iPhone駆け込み寺
何が違うの? 「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」を比べてみた
2020年10月16日 00:00
14日(日本時間)に発表されたiPhone 12シリーズには「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」の4モデルがラインアップされている。
大雑把に位置づけると、iPhone 12/12 miniがスタンダードモデル、iPhone 12 Pro/12 Pro MaxがProモデルとなる。Proモデルの方がカメラやデザインなどの面でハイスペックだが、この4モデル、プロセッサーなど共通仕様も多いが、意外な部分が違ったり同じだったりする。
今回は、その違いについて、「基本情報」「ボディ」「ディスプレイ」「カメラ」などの要素から解説しよう。
iPhone 12 mini | iPhone 12 | iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max | |
発売日 | 11月13日 | 10月23日 | 11月13日 | |
価格(128GB) | 79,800円 | 90,800円 | 106,800円 | 117,800円 |
ストレージ容量 | 64GB 128GB 256GB | 128GB 256GB 512GB | ||
高さ | 131.5mm | 146.7mm | 160.8mm | |
幅 | 64.2mm | 71.5mm | 78.1mm | |
厚み | 7.4mm | |||
本体重量 | 133g | 162g | 187g | 226g |
側面フレーム | アルミニウム | ステンレススチール | ||
ディスプレイ | 5.4インチ | 6.1インチ | 6.7インチ | |
解像度 | 2340×1080 | 2532×1170 | 2778×1284 | |
カメラシステム | デュアル12MP | Pro 12MP | ||
超広角カメラ | 12mm相当 f/2.4 | |||
広角カメラ | 26mm相当 f/1.6 | 26mm相当 f/1.6 ※センサーサイズが異なる | ||
望遠カメラ | ― | 52mm相当 f/2.0 | 65mm相当 f/2.2 | |
LiDARスキャナ | ― | 搭載 |
発売日と価格の違いは?
発売日としては、iPhone 12/12 Proだけ10月23日に先行して発売される。
iPhone 12 mini/12 Pro Maxの2モデルは3週間遅れの11月13日に発売される。
小さいiPhone、その逆で大きいiPhoneに興味がある人は、最速入手はあきらめて、全モデルが店頭に並ぶ11月13日以降、実機を手に取りつつ選ぶことをオススメしたい。
機種 | 予約開始日 | 発売日 |
iPhone 12 | 10月16日21時 | 10月23日 |
iPhone 12 mini | 11月6日22時 | 11月13日 |
iPhone 12 Pro | 10月16日21時 | 10月23日 |
iPhone 12 Pro Max | 11月6日22時 | 11月13日 |
では価格はどうだろう。
ざっくり言えば、小さいモデルの方が安いが、同サイズのiPhone 12/12 Proの差は同じストレージ容量の128GBモデルで比較しても1.6万円と、そこそこの価格差だ。
機種 | ストレージ | 価格(税抜) |
iPhone 12 | 64GB | 85,800円 |
128GB | 90,800円 | |
256GB | 101,800円 | |
iPhone 12 mini | 64GB | 74,800円 |
128GB | 79,800円 | |
256GB | 90,800円 | |
iPhone 12 Pro | 128GB | 106,800円 |
256GB | 117,800円 | |
512GB | 139,800円 | |
iPhone 12 Pro Max | 128GB | 117,800円 |
256GB | 128,800円 | |
512GB | 150,800円 |
また、Proモデルはストレージが128GB~となり、64GBはない。ちなみにストレージ容量は128GB増えるとだいたい1万円増える、といった感覚になる設定だ。
素材の違いで重さが違う
大きさはiPhone 12/12 Proの2モデルがまったく同じ。ケースなども両対応の製品が発表されている。
しかしボディ素材の違いなどから、重さは「iPhone 12」が162g、「iPhone 12 Pro」が187gと、けっこう違う。ちなみに4モデルはいずれも厚みが7.4mmと同じだ。
iPhone 12 mini、iPhone7/8/SEに近いサイズ
大きさはどの程度か、過去のiPhoneに近いものを挙げてみよう。
まず「iPhone 12 mini」はiPhone 7/8/SE(第2世代)などの4.7インチモデルに近いサイズだ。
ディスプレイが6.1インチと同じ「iPhone 12」と「と「iPhone 12 Pro」は、iPhone 11 Proなどの5.7インチモデルに近い。
そして「iPhone 12 Pro Max」は、iPhone 11 Pro Maxなどの6.1インチモデルに近い。
それぞれ、サイズが近い過去のモデルを、狭額縁化してディスプレイサイズが大きくなった、というイメージだ。
デザイン・仕上がり
ボディの仕上げについては、iPhone 12/12 miniのスタンダードモデルとiPhone 12 Pro/12 Pro MaxのProモデルで差別化されている。
正確なところはわからないが、Web上の写真やiPhone 11シリーズまでの例から、スタンダードモデルの「iPhone 12」「iPhone 12 mini」は側面がつや消しアルミニウムと背面が光沢ガラス、一方、「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」の2モデルは側面が光沢ステンレスと背面がつや消しガラスになっている可能性がある(カラーによって違うかもしれない)。
ProモデルにはPVD処理という表面処理が行なわれているようだが、ゴールドカラーのモデルだけ、高密度マイクロ波コーティングが施されているという。これだけでは正直なんだかわからないが、実物を見るのが楽しみになる情報だ。
ディスプレイ品質は共通
4モデル揃ったiPhone 12シリーズだが、ディスプレイは5.4インチ、6.1インチ、6.7インチの3種類だ。「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が同じ6.1インチとなる。
6.1インチはiPhone 11/XRなどと同じサイズだが、解像度が異なっている。また、5.4インチ・6.7インチはともに、iPhoneでは初めてのサイズ・解像度となる。
機種 | ディスプレイサイズ |
iPhone 12 | 6.1インチ |
iPhone 12 mini | 5.4インチ |
iPhone 12 Pro | 6.1インチ |
iPhone 12 Pro Max | 6.7インチ |
ディスプレイは全モデルがSuper Retina XDR。高色域(P3)で200万:1の高コントラスト、最大800ニト(HDRは1200ニト)対応の有機ELディスプレイだ。
これまでを振り返ると、たとえばiPhone 11、iPhone XRだけ液晶ディスプレイで、上位モデルのほうがより良いディスプレイといった形で差別化されてきた。
しかし今回、細かい仕様は全モデルで同一で、ディスプレイ品質は差別化ポイントとなっていない。違いは大きさだけだ。
全部盛りならPro Max!
カメラ機能は、ボディデザインにならぶ、iPhone 12シリーズ内の差別化ポイントだ。
まずiPhone 12/12 miniの2モデルは、超広角カメラと広角カメラのデュアル構成で、全く同じスペック。
「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Maxは、スタンダード2モデルに比べると望遠カメラとLiDARが追加されるなど高機能になっている。LiDARスキャナーのおかげで、Proモデルはナイトモードでのポートレート撮影に対応し、暗所でのオートフォーカスが高速化している。
さらに「iPhone 12 Pro Max」は、メインとなる広角カメラが大幅に強化されている。表面上のスペックは同じなのだが、センササイズが47%大型化し、個々のピクセルが大きくなったことで感度が87%向上しているという。また、光学手ぶれ補正もセンサーシフト式となり性能が向上している。
カメラにおいて大きなセンサーは「正義」と表現する人がいるほど、それに応じたメリットをもたらしてくれる。カメラにこだわる人は、ボディサイズや預金残高などはひとまず置いておいて、iPhone 12 Pro Maxを選ぶべきだ(筆者の個人的な見解です)。
Proモデルは静止画撮影時、Apple ProRAWフォーマットでの撮影が可能になる(後日アップデート対応の模様)。また、iPhone 12シリーズはDolby Vision対応のHDRビデオ撮影が可能になっているが、スタンダードモデルは30fpsまでなのに対し、Proモデルは最大60fpsに対応する。
そのほかのスペックや機能は4モデル共通
最後に4モデル共通仕様も簡単におさらいしておこう。
プロセッサーは全モデルがA14 Bionic。ただし公表されないシステムメモリーなどは、Proモデルだけ多い可能性が高い。
全モデルともに5G通信に対応する。ただし日本国内で販売されるモデルは、ミリ波の5Gには対応しない。
iPhone 11同様にWi-Fi 6対応で、超広帯域通信に対応する。NFC/FeliCa内蔵で、Apple Payにも当然対応する。
生体認証は全モデルFace IDで、インカメラはTrueDepthカメラ。
防水仕様は全モデルIP68等級で最大水深6mで最大30分間。過去のモデルでは、Proモデルだけ防水性能が高いこともあったが、今回こちらは差別化ポイントになっていない。
新たな要素としては、全モデルがMagSafeという仕組みに対応する。
外部接続インターフェイスとして、引き続きLightning端子を備える。
なお、iPhone 12シリーズでは付属品から充電アダプタとイヤホン(EarPods)は省かれることになった。あわせて同梱品のケーブルはUSB-C - Lightningになり、USB-C対応の充電アダプターが必要になるかどうか、注意しよう。