インタビュー

ドコモ「キッズケータイ KY-41C」、京セラ開発担当が語る「親と子供をつなげる」機能

 NTTドコモから2月24日発売される京セラ製の「キッズケータイ KY-41C」は、キッズケータイとしてはじめてカメラを搭載するほか、メッセージアプリ「+メッセージ」を活用して、親と子の安心できる繋がりを提供する。

 親が子供に通信端末を提供する際、近年は“端末の長寿命化”や“通信プランと端末の分離”施策もあり、「親がこれまで使っていた端末」を子供が使うケースが増えてきている。

 このような状況で、あえて「キッズケータイ」を使う意義は、どのようなものなのか。今回は開発を担当した京セラ担当者から、「キッズケータイ KY-41C」の機能やそれを搭載した意義などについて話を聞いた。

左から、通信機器事業本部 第3技術部 第2技術課の仲江 浩司氏、商品戦略部 商品戦略2課の山内 敦史氏、第4開発部 アプリ開発1課の本間 永愛氏

遠隔設定できるなど多彩な見守り機能

遠隔でマナーモードの解除やアラームを鳴動させられる

 京セラ担当者は、「キッズケータイ KY-41C」について「見守り機能」「防犯機能」「毎日楽しく使える機能」などを搭載していると説明する。

 たとえば、通話やメッセージは、保護者があらかじめ登録した相手とのみやりとりできる機能を搭載しており、保護者の目の届く範囲でコミュニケーションが取れるようにしているという。

 また、保護者のスマートフォンからキッズケータイを遠隔で操作することができる。

 たとえば、子供が公園で、荷物と一緒にキッズケータイを置いたまま遊んでいるシーンでは、保護者からの着信に気づかない場合がある。この場合、保護者からアプリでキッズケータイ宛てに特別なSMSを送信することで、自動で電話を取る(着信自動応答)設定にすることができる。電話がつながると、保護者の声で呼びかけたり、逆に子供側からの環境音で子供が何をしているか推察できたりすることで、保護者の安心につながるという。

親のスマートフォンに専用アプリ「ココツナ」をダウンロードしておく
「ココツナ」で子供の見守り機能などを設定できる
「操作SMS送信」から、遠隔でキッズケータイの設定を変えられる
「着信自動応答」をオンに設定(画面は製品版と異なる)
キッズケータイへ発信
キッズケータイでは、通常通り着信されるが、一定時間たつと自動でスピーカーオンで電話がつながる
アラームを鳴動させることもできる
電話を自動応答させる時間は、キッズケータイから保護者向けメニューで設定できる
自動応答させる相手も設定できる。たとえば、保護者など緊急連絡先のみ応答に設定しておけば、ほかからの着信時に自動応答されない

 このほか、キッズケータイのアラームを鳴らしたり、マナーモードを解除したりできる。先述の着信自動応答設定は、設定をオンにもオフにもできる。

機能を限定してトラブルを未然に防止

 近年SNSを通じたトラブルや犯罪行為が増加傾向にある。たとえば、巧みな言葉で誘い出し犯罪被害に遭ってしまったり、下着姿など露出の多い写真を要求されたり(自画撮り被害)する行為が増加している。

 キッズケータイでは、そうしたトラブルを未然に防止するため、利用できる機能を制限している。利用できる機能は、電話による通話機能と+メッセージ、GPS機能、Bluetoothなどで、WebブラウザやSNSアプリなどは搭載しておらず、ダウンロードもできない。

 電話や+メッセージの相手は、特定の相手と通話/送受信できないように設定することもできる。年齢に合わせて保護者の目が行き届く範囲でコミュニケーションが取れるようにしている。

カメラを搭載した理由

キッズケータイ初のカメラを搭載

 一方、キッズケータイでははじめて約500万画素のカメラを背面とディズプレイ面に搭載した。

 自画撮り被害などを防ぐためには、カメラはないほうがいいのではないか? 筆者の素朴な疑問に、京セラ担当者は「子供が端末を持ち歩く動機付けになる」などその目的を説明した。

 まず、カメラを搭載することで、子供がその一日どうやって過ごしたか、家族と写真で共有できるようになる。家族とのコミュニケーションを増やすきっかけ作りに役立つという。写真は、+メッセージやBluetoothで送受信できるが、接続できる相手(端末)は、保護者や連絡先に登録した相手に限定できるので、子供の成長に合わせて親が柔軟にコントロールできる。

 また、これまで「親と連絡を取る」ことや「親に現在地を知らせる」など、親目線で子供に“持たせる”という動機ばかりで、子供が自発的に端末を持つ機能が少なかった。たとえば、学校へは普段からキッズケータイを持って行っているが、家に帰って荷物を置いてそのまま遊びに出かけてしまうと、キッズケータイは家におかれたままになってしまう。

 カメラ機能の搭載で、子供が遊びに行く際に「撮影する」ことができるようになり、子供が自発的にキッズケータイを“持って行きたくなる”ことにつながるという。

カメラアプリ
セルフタイマーも備える
背面のフラッシュライトは撮影時も使える
動画撮影機能も搭載

子供の帰宅や見守りをサポートする機能も

子供の帰宅を通知

 保護者の目が届かない場所でも、子供を見守る機能が備わっている。

 子供が普段帰宅する時間帯を設定しておくと、家のWi-Fiを検索し、一定の時間家にいることがわかると保護者に通知する機能や、帰宅を検知した際に子供に手洗いを促す機能を搭載している。

 また、塾や学校など場所を一定の範囲をあらかじめ設定しておくことで、その範囲の出入りを親のスマートフォンに通知する機能が備えられている。

ただの「防犯ブザー」だけではない

 キッズケータイには欠かせない「防犯ブザー」機能。子供が危険を感じたときに、端末上部のストラップ紐を引っ張ると防犯ブザーが発報する。

 防犯ブザーが発報すると、約100dBの大音量と背面のフラッシュライトで周りに異常を知らせる。加えて、あらかじめ設定した最大3件の緊急連絡先に自動で発信する。リストの一番上から順番に発信され、何らかの事情で1人目、2人目がつながらない場合順番に2人目、3人目に自動で発信される。

 また、1人目、2人目につながった場合も、3人目まですべての連絡先に自動で発信される。キッズケータイ側で、この自動発信をキャンセルするには保護者が登録したパスコードが必要になる。犯罪行為に巻き込まれた際に、加害者で自動発信(SOS)をキャンセルされないようにするためのもの。

防犯ブザー発報時は、背面のフラッシュライトが点滅する
防犯ブザー発報時は、緊急連絡先に上から順に自動発信される

 取材中も、デモのために防犯ブザーを発報させてみたが、緊急連絡先に登録しているスマートフォン向けに、何度も発信があった。この“しつこいくらい”に通知する機能が、常に“安全側に倒す”設計はキッズケータイならではだろう。

+メッセージを活用した機能や簡易電源オフ機能

 今回のキッズケータイには、+メッセージを活用した機能がほかにもある。

 キッズケータイの状態を、保護者のスマートフォンにSNSで通知を出す機能がある。たとえば、「電源がオフになった」タイミングで通知を出したり、「電池残量が少ない」状態を知らせたりできる。

電源オフや電池残量の状況を通知
キッズケータイの状況を確認できる設定も

 また、「電源オフ」について、このキッズケータイには「完全電源オフ」と「簡易電源オフ」の2種類が用意されている。

2つの電源オフモード

 「完全電源オフ」は、通常のスマートフォンで電源をオフにするのと同様で、端末を再起動するまで基本的な機能が利用できなくなる。「完全電源オフ」は、保護者が決めたパスコードを入力しないと電源オフにできない。

 一方「簡易電源オフ」は、電源ボタンの長押しで電源を切ることができる。ディスプレイの表示が消えて操作できない状態だが、GPSと通信はバックグラウンドで実施している状態で、保護者はこの状態でも位置情報を確認できる。防犯ブザー機能もストラップ紐を引けばすぐに発報できる。

 「完全電源オフ」は、飛行機に搭乗する際など電波を発することが禁止されている場面でのみ行い、それ以外のシーンで「簡易電源オフ」を活用することで、図書館や学校など必要な場合に通知や着信がないようにできる。

子供もわくわくする「取説」とSDGs配慮のパッケージ

製品パッケージ

 パッケージは、外箱やトレイを含めて紙を使用している。端末を保護する袋も紙を利用していて、プラスチック使用量削減への取り組みが見られる。

 パッケージには、説明書を2冊用意している。1つは、おなじみの注意事項などが書かれた“大人向け”の説明書。もう一つは、イラストを中心に、実際の使用方法などが書かれた“子供向け”の説明書が同封されている。自分用の携帯電話に自分用の説明書がついてくるので、子供が楽しく常に持ち歩けるよう愛着を持たせることができるだろう。

大人向け(上)と子供向け(下)の取扱説明書。同じことを書いているページでも、デザインが工夫されている

 外箱も、キッズケータイ本体のシルエットをなぞったものがデザインされており、開封前からわくわくさせる仕掛けがされている。

本体カラーにあわせた外箱

防水防塵機能、ハンドソープ洗いなどにも対応

 耐久性については、「MIL-STD-810H」に準拠し高い耐久性をもつほか、ディスプレイはアクリルで万が一割れた際の安全性が考慮されている。

 防水防塵性能は、IPX5/8とIP6Xをサポート。本体は、泡タイプのハンドソープやボディーソープでの洗浄、アルコール除菌シートなどを使用して清潔にすることもできる。

 感染症による外出制限が緩和され、子供たちも外で遊ぶ機会がますます増えることが想定される。子供の安全と保護者の安心、そしてつながれる機能を備えた「キッズケータイ KY-41C」、ドコモから提供されている。

ラベンダー
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