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100サイズまで一律730円の「エコメルカリ便」登場、“置き配”促進で2024年問題の解決へ

 メルカリは28日、フリマアプリ「メルカリ」において、宅配便100サイズまで送料が一律730円となる「エコメルカリ便」の提供を開始した。開始当初のサービスエリアは東京都(島しょ部除く)、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県で、段階的に利用できるようになる。

 28日の発表会には、メルカリ 執行役 SVP of Japan Region 兼 CEO Marketplaceの山本真人氏や執行役員 VP of Business Development / Logisticsの進藤智之氏、SBS即配サポート 配送事業本部 執行役員の前田光治氏、三菱商事 食品流通・物流本部 物流開発部長の砂田重文氏が登壇し、サービス提供の背景などを紹介した。

左:進藤氏、右:山本氏
山本氏
進藤氏
前田氏
砂田氏

 2023年2月に創業10周年を迎えたメルカリは、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を新たなグループミッションとして掲げている。直近では3月6日に“空き時間おしごとサービス”「メルカリ ハロ」の提供が始まっており、その事業領域はフリマアプリにとどまらない。

 フリマアプリのメルカリでは、2015年の「らくらくメルカリ便」、2017年の「ゆうゆうメルカリ便」など、配送サービスを拡張してきた。日本全国で取り扱われる年間約50億個の宅配便のうち、メルカリの荷物の割合は約5%~10%になっているという。

 流通取引総額も伸長を続けるメルカリだが、ユーザー自身による発送時の課題として、「送料を抑えるために小さく梱包することが面倒」「商品の大きさを測ることが手間」といったものが挙げられていた。

 今回登場したエコメルカリ便は、先述のような課題の解決を図るサービスだ。対象エリアであれば、宅配便100サイズまで(10kgまで)の商品を一律730円で送れる。メルカリでは、大きさを計測する手間がなくなり、自宅にある梱包資材を活用しやすくなるとしている。

利用イメージ
100サイズであれば、厚めの衣類などでも送れる

 エコメルカリ便の大きな特徴としては、購入者の同意を得たうえで、自動的に“置き配”で配達されることも挙げられる。人手不足などの「2024年問題」が目前に迫る物流業界において、再配達率の改善を狙う。また、利用者も配達時間を意識せずに済み、ストレスの軽減につながるとする。

 出品者が商品をエコメルカリ便で送る場合は、三菱商事の非対面発送サービス「SMARI(スマリ)」を利用することになる。対象エリアで、ローソンや京王電鉄に設置されている「スマリボックス」に商品を持ち込む流れだ。三菱商事がタッチポイントの役割を、そして配送をSBS即配サポートが担う。

スマリボックス

 メルカリでは、“置き配”が必須ではない「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」についても、“置き配”を初期設定とすることで、サステナブルな配送を促進する構え。今後はエコメルカリ便のエリアやサイズ拡大に加え、「置き発送」「梱包の手間を“究極的に”軽減するサービス」などの構想を検討していくという。