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パスワードの次は「パスキー」が個人情報を守る、FIDOアライアンスの説明会
2022年12月9日 15:29
FIDO(ファイド)アライアンスは9日、報道陣向けに説明会を開催し、フィッシング耐性のある「マルチデバイス対応FIDO認証資格情報」を「パスキー(Passkeys)」として展開するための取り組みについて説明した。
説明会には、FIDOアライアンス エグゼクティブディレクター兼最高マーケティング責任者のアンドリュー・シキア(Andrew Shikiar)氏が登壇。
また、NTTドコモのチーフ セキュリティ アーキテクトであり、FIDOアライアンスで執行評議会・ボードメンバー・FIDO Japan WG 座長を務める森山光一氏が、フィッシング詐欺に対するドコモの取り組みなどを紹介した。
FIDOアライアンスについて
日本での説明会に登壇するのが2019年12月以来となるシキア氏は、冒頭でFIDOアライアンスについて説明した。
「高速なオンラインID認証」を意味するFIDO(Fast IDentity Online)アライアンスは、2012年7月に設立されたグローバルな非営利団体。「FIDO認証」を標準化することで、オンラインサービス利用時におけるセキュリティと利便性の両立を目指している。
人々がパスワードに依存している状況を打破すべく、“シンプルかつ堅牢な認証”の拡大を図るFIDOアライアンス。アップル(Apple)やグーグル(Google)などのグローバル企業をはじめとして、ボードメンバーの数は250以上にのぼる。
「パスキー」の拡大に向けて
シキア氏が「2022年の大きな成果」と語るのが「パスキー」だ。「パスキー」では、ユーザーの秘密鍵(プライベートキー)をクラウド上で同期することで、複数の端末からWebサイトやアプリへのログインが、これまでより容易かつ安全になる。
FIDOアライアンスが発表した「パスキー」のコンセプトについて、5月、アップルやグーグルなどがサポートを表明。iOSとAndroidで、新機能として提供が始まっている(Androidはベータ版)。
また、日本国内ではドコモも、2023年2月から「パスキー」に対応する意向を表明している。
シキア氏は「『パスキー』は、パスワードレスでのサインインを代表するような単語。これまで消費者向けの単語がなかったが、今後はこの単語とともに、“パスワードのない世界”の実現に向けた取り組みを進めていきたい」と語った。