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KDDI、基地局に発電/蓄電/電源監視機能を導入でサステナビリティ向上へ

 KDDIは17日、再生可能エネルギーの利用拡大と災害対応力向上を目的とした基地局電源装置「OPS(Open Power Station)」の実証を2025年1月~3月に和歌山県で実施する。

 基地局電源装置に発電や蓄電機能を備え、将来的に複数のエネルギー源をまとめてあたかも1つの発電所のように電源管理するVPP(Virtual Power Plant)としての展開も進める。

 携帯電話基地局には、停電時でもサービスを継続できるよう蓄電池などを備えている。今回の取り組みでは、基地局に太陽光発電パネルの垂直設置や、頂部への小型の風力発電装置の設置により再生可能エネルギーを発電できるようにする。

 これらの発電量や消費電力量、蓄電池残量などのデータをリアルタイムに監視し、停電時の蓄電池枯渇タイミングを予測し、災害時などで優先して復旧すべき基地局を特定できるようになる。

 加えて、立ち入りが難しい場所の基地局に対して、ドローンからワイヤレスで充電できる機能の検証も行われる。

 これらの機能を備えた電源装置を基地局に備えることで、通信サービス提供に係わる環境負荷の低減や災害対応力の向上が図られる。

 同社コア技術統括本部 技術企画本部 カーボンニュートラル推進室の市村豪氏は、今後の展開について「理論上は全国で数十MW(1MW=1000kW)、万単位(の基地局)で配置できると考えている」と説明。日本全体で見ると比較的大きな再生可能エネルギーの発電拠点になるとした。

 同社では、これまでも消費電力削減のためにトラフィックの少ない時間帯に一部装置をスリープ状態にする「基地局スリープ機能」(2023年3月導入)、太陽光パネルによる発電と再生可能エネルギーの供給でカーボンニュートラルを実現したサステナブル基地局(2023年5月導入)、曲がる太陽電池を垂直設置した「へロブスカイト太陽電池活用基地局」の実証(2024年2月)などを進めてきた。

 同社では、再生可能エネルギーだけでなく、災害救助や地域共創の取り組みなどサステナビリティ経営の推進を目指す。