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アップルのティム・クックCEO、「iPhone 12は新時代の幕開け」
2020年10月14日 07:22
アップルは14日(日本時間)、iPhone 12シリーズ4機種と、スマートスピーカーのHomePod miniを発表した。登壇したティム・クックCEOは、発表会場のApple Parkに姿を見せ、「iPhoneにとって新時代の幕開け」と語り、5G対応の意義をアピールした。
生活を変えてきたiPhoneが5G対応に
14日の発表会は、HomePod mini、次いでiPhone 12シリーズという順で製品が発表されたが、iPhone 12シリーズの詳細が紹介される前、クック氏が語ったのは、5G対応の意義だった。
クック氏
「iPhoneは驚くほどパワフルでパーソナルなデバイスで、毎日、最もよく使う製品です。iPhoneは、その素晴らしい機能で、私たちの生活を変え、今では生活に欠かせないものとなりました」
iPhoneのもたらした影響をそう語ったクック氏は、これまで世界でも高い人気を得ていること、業界をリードしていることに触れ、その背景に、簡単に使えることやApp Storeのエコシステム、セキュリティ環境を列挙。その上で、「10年ごとに技術は新世代を迎え、それによってiPhoneでできることが大きく変わる」と説明する。
そして「次世代の到来です。今日、iPhoneの新時代が始まります。iPhoneを5Gに対応させます」と力強く語る。
5G対応で進化する内容とは
では、5Gでいったいなにが変わるのだろうか。
クック氏は、通信速度の高速化がビデオの鑑賞体験、ゲームプレイ、リアルタイムでのコミュニケーション、パフォーマンスを向上させると解説。そして、低遅延と大容量により、人口が密集するような場所でも高速通信ができると語る。
これにより、安全かどうかわからない公衆無線LANにアクセスする頻度が減るとして、セキュリティの向上にも繋がるとした。
米ベライゾンも5Gネットワーク拡充
次いで登壇したのは、米国の携帯電話事業者であるベライゾン(Verizon)の取締役会長兼CEOのハンス・ヴェストバーグ(Hans Vestberg)氏。
同氏は、「これまで多くの人が5Gに対して様子見だった」とした上で、iPhoneが5Gに対応することで「5Gが現実になる」と宣言。ミリ波によるネットワーク環境で、下り最大4Gbps、上り最大200Mbps以上になるとして、さまざまなコンテンツをスムーズに楽しめるようになると語る。
そして、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で制限されている状況も今後変化し、「たとえば数千人が同時に電話を使うような場所に、いつかまた安全に戻れるようになる」として、スタジアム、空港、駅などで5Gエリアを拡充する方針を示す。たとえばアメリカンフットボールのNFLでは、5Gを使った観戦体験を刷新する。選手の視点を含む、最大7台のカメラの視点を切り替えて楽しめるという。
ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなどでのミリ波エリアは倍増するほか、年内にもフィラデルフィアやサンフランシスコなど新たに60の都市にもミリ波のエリアを構築する。また、5Gネットワークは全米1800以上の都市に拡げ、2億人以上に利用可能な環境にするとした。
新時代の幕開け
発表会の終盤、クック氏は「なんて素晴らしい日でしょう。私たちみんなが
待ち望んでいた日です」と喜びをあらわにする。
これまでのiPhoneの歴史を踏まえ「感慨深い」とした同氏は、「私たちは日々の生活に欠かせないデバイスとともに、こんなに遠くまでやってきました。これはiPhoneにとって新時代の幕開けです」と語り、iPhoneが5Gへ対応することでもたらされる、これからの社会の変革に思いを馳せていた。