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ソフトバンク株主総会、AI投資は「収穫フェーズ」へ 株価低迷への見解や旺盛な需要を説明

 ソフトバンクは23日、第40回定時株主総会を開催した。株主からの質問に対し、同社の成長戦略や現状の課題に対する見解を説明。AI投資の回収見通しや低迷する株価への対策、今後の研究開発体制などについて、経営陣が直接意図を語った。

写真提供:ソフトバンク(以下同)

株価低迷の分析とAI事業への自信

 日経平均株価が上昇する中で株価が低迷している現状について、同社社長の宮川潤一氏は、「なぜ日経平均の上昇に我が社が置いてきぼりになっているのかと悲しく見ている」と率直な思いを語った。

ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏

 市場がAIへの巨額投資の回収可能性を不安視していることや、通信業界全体が成長の止まった配当銘柄として見られ、金利上昇局面で評価されにくい点が背景にあると分析。しかし、5年間にわたるAIへの投資はすでに収穫期に入っており、近く明確な結果を示すことで市場の評価も変化すると自信を見せた。

 親会社であるソフトバンクグループの積極的な投資姿勢を引き合いに出し、同社もAI時代を見据えたインフラ投資やサービス開発に注力し、大きな成果に結びつけて企業価値を向上させる方針。

独自の研究開発体制と産学連携

 研究開発体制についても詳しい説明があった。設立当初は資金面での制約からベンダーとの共同開発や投資先企業との連携が中心だったが、5年前に先端技術研究所を設立して以降は自社での研究開発を本格化。その成果が革新型バッテリーや成層圏通信プラットフォーム(HAPS)などの新規事業に結びついている。

 さらに、大学や研究機関との連携も強化しており、東京大学との「Beyond AI」プロジェクトでは10年で200億円規模の投資を実施。AI分野の最先端研究を共同で進め、国内外の大学とも協力しながら次世代技術の開発を加速する。

子会社のガバナンスとサイバーセキュリティ対策の強化

 子会社のガバナンスやサイバーセキュリティ対策についても、経営陣は強い危機感を持って取り組む姿勢を示した。現在、同社は300を超える子会社を抱えており、過去にはグループ会社のイーエムネットジャパンにおいて不正取引が発生。宮川社長は、「会社の不正というのは決して他人ごとではない」と語った。

 この事態を受け、同社は子会社の取引に対する監視体制を厳格化し、内部統制の強化や親会社によるモニタリング体制の向上を図った。上場子会社の自主性を尊重しつつも、不正を未然に防ぐ仕組みづくりをグループ全体で推進していく構え。

 また、アスクルで発生したサイバーインシデントに関しても言及があった。これは、業務委託先が利用する管理者アカウントの乗っ取りが原因だった。

 発生後、ただちにグループ全体でシステムの総点検を実施し、ログイン時のセキュリティ対策を一段と強化した。過去の不正やインシデントの教訓をグループの知見として共有し、内部統制とセキュリティレベルのさらなる引き上げを図っていく。