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京セラ、「TORQUE」も含め個人向け携帯電話端末事業を終了へ

 京セラは16日、同社初の中期経営計画を発表した。このなかで、あらためて個人向けの携帯電話端末事業について終息することがあらためて説明された。

 京セラの谷本秀夫代表取締役社長は、中期経営計画として、経営の原点に立ち返るとした上で、2023年度の売上高を2兆円と見込む中、2024年度~2026年度の3年間を経て、2026年3月時点で売上高2.5兆円、2029年度には売上高3兆円達成を目指す。

 6年間で売上高を3倍にするという計画に向けて、同社では半導体の材料などを増産すべく向上などの設備投資を実施する。

 一方、携帯電話端末事業を含むソリューション分野については、「市場性・収益性の両面から各事業を見極めて、将来の成長分野へリソースを集中・統合する」と説明。その一環として「コンシューマー向けスマートフォン事業の終息」を実施することになった。

 スケジュールとしては、2023年3月期(2023年度)で新規開発を完了し、2025年3月期(2025年度)で供給と販売を終了する。その上で、5G用ミリ波のさらなる浸透に向けたリソース集中を実施。また、法人向けの機器開発、通信サービスにも注力する。

個人向け高耐久モデルも終息

 質疑応答で、高耐久モデルに絞って展開する考えはあるのか、と問われた谷本社長は、「北米でも、今はB2B(法人向け)領域で利用されており、個人向けは北米が先行して引いたかたちになっている」と回答。

 現在、「TORQUE」ブランドで提供されてきたタフネスタイプの携帯電話も、個人向けは終息するとした。

 また、終息に至った要因として、円安や半導体不足、あるいは総務省による端末価格の割引額規制など、どれかひとつではなく、スマートフォン・携帯電話が成熟した産業になり、買い替えのきっかけになる革新的な能力が付与されなくなり、買い替え需要がかつての倍以上に延びたことが大きなひとつの要因と語った。