレッド単位で任意に消去もできるが、設定すると1年ないし30日で自動消去もできる。履歴は各スレッドで最後にやり取りした日付でソートされるので、作成日ではなく更新日ベースで消去されるのだろう。スレッドはピン留め可能で、おそらくピン留めされたスレッドは削除されないのだと思うが、30日経過していないので確認は取れていない。
Siri AIは音声でも利用できるが、従来バージョンにおけるSpotlight検索(ホーム画面を下スワイプなど)あるいはSiriアプリからテキストを手入力もできる。パブリックベータでSiri AIを使うには設定言語を英語にしておく必要があるのだが、英語設定でも日本語でテキスト入力すると、ちゃんと日本語で返答してくれる。
以前からSiriでできていたようなホームデバイスのコントロールや天気などの簡単な情報検索に加え、アップル独自のサーバーAIも大幅に強化されたことで、専門知識の必要な調べ物も可能となり、さらに端末内の個人的なコンテキストも利用される。これらが組み合わさると、単純なSiri+生成AIチャットではない、さまざまなタスクがこなせるようになる。
たとえば、「最後に東京に行ったのはいつ?」と聞くと、スケジュールやメールからそれを調べてくれる。ただし現段階はベータ版で、そもそも日本語は正式対応していないのに筆者の個人データが日本語ベースなせいもあってか、精度は低い印象だ。ちなみに前述の「検索とSiriを最適化中」は、回答精度がさらに低かったので、この辺りの回答には新しいインデックスを使っているのかもしれない。
やや専門的なことも答えられる。ただしこちらも精度は他社の最新AIに及んでいない印象で、精度の高い情報を調べたいならば、ChatGPTなりClaudeなりGeminiなりを使うべきだろう。ちなみにこの例では、「ピクシスバンの補助金額は、東京都が90万円、国が58万円(のはずだが諸条件によって変わる)」「ピクシスバンのEV版は今年2月に発売されている」という2点で間違っている。
ピクシスバンのEV版が発売済みと指摘すると、あらためて調べ直してくれた。ただし補助金額はまだ間違っている……が、詳しくはお住まいの市区町村の窓口でご確認を。EV補助金は専門家もよくわからないくらい複雑だ。さっきGemini 3.6 Flash(拡張)で聞いても最初の返答は間違っていた。
「お腹が空いた」とリクエストすると、近所のレストランを検索してくれる。ただし筆者の住所はクルマ社会の千葉県木更津市なので、クルマで10分くらいの範囲、徒歩だと遭難するような距離感で検索されている。徒歩圏内に飲食店がほとんどないのだけど。
Apple Watchなどが記録するヘルスケアアプリのデータも扱えるようだ。「How many calories have I burned over the past year?(私の過去1年間の消費カロリーは?)」と聞いたら、ヘルスケアアプリの設定画面へのリンクが表示され、そこでSiriにデータ提供するように設定変更すると、Siri AIが消費カロリーなどを表示できるようになった。
「先月の消費カロリーは牛肉ステーキ何キログラムに相当する?」という質問には、ただ消費カロリーを表示するだけだった。次に「このカロリーは牛肉ステーキ何キログラムに相当する?」と質問すると、エラーが返された。一方で「15684.6キロカロリーは牛肉ステーキ何キログラムに相当する?」という質問には答えられていた。
この質問はSiri AIの特性を見るための質問でもある。消費カロリーの集計はローカルAIにしかできない。ヘルスケアのデータは個人情報だし、サーバーに送るには容量がデカすぎる。一方、カロリー計算のような専門知識を使う作業は、サーバーAIの得意分野だ。消費カロリーの集計をローカルAIが担当し、集計された数値をサーバーAIに分析させる、1つのリクエストを分解し、複数のAIを連携させて処理するというのは、Siri AIならではの機能となりうる。
現状ではSiri AIがヘルスケアアプリのデータをすべて見られるわけではなく、数字として認識できていないように見えるが、この辺りを含め、正式版では改善してほしいポイントでもある。
画面に映っているものも調べられる。たとえばWebページ表示中に「Who is this person」と聞けば、それがどんな人物か教えてくれる。有名人に限られるが、アニメキャラも理解してくれる。複数の写真があっても、「Who is the person in the top right?(右上の人物は誰?)」のように写真の位置を指定できる。
カメラを使った機能も、使い勝手・精度ともに向上している。標準のカメラアプリには静止画を撮る写真モードの隣に「SIRI」が追加され、より使いやすくなっている。
GoogleとAmazonで似たものを探す画像検索もできるが、Siriに質問もできる。カメラからスタートしたやり取りもSiriアプリに残り、履歴は同期するので、出先でiPhoneのカメラで調べ物をした後、家に帰ってiPadやMacで情報を深掘りする、といった使い方もできる。
水道料金のお知らせを撮り、料金が適正か、といったことも調べられる。生成AIなら当たり前な機能だが、こうした機能がOSに標準機能として統合されているのは、なかなかに強烈だ。
なお、ここまでの例では、Google/Amazonの画像検索以外で外部のAIに転送するようなメッセージが表示されなかったので、全てアップル独自のAIを使っているものと考えられる。ChatGPTと連携する設定にもなっているが、どういった条件でChatGPTに飛ぶかは不明だ。
Apple Intelligenceが便利になるかはアプリ次第
Siri AIがサードパーティ製アプリと連携できるようになるかどうかは、そのアプリが対応するような作り込みをするかどうかにかかっている。6月の開発者会議WWDCではその辺りの実装方法などについて懇切丁寧に解説されていた。これらの仕様が実装されたアプリだと、Siri AIからコントロールできたり、アプリのデータをSiri AIから検索・参照できたりする。
こうしたOSの新仕様にサードパーティアプリの開発者が工数をかけて対応するかどうかについては、Siri AIはライバルよりも有利な立場にあると言える。
Apple Intelligenceは対応機種が限定されるが、それでも2023年秋発売の上位モデルiPhone 15 Pro以降の3世代で対応している。世界で稼働しているiPhoneのうち、大雑把に約4割、約5億台がApple Intelligenceに対応していると推定される。新機種は全て対応機種なので、この数と割合は急速に増加する。
それだけの稼動数と将来性があれば、アプリ開発者にはSiri AI対応する動機となる。iPhoneのプラットフォーム標準AIアシスタントはSiriしかなく、開発フレームワークの組み込み方法も開発者会議で懇切丁寧に解説されている。アップルのエコシステムは、アップル側からサードパーティに新仕様を押し付けやすく、サードパーティには新仕様を取り入れるメリット・取り入れないデメリットが見えやすい。
対するライバル、例えばAndroidはというと、ローカルAIを動かせるのはハイエンド端末だけなので、対応機種の出荷台数はiPhoneに比べると少ない。端末のメーカーやOSバージョンによって使えるアシスタントの種類や性能、挙動が異なっていたりもするので、開発して検証するのが大変だ。サードパーティアプリ開発者にとって、対応コストが高いわりに得られるユーザーが少ない。
アップルは自社AIモデルの開発に失敗し、生成AI分野で出遅れた。しかし今回、ベータ版として実装されたSiri AIの完成度とポテンシャルを見るに、「あらゆるユーザーがあらゆるアプリをAIで便利にする」という視点、「AIの民主化」においては、飛躍的な進歩と言える。
賢さでいうと、他社のサーバーAIの方が専門的な作業に向いている。しかしSiri AIは日常生活で気軽・安価・安全に使えるAIアシスタントという位置付けで、そもそも他社とは位置付けや競争軸が異なるのである。
Apple Intelligenceで写真加工も大幅強化
強化されたApple Intelligenceの恩恵を受けられるのは、Siri AIだけではない。目立つところでは、従来から提供されていた写真編集や画像生成が強化されている。具体的には、撮影後にカメラに写っていないフレーム外を書き足す拡張ツール、被写体を立体的に補完して撮影アングルを微調整したりする空間リフレーミング機能が加わった。
こちらの機能はサーバー側のAIを使うため、通信できない環境では利用できない。また、利用量の上限が設定されていて、iCloudの有料課金プランに入っていると利用量の上限が増える、みたいな情報もある。処理にはそこそこの時間もかかる。
精度はなかなかのものだ。たとえばこの作例、元の写真だとフライパンが見切れているが、拡張ツールで違和感なく見切れている部分が補完されている。人工大理石のカウンターキッチンの質感や遠近感、照明(点光源の電球)の反射描写もリアルだ。
一方で背景に写っているものはほぼ出鱈目である。カップとして描かれているのは、本当はヒューガルデンのノンアル缶である。他のものも全部違う。左上のIHコンロにはありもしない格子模様が入っている
真実ではないが、絵として破綻していない。フレーム外に何があったかの情報が不要ならば、問題ないクオリティだ。これがiPhoneの標準機能として利用できるのは、たとえ対応機種が絞られているとしても、なかなかに恐ろしい。
実は2019年のiPhone 11シリーズ(iOS 13)のタイミングで、標準カメラ撮影時に超広角カメラの画像も保存し、後で広角側にフレーミングし直せる、という機能が存在した。しかしこの機能、翌年のアップデートでひっそりと廃止されている。そっちの機能を復活させてもいいんじゃないかとも思う機能でもあるが、生成AIを使ってここまでの精度が保てるなら、それはそれでいいじゃん、とも思うところである。
空間リフレームもなかなかの精度だ。左の画像をベースに右の画像を作っている。麺の間から見えるどんぶりの模様も違和感なく生成されている。ちょっと右端のどんぶり上端が破綻しているが、そのくらいは誤差だ。麺や具材、スープの質感・立体感は違和感がないどころかオリジナルの写真より美味しそうにすら見える。ものすごく、腹が減ってきた。
余計な被写体を消すクリーンアップツールは、従来よりも精度の向上や大きな被写体の消去に対応している。従来は大きなものを消そうとするとノイズのようなものが生成されたりしていたが、そうしたものも大幅に減っている。実用性は格段に高まったと言える。
画像を生成する「Image Playground」は、従来はイラスト生成だけだったが、iOS 27世代からはフォトリアルな画像が生成できるようになった。従来バージョンがイラストだけに限定していたのは、フェイク画像へのアップルなりの対応だと思っていたが、どうにもそうではなかったようだ。OS標準機能となり画像生成を試しやすくなるので、SNSの写真の信頼性はさらに下がることになるかもしれない。
こちらは筆者の顔写真をもとに、「バッターボックスで構えている」というプロンプトで生成した画像だ。どう見てもいろいろ間違っているが、この短いプロンプトでここまでできるなら、もっと長いプロンプトならそこそこできるだろう。いずれにせよ、標準アプリで楽しめるおもちゃとしては十分だろう。
Apple Intelligenceで標準アプリも賢くユーザーをサポート
既存の標準アプリにもApple Intelligenceを使った新機能がいくつかある。
標準ブラウザのSafariはタブを自動でグループ化する機能が加わっている。ブラウザで大量にタブを開く人向けの機能だが、こちらはiPhoneよりMacやiPadで便利そうな機能だ。元からあるタブグループも便利だが、タブグループを作るほどではない一時的な作業中、ついつい大量のタブを開きがちな筆者などには響く機能である。
Safariには指定したページを自動でチェックし、更新があったら通知する機能が追加されている。例えばWebページに掲載されている価格情報が更新されたかを確認する、といったことができる。簡易的なエージェントAIとして使えるので地味に便利な機能である。
メールやメッセージは、それまでのやりとり・文脈に応じたアクションを提案できるようになった、とのことだが、これは英語で先行提供される機能のひとつとなって試すことはできなかった。
もう一つ、英語先行で提供される機能としては、法人に電話をかけたとき、通話のコンテクストから必要な情報を先回りして表示する機能が追加される。たとえば、航空会社に電話すると、受信したメールにあるフライト予約コードを表示する、といった機能になるらしい。
Liquid Glassのデザインは微調整
iOS 26で導入された、液体のようなガラスのような独特な「Liquid Glass」について、デザインが微調整される。設定アプリの「アピアランス」から透明度を細かく調整できるようになった。
また、ガラス部分の屈折の挙動が変わり、例えばスクロールした時にうるさく見えなくなった印象はあるが、静止しているとわからないくらいの微妙な変化だ。ただし、あらゆる場面で影響する箇所ではあるので、微調整が継続しているのはありがたいポイントではある。
ちなみに、現段階ではLiquid Glassに対応しないサードパーティアプリも存在するが、iOS 27世代のアプリ開発環境では古いUIの利用に制限がかけられるので、来年ごろにはアップデートが継続している現役のアプリはほぼほぼLiquid Glass対応となるはずだ。
古い端末の寿命を延ばすパフォーマンス強化チューニング
見た目ではわからない変化だが、iOS 27世代ではOSのパフォーマンス向上、簡単に言えばサクサク動くようにチューニングが施されている。以前のバージョンアップだと古いiPhoneではアップデートすると機能が増える代わりに重たくなる、といったことがあったが、iOS 27世代では逆に軽くなる、とされている。
定量的にどのくらい効果があるかを測定するのは難しいが、体感的には明らかに効果がある。筆者は個人的に、電子書籍や動画配信視聴などコンテンツ消費にiPad mini(第6世代)を愛用している。1世代前となる2021年発売のモデルで、チップセットはA15 Bionic、メモリーは4GB。最近、アプリの切り替えやキーボード表示に遅延を感じていたが、iOS 27パブリックベータを入れて使ったところ、もっさり感が減った。今秋あたりに新モデルが噂されていたので買い替えも考えていたが、やっぱまだ粘れるかも、と思い直している。
このパフォーマンス向上、もともとサクサク動く最新機種ではあまり恩恵はないが、古い機種では恩恵が大きい。メモリーの価格高騰と円安、物価高のトリプルショックでiPhone/iPadの買い替えコストも増大しているので、古いモデルも長く使うことで節約できるのはありがたいポイントとも言える。
しかし、Apple IntelligenceとSiri AIについては、比較的新しいモデルしか対応しない。古いモデルの人は、買い替えないで良い理由ができた一方、買い換えるべき理由も出てきているのがiOS 27でもある。
実際のところ、Siri AIが日本語に対応して安定動作するようになり、対応アプリが出揃ってSiri AIが真価を発揮するのは、来春ごろなのでは、とも予想される。古いモデルからの買い換えを迷っているなら、秋のアプデでもっさり感を減らして春まで待ちつつ、新モデルとSiri AIの動向を見守るのも良いかもしれない。

































