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「ポイントを理由に行く店決める」「二重取り」どちらも6割が実践――野村総研の決済・ポイント調査

 ポイントが貯まるかどうかで、購入する店舗を切り替える消費者が約6割に達している――。野村総合研究所は、決済とポイントに関する実態調査結果を発表した。全国1万人を対象に実施した決済・ポイント実態調査から、「ポイ活」がもはや一部の熱心な層だけではなく、「二重取り」を6割が実践するなど、ポイント経済圏が個人の購買行動を強く支配する最新の縮図が浮き彫りになった。

 調査は2025年12月に実施し、全国の18~79歳の男女1万人が回答した。また、ウェイトバック補正が行われている。調査では、決済方法をクレジットカードとコード決済、電子マネーの3つに分類している。コード決済は、紐付けたクレジットカードから支払うものがあるが、今回は区別せずに集計された。

クレジットカードは「楽天」、コード決済は「PayPay」が独走状態に

クレジットカードでは、楽天カードが利用率でトップ

 キャッシュレス決済の認知調査では、クレジットカードの差し込みやスキャンなどによる決済は全体の約7割、タッチ決済などの非接触決済では全体の5割が利用している。一方、Apple PayやGoogle Payなどのスマホ決済では全体の14%、iDやQUICPayなどカード内蔵の電子マネーで決済するユーザーは全体の11%にとどまった。

 クレジットカードについて種類ごとに見ていくと、日常的に利用しているカードでは、楽天カード(31%)、イオンカード(12%)、PayPayカード(11%)の順になった。

 利用者の割合とゴールド以上の利用者の割合を見ると、楽天カードは利用者の割合が高い一方、ゴールド以上のカードを利用している割合は、dカードが高い結果だった。

コード決済はPayPayの利用者が全体の4割に

 コード決済の認知調査では、全体の41%が利用しており、日常的に利用しているユーザーは26%で、4人に1人が日常的にコード決済を利用していることがわかった。

 種類ごとに見ていくと、PayPayの利用率が全体の40%と高く、楽天ペイ(22%)、d払い(19%)、au PAY(19%)と続いた。

電子マネー

 電子マネーの認知調査では、物理カードをかざして利用するタイプでは全体の39%、スマートフォンをかざして利用するタイプでは全体の32%が利用しており、タイプを問わず全体の35%前後のユーザーが利用している。

キャッシュレス決済の利用動機

 キャッシュレス決済の申し込み理由では、「無料で利用できるから」が85%、「普段利用する店舗で特典があるから」が62%、「ポイントやマイルプログラムが充実しているから」が59%、「スマートフォンアプリの利便性が高いから」が55%の順に続いた。経済的なメリットに加え、アプリの利便性を重視しているユーザーが多いことがわかる。

 逆に、決済サービスに申し込まない理由では「現金やほかの決済手段で満足しているから」が80%となった。ほかにも、メリットを感じなかったり利用できる店舗が限られていたりすることで、申し込まないユーザーが多いことがわかった。

 一方で、キャッシュレス決済を利用するユーザーでは、サービスを使い分けるユーザーも多い。決済サービスを使い分ける理由として、「ポイントの還元率が高い」が41%、「ポイントの使い勝手が良い」が28%、「よりスムーズに支払える」が25%だった。ポイントの還元率や利用方法によってサービスを使い分けている傾向が見えた。

利用率68%で「楽天ポイント」が独走、主要ポイントの最新勢力図

 続いて、ポイントやマイルに関する調査結果を見ると、ポイントやマイルを貯めたり使ったりする頻度では、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店と続き、いずれも5割を超えるユーザーが毎回使っていると答えた。日常的に利用されやすい店舗では特に利用率が高い様子が見られる。

 ポイントやマイルの種類別に見ると、楽天ポイントが利用率68%でトップに、次いでVポイント(49%)、Pontaポイント(50%)、Amazonポイント(46%)、PayPayポイント(45%)、dポイント(45%)となった。利用率では、楽天ポイントが群を抜いているほかは、主要共通ポイントとAmazonポイントで大きな差は見られないが、日常的に利用している割合では差が見られる。たとえば、Amazonポイントは、利用率全体では46%あるが日常的に利用しているのは14%と低い。

 一方、会員規模とロイヤルユーザーの比率には傾向が見られるという。会員であると自認しているアクティブユーザーの比率が高いほど、積極的に利用しているロイヤルユーザー比率が高い傾向となっている。

ポイントのために店や商品を変える」人が半数以上

 ポイントシステムが、購買行動に影響を与えている傾向も調査でわかった。

 商品やサービスの購入など「消費」に対する考え方では、ポイントやマイルを積極的に貯めて使うようにしていると答えたユーザーが66%、ポイントが貯まるかどうかで購入する店舗を変えるユーザーが58%、ポイントで購入する商品やサービスを変えるユーザーが54%となった。日常的に利用する店舗でも、周囲にポイントが貯まる店舗やサービスがあれば切り替えるというユーザーも約半数いるといい、ポイント経済圏が与える影響が拡大傾向にあることが見える。

 なお、利用するポイントの種類を選択できるマルチポイント対応店における「種類の選び方」を質問すると、65%がメインに使っているものを選ぶとした一方、23%が還元率が高いものを選ぶと回答した。

ポイ活やポイントの利用方法

 貯めたポイントは、どのように利用されているのか? 調査では、9割以上のユーザーが何かしらのポイ活を行っていることがわかった。多くはアンケートやアプリ起動など手軽なものから利用されており、昨今サービスが増えてきたポイント投資は月1回未満の低頻度ユーザーを含めても27%の利用率だった。

 ポイントの消費方法では、店頭での支払い充当が57%、オンラインサービスでの支払い充当が33%と続いた。使おうと思ったタイミングでは、「ポイントが貯まったタイミング」が49%、「失効期限が近づいたタイミング」が37%だった。また、「有効期限を知らせる案内が来たタイミング」が11%だった。

ポイントプログラムに入るきっかけ・やめるきっかけ

 「ポイントプログラムに入会するきっかけ」の問いには、「ポイントの利便性の高さ・使い道の多さ」が52%、「通常時のポイント還元率」が46%、「使える店の数や種類の多さ」が46%だった。ユーザーは、入会時のキャンペーン(7%)よりも、日頃からの利便性に注目しているようすがうかがえる。

 一方、利用しなくなった理由、退会した理由を聞く問いには、「ポイントが想定していたより貯まらなかった」(13%)や「使える店を利用する機会が少なかった」(12%)、「ポイントの使い道がなかった、利便性が低かった」(12%)と回答が集まった。還元率やポイントの利用シーンが限られていることが、ポイントプログラム自体の利用機会減少につながっている。

 また、近年はポイントカードをアプリに移行する動きも出てきている。物理カードが廃止されてアプリのみに一本化された場合も利用を継続するかを尋ねる問いには、55%のユーザーがアプリのみになっても利用を継続すると回答。12%のユーザーがアプリのみになった場合に利用をやめると回答した。

 なお、ユーザーが直近1年間でメイン利用したポイントを1年後もメインのポイントプログラムとして利用しているかを調査したところ、PayPayポイントが新規ユーザーの獲得率と既存ユーザーの定着率において、高い割合を示していることがわかった。

決済とキャッシュレスの関係性

 いずれかのキャッシュレス決済を利用しているユーザーは、全体の95%で、多くのユーザーが何かしらのキャッシュレス決済を利用していることがわかる。また、ポイントやマイルの利用意向をみると、キャッシュレス利用者では69%が積極的に利用していると回答した一方、キャッシュレス決済を利用していないユーザーは29%と、大きな差が見られた。キャッシュレス決済を利用するユーザーほど、ポイントやマイル利用により積極的だと見られる。

 また、ポイント加盟店で同じポイントが貯まる決済手段を選ぶユーザーも多い。たとえば、楽天ポイント加盟店では楽天カードや楽天ペイで決済すると、楽天ポイントが二重に貯まる。同じポイントが貯まる決済手段を選ぶユーザーは、楽天ポイント加盟店で69%、dポイント加盟店で59%、Pontaポイント加盟店で60%、Vポイント加盟店で57%となった。なお、PayPayポイントは、決済方法と紐づけてポイントが二重に貯まるような加盟店が少ないため、この調査項目では公表されていない。

 ポイントとしてのメインユーザーの割合が多いほど、決済手段としてのメインユーザーも多い傾向にあり、加えて両方をメインのポイントと決済手段に利用するユーザーの規模も大きくなる傾向にある。各社が「ポイント経済圏」としてユーザーを囲い込む施策を進めていることもあり、いわゆる「ポイントの二重取り」が浸透しつつある傾向が見られる。

野村総研のレポートより抜粋
クレカ利用率
  • 楽天カード:31%
  • イオンカード:12%
  • PayPayカード:11%
コード決済利用率
  • PayPay:40%
  • 楽天ペイ:22%
  • d払い:19%
  • au PAY:19%
楽天ポイント:68%
  • Pontaポイント:50%
  • Vポイント:49%
  • Amazonポイント:46%(※日常利用は14%)
  • PayPayポイント:45%
  • dポイント:45%