ニュース

クアルコム、スマホ向けチップ「Snapdragon」値上げへ

アップル向けモデム供給の大幅減も

 米クアルコムは7月29日(現地時間)、2026年会計年度第3四半期(4~6月期)の業績を発表した。説明会では、半導体製造や部材コストの高騰に対応するためスマートフォン向けを含むチップセットの製品価格を引き上げる方針が明らかにされた。あわせて、アップル向けのモデム供給シェアが従来想定を下回ることにも触れられた。

部材高騰受けチップセット価格を引き上げ

 半導体業界全般でウエハー製造や組み立て、テスト、先進パッケージング、メモリーといった部材コストの上昇が広がっているという。最高経営責任者(CEO)のクリスティアーノ・アモン氏によると、データセンター需要の増大に伴う供給不足も重なり、半導体部門(QCT)の粗利益率が圧迫されている。

 クアルコムはこれらのコスト増加分を製品価格に反映させる値上げ措置を進めており、順次市場に浸透させることで粗利益率の回復を目指すとしている。

 スマートフォン市場においては、メモリー価格の高騰により主要メーカーが在庫調整を進めた結果、アンドロイド(Android)端末向けチップセット(SoC)の出荷量が一時的に減少した。同社は価格転嫁と新製品の投入により、今後の収益性を改善させる考えを示している。

 発表された資料や会見で、どの程度の値上げになるかは触れられていない。米メディアの報道では10%以上の値上げが顧客企業へ通達されたという。

アップル向けモデム供給の減少が加速

 アップルに対するモデムチップの供給については、供給制約やアップル自身が開発したモデムへの切り替えに伴い、2026年会計年度第4四半期(7~9月期)から売上高の減退が加速する見込み。

 最高財務責任者(CFO)のアカシュ・パルキワラ氏によると、次期iPhoneにおける同社製モデムの採用シェアは、従来想定していた20%を大幅に下回ると予想されている。

非スマホ領域の強化

 同社はスマートフォン市場の変動に対応するため、自動車(Automotive)やIoT、データセンターといった非スマートフォン(ノンハンドセット)領域の強化を推進している。

 2029年会計年度までに、その売上高を400億ドル規模に拡大させる目標を掲げており、自動車部門ではBMWなどとの連携を深め、2026年会計年度末には年換算で約70億ドルの売上高達成を見込む。

 データセンター分野では、人工知能(AI)処理の分散化に対応する製品群を展開する計画となっている。

データセンター分野における今後のロードマップ
2026年度

データセンター向け接続製品の投入

2027年度第1四半期

カスタムシリコンの収益化開始

2027年度後半

HBC(High Bandwidth Compute)技術基盤のAIアクセラレータ展開

2028年度後半

サーバー向けCPU「Qualcomm Dragonfly C1000」の投入