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ビバップにバチェラーにどうでしょう。2021秋のネット配信動画が豊作すぎてつらい

見たい番組がこの秋、一気に3つも配信開始!

 Amazon Prime Videoの方はPrime会員として買い物もするので仕方ないとして、Netflixの方は仕事上ときどき端末の映像・音声確認のために使うくらいだから、常に契約しておく必要もないかもなあ、と考えていた。のだが、2021年11月から続々と個人的キラーコンテンツの配信が開始すると知り、こりゃあ解約なんてしてる場合じゃないぞと、正座待機状態に。その1つがNetflixの実写版「カウボーイビバップ」である。

 1998年から放送されたアニメ版カウボーイビバップは紛れもない名作だ。当時は地上波放送をリアルタイムで視聴し、地上波ではなぜか放送されなかったエピソードはDVDをレンタルしてコンプリートした(お金のない学生だったので)。劇場版は映画館で鑑賞したし、当然ながらDVDも購入して何度もリピート。菅野よう子のサントラCDは全部購入した。ちなみに一番好きなエピソードは19話「ワイルド・ホーセス」、いわゆるスペースシャトル回である。

 主人公のスパイク・スピーゲルの声を当てる山寺宏一はもちろんのこと、相棒のジェット・ブラックの故石塚運昇やフェイ・ヴァレンタインの林原めぐみなど、超豪華声優の熟練しきった演技は、必見という表現では物足りない。エドの多田葵は、登場直後の演技で若干不安を覚えたが、回を重ねるごとにそれが味となっていったし、ビシャスの若本規夫は若本だ。

 そんな、人生のなかでトップを争うほどに思い入れの強いアニメが実写化するとなれば、いろんな意味で期待してしまうもの。配信前に公開されたティーザー的なスナップショットでは、キャストの意外と忠実な雰囲気に「アリなんじゃない?」と思った。少なくとも実写版ドラゴンボールのようなことにはならないだろう、と。

 そしていよいよ配信された本編。1話目ではややズッコケそうになった部分や、その音楽はここで使うやつじゃないだろ、みたいなところはあったものの、アニメ版とほとんど同じ声優が日本語吹き替えを担当しているのは大きい。米国映画的なノリが混在していたりしながらも、カウボーイビバップらしいテイストもそこかしこに感じられる。まあ、ビシャスがなんかダサいなあとか、ジュリアさんってそんなに尻軽でしたっけ? とか、イメージと違うところはあるけれど、わりと普通に楽しめている。

Netflixの実写版「カウボーイビバップ」

 で、それから少し遅れてPrime Videoで配信され始めたのが「バチェラー・ジャパン シーズン4」。多数の女性が1人の男性をめぐって争う恋愛リアリティ番組だ。これも個人的には絶対に見ておきたいものだった。実はシーズン1~3はあまり本気で見ていない。なのに、なぜシーズン4が気になっていたかというと、その前に配信された姉妹番組「バチェロレッテ・ジャパン」で最後まで勝ち残った黄皓さんが、立場を変えバチェラーとしてシーズン4に登場することになったから。

 ……というのもあるのだけれど、それよりもバチェロレッテが終わってしばらくした後、とある媒体で黄皓さんにインタビューしたことがあった、というのが一番の理由だ。その際に、番組では見られなかった本人の人となりをわずかながらでも知ることができただけに、やっぱり思い入れは強くなる。「これはシーズン4、めちゃくちゃ面白いことになりそうだぞ」という予感しかなかった。とりあえず現時点で配信されているエピソード6まで視聴したところでは、「さすが黄皓さんだな」と言わざるをえない。

Prime Videoの「バチェラー・ジャパン シーズン4」

 それでもって12月からNetflixで配信が始まったのが、みなさんご存じ、北海道発のバラエティ番組「水曜どうでしょう」の最新作「21年目のヨーロッパ21ヵ国完全制覇」だ。テレビで見ることができた人も、そうでない人も、最新作のネット配信を待ち望んでいたのではないだろうか。もちろんこれもマストで視聴しなければいけない。

 筆者自身が北海道出身で、1990年代後半のレギュラー放送をリアルタイムで見ていたこともあるけれど、今から遡ること20年、時代的に早すぎたインプレスの動画配信サイト「impress TV」で同番組初のインターネット配信を企画した者として、これもものすごく思い入れの強い番組なのだ。

Netflixの「水曜どうでしょう」最新作「21年目のヨーロッパ21ヵ国完全制覇」

 ところで、これら3番組の再生時間は、カウボーイビバップが530分、バチェラー・ジャパンが415分(エピソード6まで)、水曜どうでしょうが154分で、計1099分。バチェラーはまだ未完結だから、最終的にトータル20時間近くになるだろう。なぜ見たい番組が同じタイミングでこんなにも集中してしまったのか。つらすぎる。

 1日のうちに動画を見られるのは、室内サイクリングしている間くらいしかないので、少しずつしか進まずもどかしい。けれども、この秋から冬にかけてたぶんずっと楽しめるということでもあるので、うれしい悲鳴である。