レビュー
ドコモのスマホ教室で「生成AI講座」、幅広い年代のユーザーが生成AIに挑戦する教室を見てきた
2025年3月19日 13:48
NTTドコモが実施している「ドコモスマホ教室」では、シニア向けのスマートフォン教室やポイ活、新NISAといったライフスタイル、子供向けのドコモキッズクラブなど、さまざまなスマートフォン関連の講座が開催されている。
そして2月に「生成AI講座」(受講料は無料)がスタート。実際にどのようなことを教えてくれるのか? どういったユーザーが受講できるのか。今回は、都内で実施された生成AI講座を覗いてきた。
生成AIとは何か? 仕組みから解説
ドコモショップ丸の内店(東京都千代田区)で開催された教室では、30代前後の参加者が学びに訪れた。これまでの教室では、最高で80代の参加者もいたとしており、若年層だけでなく幅広いユーザーが生成AIへの関心自体はあることがうかがえる。
教室では、まず生成AIとは何か? といった基本的な内容から進められる。続いて生成AIの仕組みをユーザーに理解してもらうことで、プロンプト(生成AIへの命令文)をどう書けば精度の高い回答を得られるか? といった内容まで理解を進められる。
生成AIについては、ChatGPTなどブランドの名前や用語だけは知っているけれど、どういう意味かわからなかったりどう使えば良いかわからなかったりするユーザーが多い。受講者の中には、「同僚が生成AIを使って議事録を素早くまとめているのを見て生成AI教室に参加した」ユーザーもいると講師役のスタッフが説明。これら事例を交えながら受講者に語りかけることで、より生成AIが身近に思えるようなシーンも見られた。
Stella AIを使った実践
続いて、ユーザーの端末でStella AIを実際に使ってみる流れが始まる。
まずは、ユーザーの端末でStella AIを利用できるよう、ユーザー登録するところからスタートする。その後、「レシピを考えてもらう」や「冠婚葬祭の言葉を考えてもらう」といったシチュエーションに沿ってワークを実施する。
教室で使用する生成AIはStella AIで、スタートアップ企業のSUPERNOVAが開発した。ドコモとSUPERNOVAは業務提携を締結しており、ドコモでの取り扱いや通信契約とのセット割引を提供している。
Stella AIは生成AIが初めてでも使いやすいよう、テンプレートを使ってプロンプトを生成する機能を搭載しているほか、画像生成やAI検索もStella AIだけで完結できる。テンプレートの種類は、記事執筆時点で1067種類あり、キーワード検索などで最適なテンプレートを見つけられる。また、複数の言語モデルを利用できるので、利用シーンに合わせて生成AIを活用できる。
教室では、Stella AIのテンプレート機能を使って、プロンプトを生成、回答を得るまでの流れを体験できる。また、例題以外の活用方法として“人気のテンプレート”や“フリーワード生成”(プロンプトで生成する一般的な使用方法)などを紹介。講座を終えた後の活用までフォローする。
後半には、生成AIを活用する上での注意点を解説。たとえば、もっともらしい嘘を回答するハルシネーションや、著作権侵害のリスクなどを説明。
また、最後にはStella AIの利用プランやドコモの回線契約とのセット割引が紹介された。
生成AIを題材にする理由
ドコモショップでは、幅広い年代のユーザーに「最高の顧客体験」を提供するとし「ドコモスマホ教室」を実施している。当初はシニア世代からスタートした教室だが、現在ではさまざまな世代にマッチした教室を実施している。2018年のスマホ教室スタートから、2024年7月末時点で累計1800万人、2025年2月末時点で1900万人と年間200万人が受講している。
一方、生成AIの普及状況について、ドコモ 経営企画部事業開発室docomoSTARTUP担当 担当部長の東哲平氏は「欧米や中国と比較して、日本の生成AI利用率は低い」と指摘。そもそも使い方をわかっていないユーザーが多いという点に注目し、初心者が安心して利用できるよう、生成AIの基本的な情報から実践までをカバーする教室の開催に至ったと語る。
現在は、首都圏と関信越の一部ドコモショップ253店舗で開設している。ショップのスタッフなどが講師となるため、講師自身も生成AIを多用しているとはいえない。事前の講習や定期的なフォローアップを実施し、しっかりと教えられる体制が取られている。
2025年度以降には、子供向けのワークショップや就活生に向けた教室など、より具体的な活用方法をレクチャーする教室も開設していく。
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