レビュー

スポーツ、コンサート、演劇などのライブ配信、スマホを使ってテレビの大画面で楽しむ方法

 「おうち時間」が長くなった影響で、さまざまななエンターテインメントがオンラインで楽しめるようになった。中でもスポーツやコンサート、演劇など、これまで会場に足を運ばないと見られなかったエンターテインメントが、ライブ配信されるようになったことは、時間や距離などの制約があったり、キャパシティの問題からチャンスを得られなかったりしたファンにとっては、ポジティブな変化とも言えるだろう。

ライブ配信の際や事前のテストの際には、スマートフォンがちゃんと自宅のWi-Fiにつながっていることも確認しておこう

 YouTube、Streaming+、PIA LIVE STREAM、MUSIC/SLASHなど、ライブ配信のプラットフォームも広がりを見せていて、視聴するにはそれぞれのプラットフォームにあわせた準備が必要だ。

 アプリのインストールやサービスへの登録、有料配信の場合はチケットの購入のほか、どう視聴するかによっては追加の機器も用意する必要がある。

 ここではライブ配信を、スマートフォンからテレビの大画面に出力して楽しむ方法を検証する。

有線接続は安定感抜群だが、Androidスマートフォンには使えない端末もあり

  スマホからテレビに映像を出力する方法は、有線と無線の2通り 。何度も見返せるアーカイブはともかく、ライブ配信という失敗できない状況で、より安定した出力が期待できるのはもちろん有線だ。ただし残念ながら、すべてのスマートフォンが有線での映像出力に対応しているわけではない。特にAndroidスマートフォンでは対応していない機種が少なくないので注意が必要だ。

iPhoneをテレビにつなぐ方法

 iPhoneの場合は、LightningからHDMIへの変換アダプタを使用することで、テレビへのHDMI出力が可能になる。

 より安価なサードパーティ製のアダプタも発売されているが、アップル純正の「Lightning - Digital AVアダプタ」(6380円)の使用をおすすめする。MUSIC/SLASHのように、純正アダプタ以外はサポート対象外としているプラットフォームもあるからだ。なおMUSIC/SLASHでは、サードパーティー製のアダプタを使用した場合、コピーガードが働く可能性があると警告している。

「Lightning - Digital AVアダプタ」(6380円)。LightningとHDMIの2つポートを備え、充電しながらHDMI出力ができる

Androidスマホをテレビにつなぐ方法

 Androidスマートフォンの場合は、USB Type-CとHDMIの変換アダプターまたは変換ケーブルを使用する。

 ただしスマートフォンが、USB Type-Cから映像出力可能な 「DisplayPort over alternate mode(DP Altモード)」 という規格に対応していることが条件。対応は機種によっても異なり、スペックに明記されていないことも多い。わからない場合はメーカーに問い合わせるしかない状況だ。MUSIC/SLASHのように、対応しているスマートフォンの一覧を公開しているプラットフォームもあるので、こうした情報も参考にしたい。

筆者が使用しているエレコムの「USB Type-C映像変換アダプタ AD-CHDMIBK」(現在は販売終了)。同様のアダプタが数千円程度で入手できる

「Amazon Fire TV Stick」や「Google Chromecast」へワイヤレス出力する

 有線での出力をサポートしていない機種があるのは、Androidスマートフォンのほとんどが「Miracast」や「Google Cast」による無線での映像出力に対応しているからだ。機種によって両方あるいは、Google Castのみをサポートしていて、もしテレビがこれらの規格に対応していれば直接映像を出力できる。テレビが非対応の場合も、HDMI端子に接続できるストリーミングメディアプレイヤーを介せば、テレビの大画面にマホの映像をワイヤレスでスで表示できる。

アマゾンの「Fire TV Stick(第3世代)」や「Fire TV Stick 4K」、「Fire TV Stick 4K Max」は、標準で「Miracast」をサポート
まず「Fire TV Stick」の設定→ディスプレイとサウンド→ミラーリングを有効にするをオンにする
次に、スマートフォンのステータスバーにあるミラーリングorキャストの設定(Galaxyシリーズでは「Smart View」という名称)を開き、Fire TV Stickを選んで接続する
「Fire TV Stick」に「AirReceiver」アプリを追加すれば、「Google Cast」や、iPhoneの「AirPlay」による無線映像出力にも対応する

 グーグル(Google)の「Chromecast」や「Chromecast with Google TV」をテレビにつなぎ、スマートフォンと同じWi-Fiに接続している場合は、スマートフォンから「Google Cast」を使って映像をテレビに出力できる。

 「Miracast」同様、スマートフォンの画面をまるごとミラーリングすることもできるが、「Google Cast」では対応する動画のキャストマークをタップすることで、コンテンツごとに出力することも可能。視聴中に通知などに邪魔されないというメリットもある。

「Google Cast」での出力も手順は同じ。ステータスバーで「画面のキャスト」をオンにして、出力先として「Chromecast」を選択すると、スマートフォンの画面がそのままテレビに出力される
特定の動画のみ出力する場合は、その動画にある「キャスト」のアイコンをタップし、同じように「Chromecast」を選択する
動画単体で出力できる場合は、テレビの画面サイズでフルに生かした出力が可能。バックグラウンドで通知などがあっても、テレビには表示されない
スマホの画面をまるごとミラーリングする場合は、表示範囲がテレビのフレームより小さくなる

パソコンの活用、ChromecastやFireTVのアプリも

 ここまでスマートフォンでライブ配信へアクセスし、その映像をテレビの大画面で視聴する方法を紹介してきたが、より安定した接続環境を求めるなら、有線LANにつながったPCを使用する方法もある。

 またライブ配信のプラットフォームによっては、ストリーミングメディアプレイヤーのブラウザアプリから、ダイレクトにライブ配信にアクセスし、視聴することも可能。たとえばYouTubeは、「Fire TV Stick」にも「Chromecast」にも専用のアプリがあり、ダイレクトに再生できる。

 またMUSIC/SLASHでは、テレビで視聴するための方法として、「Fire TV Stick(第3世代)」や「Fire TV Stick 4K」、「Fire TV Stick 4K Max」でSILKブラウザアプリを使ってアクセスする方法を案内している。

 どのような視聴環境をサポートしているかは、各ライブ配信のプラットフォームのサイトに推奨環境などの形で詳しく掲載されている。あわせてほとんどの配信プラットフォームにはテスト視聴用の動画が用意されているので、これらを事前に必ずチェックしておこう。準備さえしっかりしておけば、当日に慌てることなく、ライブ配信に集中できるはずだ。