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最新の「周波数再編アクションプラン」案、スマホと衛星の通信システムなど

 総務省の総合通信基盤局電波部電波政策課は、2022年度版の「周波数再編アクションプラン」の案を公開し、同案に対するパブリックコメントを受付する。意見の提出期間は、9月2日~10月3日まで。

 アクションプランの策定は毎年行われている。2022年度版の重点的な取り組みとして、5Gなどの普及に向け、2.6GHz帯、4.9GHz帯、26GHz帯、40GHz帯などにおいて、ダイナミック周波数共用の活用を含めた移動通信システムへの追加割り当て、無線LANの更なる帯域拡張やナローバンドデバイスの利用に関する検討の推進、Beyond 5Gの推進などがあげられている。

重点的取組
  • 公共業務用周波数の有効利用の促進
  • V-Low帯域等、V-High帯域の利活用の推進
  • 5G等の普及に向けた対応
  • 無線LANの更なる周波数拡張等に向けた対応
  • V2Xの検討推進
  • 衛星通信システムの高度利用に向けた対応
  • その他の主な周波数再編、移行等の推進
  • Beyond 5Gの推進

 総務省では、2025年度末までの当面の目標として、特に帯域を必要とする5GやBeyond 5Gなどの携帯電話システム、衛星通信・HAPSシステム、IoT・無線LANシステム、次世代モビリティシステムの4つのシステムについて、2020年度末を起点として、全体として約16GHz幅の帯域確保を目指している。

 現時点での進捗は、全体として3.04GHz幅を追加を確保している。その内訳は、携帯電話網に+40MHz幅、衛星通信に+2.5GHz幅、無線LANに0.5GHz。

衛星通信システムの検討

 重点的に取り組みする内容の一つに「衛星通信システムの高度利用に向けた対応」が含まれている。

 具体的には、1.7GHz帯および1.8GHz帯を使った携帯電話向けの非静止衛星通信システムについて、無線通信規則や国際的な調和などの観点に留意しながら、周波数共用を含めた技術的条件や免許手続きについて必要な検討を行う。同システムは、2024年以降の実現が期待されている。

 WRC-19(国際無線通信会議)の結果、静止衛星を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システム(ESIM)の利用帯域が拡張された。総務省では、拡張帯域に向けた技術的条件の検討に向け、既存の無線システムなどとの周波数共用に関する技術試験を実施済み。2022年度末までに試験の結論を得ることを目指す。