インタビュー
JO1やINI、ME:Iが出演する大型イベント「LAPOSTA」、ドコモが取り組むエンタメ事業と通信対策とは
2025年1月31日 21:28
東京ドームや東京ドームシティ内の施設で、LAPONE所属の人気アーティストであるJO1やINI、ME:Iらが出演する「LAPOSTA 2025 Supported by docomo」が始まった。1月31日~2月2日には東京ドーム公演が実施され、主催者側は会期中に100万人の集客を意気込むなど、これまでにない大規模なイベントだ。
イベント名に「Supported by docomo」とあるように、NTTドコモはトップパートナーとして開催に参画。会場内でさまざまなイベントを用意する一方、東京ドームだけでも4万人以上が来場するなかでの「スマートフォンのつながりやすさ」も万全の体制を整えたという。
ドコモが意識したのは「参加型」
ドコモのエンタメ事業をリードするエンターテイメントプラットフォーム部長の櫻井稚子氏によれば、JO1らがデビューしたオーディション番組のシーズン3を映像配信サービス「Lemino」で配信したところ、高い人気を獲得。Leminoの認知が広がったという。
そうして得た20代女性を中心としたユーザーに向け、ドコモへの価値をダメ押しするのが今回の「LAPOSTA 2025」という位置づけになる。
ライブを開催するだけではなく、1週間にわたり、東京ドームシティをジャックする格好で、さまざまなイベントが開催されてきた「LAPOSTA」について、櫻井氏は「参加型にしたかった」と語る。そこで、東京ドームシティのアトラクションで、各アーティストの音楽が流れたり、施設内のホールでファンミーティングなどを実施してきた。
半年かけて準備
ドコモでは2024年11月、ブランドスローガンを「つなごう。驚きを。幸せを。」に変更。これはコンテンツ、エンタメだけではなく、当然、通信サービスとしても取り組むもの、と櫻井氏は語る。
ドコモのネットワーク本部長である引馬章裕氏によれば、「LAPOSTA」にあわせ、東京ドームシティ周辺で、5カ所の新たな常設基地局を設置。
さらに今回、東京ドーム内を含め、計5カ所に仮設基地局を設置した。たとえばドーム内の設備は、Massive-MIMO対応で2台で5万人の需要に応えられるもの。それも通常設備では、プロ野球の試合にあわせて観客席でつながりやすくする設計だが、今回はアリーナとして活用されるため、フィールドに来場客が来る。そのフィールドでも繋がりやすくするため、ドーム内のライブ用ステージの脇に設備を置いて、観客との距離も近くなるよう調整した。
ステージ脇という“特等席”にアンテナを設置できたこともトップパートナーならではのこと。LAPOSTAに出演するアーティストのライブでは、通常、1曲はスマホでの撮影ができるとのことで、そうした場面でも通信を快適に利用できるようにした。
ほかにも、グッズ売り場やキッチンカー周辺、はたまたライブ終了後の退場時に通る施設内のルートなど、「トップパートナーだからこそ、主催側から人流についての情報を得て対策した」(引馬氏)もの。
イベントが始まったあとに現地で計測すると、5Gで下り250Mbpsに達しており、十分な品質に達したと自信を見せる。こうした取り組みは、ドコモが把握しているなかでは、他キャリアは今回、対策を実施していないという。
4G LTEでも十分な速度が出るよう対策はしているとのことだが、その上で引馬氏は5Gへの自信を示す。ただ、2024年末のコミックマーケット対策時に得られたフィードバックとして、5Gをオフにしているユーザーが少なからずいることが課題と説明。「LAPOSTA」来場者に向けたパンフレット内でも、5Gで接続するよう案内しているという。
ドコモは都市部を中心とした通信品質改善に取り組む一方で、多くの人々が集中する大規模イベントでも通信品質に関する対策を実施。2024年夏の石川県や香川県での野外ライブ、2024年12月のコミケといったイベントでノウハウを実績を積み重ねてきた。
特に今回は、NTTドコモが進めるエンターテイメントと通信ネットワーク運営という2つの取り組みが融合し、来場者へドコモならではの体験を届けようとするものと言えそうだ。
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