ニュース

「MediaTek Dimensity 9500」を発表、性能向上にAIを活用

 MediaTekは24日、モバイルデバイス向けの新しいチップセット「MediaTek Dimensity 9500」を発表した。搭載されるスマートフォンは、2025年第4四半期に登場する。

ニュースリリース

 次世代のフラッグシップ5Gスマートフォンを強化するために設計したとしている。第3世代のAll Big Core CPU設計を採用し、4.21GHzのウルトラコアをはじめ、3つのプレミアムコア、4つのパフォーマンスコア、4レーンのUFS 4.1ストレージを搭載。先代(Dimensity 9400)と比較してシングルコア性能は最大32%、マルチコア性能が最大17%向上している。

 加えて、ウルトラコアではピークパフォーマンス時の消費電力が最大55%削減、全体でもマルチタスク実行時における電力効率を最大30%向上させており、バッテリー駆動時間の向上に貢献している。

 また、オンデバイスAI性能も向上している。新しいメモリーアーキテクチャーやキャッシュ性能により、読み込み/書き込み速度が2倍に向上、大規模なAIモデルの読み込みが40%高速化された。

 第9世代MediaTek NPU 990とGenerative AI Engine 2.0を統合することで、演算能力の向上と消費電力の削減が図られた。BitNet 1.58ビットの大規模モデル処理が導入されたほか、整数および浮動小数点演算能力が倍増したことで、“30億パラメーターのLLM”出力が100%高速化され、12万8000トークンの長文テキスト処理や業界初だという4K超高精細画像生成などができるようになるという。

 GPUは「Arm G1-Ultra GPU」を搭載し、ピークパフォーマンス性能が最大33%向上、電力効率が42%向上している。最大120fpsのレイトレーシングを実現する高フレームレート補完技術を搭載。加えて、ゲームエンジン「Unreal Engine 5.6」のMegaLightsと「Unreal Engine 5.5」のNaniteに対応しており、没入感のあるゲーム体験を提供する。

 カメラ機能では、最大200MPのキャプチャー、30fpsの連続フォーカストラッキング、新しいポートフォリオエンジンをサポートし、4K 60fpsのポートレート動画撮影に対応する。

 ディスプレイ性能では、最新の「MiraVision Adaptive Display」技術により、周囲の光やパネル特性、リアルタイムのコンテンツ分析技術に基づいて、コントラストと彩度を動的に調整、さまざまな環境でクリアな視聴体験を実現する。

 このほか、AIを活用し5G通信で最大10%、Wi-Fiで最大20%の消費電力を削減、5CCキャリアアグリゲーションで帯域幅が15%向上している。加えて、AIによる輻輳予測では、精度が20%向上、ネットワーク遅延も50%低減している。