iPhone駆け込み寺

iPhoneユーザーはどの「iPhone 12」に買い替えるべき? 徹底検証してみた!

 iPhone 12シリーズがまもなく発売される。今回は全4モデルもあり、どれを買うかも迷ってしまうところだが、それ以前に、そもそも買い替えるべきか迷っている人も少なくないだろう。

 今回は旧モデルのiPhoneを使っている人が、「iPhone 12」への買い替えで検討すべきポイントについて解説しよう。

発売日は2段階。miniとPro Maxが気になるなら「待て!」

 4モデル用意されたiPhone 12シリーズは、中間の大きさにあたる「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」が10月23日発売、小型モデルの「iPhone 12 mini」と大型モデルの「iPhone 12 Pro Max」が11月13日発売と、発売日が分かれている。

 まずここで、人によって判断が分かれることになる。

  小さいモデル カメラスペックに優れたモデル に興味がある人は、あわてて「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」を買ったりせず、「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro Max」もしっかり検討しよう。できれば11月13日ごろ、実機レビュー記事や店頭での展示が揃うまで待ってからの方が良い。iPhoneは数年は使うモノだ。ベストなiPhoneを選ぶために、 3週間程度は惜しまずに待とう

iPhone 6s/SE(第1世代)以前のユーザーは、もう買い替えるべき!

iPhone 6s/SE(第1世代)。このあたりは買い替えタイミングだ

 さて、iPhoneを買い替えるべきかどうかは、「いまどのiPhoneを使っているか」が重要な要素となる。

 まず、iOSのアップデートができないiPhone 6以前の機種は、すぐにでも買い替えるべきだ。このあたりのモデルは、昨年のiOS 13からアップデート対象外になっているので、むしろ買い替えタイミングとしては遅すぎるくらいである。

 iPhone 6sとiPhone SE(第1世代)は、iOS 14へのアップデートが可能だが、そろそろ買い替えることをオススメしたい。これらの機種から比べると、いまのiPhoneは防水仕様とFeliCa内蔵があるので、使い勝手面でも大きく変わっている。この変化は大きいので、iPhone 6s/SE世代も深く考えずに買い替えることを強くオススメしたい。

iPhone 7以降も動作が重たく感じたら買い替え検討

 iPhone 7世代以降は防水やFeliCaに対応するので、iPhone 7以降からiPhoneを買い替えるかどうかは、「動作が重たい」と感じるかどうかがひとつの判断基準となる。

iPhone 7とiPhone X。このあたりは買い替えのボーダーライン上と言えるだろう

 たとえばiPhone 7とiPhone 8はシステムメモリーが2GBということもあり(Plusモデルは3GB)、バリバリに使いこなしていると、やや動作の重たくなることもあるかも知れない。このあたりのiPhoneを使っていても、動作面などにストレスを感じているなら、それは買い替え時だ。

iPhone Xはそろそろ買い替え

 初のFace ID対応iPhoneのiPhone Xも、発売が2017年なので3年目、そろそろ買い替えのタイミングにさしかかっている。2018年発売のiPhone XSも2年目なので、ギリギリ買い替えタイミングに入りつつあるところだ。しかしこのあたりは使っていて性能不足を感じていないなら、最新モデルとのスペック差もそこまで大きくはないので、ムリに買い替える必要はないとも言える。

iPhone 11シリーズは下取り価格も踏まえて

 2019年発売のiPhone 11シリーズともなると、カメラ構成も似たようなものなので、買い替える意義は少ない。しかしこのあたりのモデルだと中古での取引価格もそれなりなので、いまのうちに売却して買い替える、というのも選択肢にはなりうる。

バッテリーの持ち、まずは交換も視野に

 なお、「バッテリーの持ちが悪くなった」というのを買い替えの理由にする人もいるが、それはお金持ちの発想だ。長く使いたいのであれば、劣化したバッテリーの交換はそんな高価ではないので(アップル純正でも7400円か5400円)、比較的新しいモデルで動作速度や機能に不満がないなら、まずはバッテリー交換サービスを利用することをオススメしたい。ただしバッテリー以外の破損、たとえばディスプレイのガラスが割れていたり、大きな故障箇所があったりするのであれば、その修理価格に注意しつつ、買い替えも検討しよう。

カメラを重視するなら、シングルカメラiPhoneからの買い替えもオススメ

カメラが多いから良い写真が撮れるとは限らないが、撮れる写真の選択肢が増えるのは確実である

 iPhone 12シリーズは、いずれのモデルも デュアルカメラもしくはトリプルカメラ構成 となっている。iPhone 11シリーズと同じではあるが、ポートレートモードが使える。画素数が同じでもシングルカメラのiPhone 8あたりと比べると、画質や撮影モードなどがけっこう進化している。ちなみにiPhone XRなどはシングルカメラでもソフトウェア処理でポートレートモードが使えるが、被写体が人物に限られるなど機能差がある。

iPhone XS以前で、超広角が気になる人は買い替えもアリ

 また、iPhone 11と同じく、iPhone 12も超広角+広角の構成なので、より広い画角での撮影ができるのも大きなポイントとなる。デジタルズームで代用できる望遠より、超広角の方が撮っていて面白いし、屋内外問わず使う機会も多い。カメラ機能を重視していて、超広角の写真を撮りたいなら、iPhone XS世代までの広角+望遠のデュアルカメラから買い替えるのもアリだと思う。

 さらに「iPhone 12 Pro Max」はメインとなる広角カメラのセンサーサイズの大型化という、カメラにとって大きな進化を遂げている。発売が11月13日と遅く、実際に撮影して実力を確かめられるまで時間がかかりそうだが、静止画・動画ともに高性能化が期待されるので、とにかくカメラを重視したい人は、実写レビューなどの登場を待つことをオススメしたい。

5Gはそんなに急がなくてもイイ?

 iPhone 12シリーズの新機能としては、新たに第5世代の通信方式、いわゆる5Gに対応したことも挙げられる。この5Gをどのくらい重視するかは、判断が難しい。

 5Gは、NTTドコモ/au/ソフトバンクともに、使えるエリアはまだまだ限られている。エリアはこれから拡大していくとはいえ、もし自分の生活圏で5Gが満足に使えるようになるのが来年だとすれば、5G端末は来年買えば良い、とも言える。5Gだけを目当てに、買い替えサイクルを早めてでもiPhone 12を買う必要があるかというと、そこまでのものではないかな、とも思う。

 しかし、最新プロセッサーやカメラ、デザインなどさまざまな買い替え要素の中に、5G対応の有無は含めておくべきだ。いま買うなら、数年後に広くなった5Gネットワークが使える「iPhone 12」シリーズをオススメしたい。

 また、5Gには、5Gだけの価値が提供され始めている。たとえば5G向け料金プランは使い放題が主流。そして、たとえばauの場合は5Gエリアになると映像コンテンツの高品質化(他キャリアは今後発表かもしれない)といった違いをもたらす試みも始まった。その5Gエリアも、auやソフトバンクではこれから4G用周波数を5Gへ転用する方針だ。転用のエリアでは、速度はこれまでとあまり変わりないかもしれないが、5Gならではの体験を利用できるようになる、とも言える。

 なお、日本で販売されるiPhoneは、5G用の全く新しい周波数帯であるミリ波に対応していない。米国版はミリ波に対応しているが、たとえば来年以降、日本でもそうしたモデルが登場することを信じ、そちらを本命として今年は待つ、という人がいるかもしれない。しかしそこまで5Gに期待しているなら、とりあえずiPhone 12を買い、来年以降のエリア整備状況を見ながら短サイクルでの買い替えを検討する、くらいの姿勢が正解かも知れない。

コンパクトiPhoneの愛好家には絶好の買い替えタイミング!

4インチ(左)と4.7インチ(右)。真ん中はボール紙で作ったiPhone 12 miniサイズのダミー

 「iPhone SE(第1世代)の4インチがイイんだ」と思ってる人は少なくないと思う。わたしもかつてそう思っていた。しかしあえて言わせてもらおう。おそらく4インチiPhoneはもう登場しない。

 実際のところ、いまどきアプリもコンテンツも、少なくとも4.7インチくらいのサイズでないと十分に楽しめず、使えない時代でもある。4インチiPhoneユーザーには、そろそろそのサイズから卒業するべき時期、と言わせていただきたい。

 しかしコンパクトなiPhoneが好きなユーザーにとって、今年は福音の年だ。2017年のiPhone 8以来の4.7インチiPhoneであるiPhone SE(第2世代)が春に登場し、秋にはそれよりもコンパクトなiPhone 12 miniが登場することになった。

 とくにiPhone 12 miniは、最新スペックで片手サイズながら最新スペックを満載している。さまざまなモデルの存在するAndroidスマートフォンを含め、いまここまでコンパクトさと使い勝手、スペックのバランスに優れたモデルは極めて珍しい。

 実際のサイズ感は、実機が登場していないのでなんとも言えないが、我慢しきれない筆者がボール紙で作ったダミーを手にしたところ、4.7インチ以上のコンパクトさで、片手でも使いやすくなりそうだと感じた。

 4インチや4.7インチなど、コンパクトなiPhoneに慣れた人には圧倒的にオススメだし、そうでなくても、普段使っている5.5インチ以上のiPhoneに「ちょっと片手では使いにくいな」と感じている人は、乗り換える価値があると思う。なんならいろいろな障壁を乗り越える必要があるものの、コンパクトスマホが欲しいなら、Androidスマートフォンからの乗り換えにだってオススメだ。

アップルのコンパクト製品は非常に出来が良いと思うのだが、更新サイクルが長くなりがち。1kg未満のMacBookよもう一度……

 余談だが、アップルには「mini」を冠する製品として「Mac mini」と「iPad mini」があり、それぞれの最新モデルは2018年と2019年に発売されたものの、それまでに4年程度、製品更新されない時期があった。1kgを切る最軽量のMacBookもひっそりと販売を終了し、後継機種が出ていない(今後のアップルシリコン搭載モデルに期待したい)。

 何を隠そう、筆者はMac miniとiPad mini、最軽量のMacBookを愛用している。そんな筆者からすると、アップルのコンパクトモデルは製品更新間隔が長くなったり、新製品が出なくなったりすることがあるので、「売ってるときに逃さず買う」という考え方もオススメだ。実際にはiPhone 12 miniはそれなりに売れそうなので、来年以降もminiモデルが登場すると期待しているが、それでも先のことはわからないので……

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