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ソフトバンクと神奈川県、県警が「特殊詐欺被害防止」に向けて協定を締結

ソフトバンクのサービスで詐欺被害を防ぐ取り組み

締結式のようす。左から神奈川県くらし安全防災局長の佐川 範久氏、ソフトバンクCSR本部長の池田昌人氏、ソフトバンクのロボット「Pepper」、神奈川県警察本部生活安全部長の則次 誠二郎氏

 ソフトバンクは、特殊詐欺など各種犯罪を未然に防止するための「地域安全に関する協定」を、神奈川県および神奈川県警察と締結した。

 今回の協定締結によりソフトバンクは、神奈川県内のソフトバンクショップやワイモバイルショップで、ユーザーに特殊詐欺の事例や迷惑電話への対策を説明する「迷惑電話防止対策教室」を開設し、ユーザーへ注意喚起を行う。

 また、特殊詐欺への注意を促すチラシを神奈川県警察と共同で作成し、ショップなどで配布する。

配布されるチラシ
ソフトバンクのサービスで迷惑電話の可能性を通知し、特殊詐欺被害の防止を図る
特殊詐欺についての情報も掲載

 対策教室やチラシには、ソフトバンクのサービスを利用した迷惑電話対策を紹介する。ソフトバンクの固定電話サービス「おうちのでんわ」とワイモバイルの「かんたんスマホ2+」の迷惑電話対策機能を組み合わせ、自宅にかかってきた迷惑電話を判別して特殊詐欺を防止するという。

 具体的には、固定電話(おうちのでんわ)にかかってきた電話を、「かんたんスマホ2+」に転送するように設定しておく。すると、「かんたんスマホ2+」では、かかってきた電話番号について「迷惑電話の可能性がある番号」や「海外発信の可能性がある番号」の場合に警告を表示する。また、うっかりユーザーが電話に出てしまった場合には、「電話を録音する」ガイダンスを自動で流し、通話を録音することで、特殊詐欺の被害防止を図る。

ソフトバンク/神奈川県/神奈川県警のねらい

 神奈川県警察本部(神奈川県横浜市)で開かれた締結式には、ソフトバンクCSR本部長の池田昌人氏と神奈川県くらし安全防災局長の佐川 範久氏、神奈川県警察本部生活安全部長の則次 誠二郎氏が登壇し、協定締結の理由を説明した。

左から、ソフトバンクCSR本部長の池田昌人氏、神奈川県くらし安全防災局長の佐川 範久氏、神奈川県警察本部生活安全部長の則次 誠二郎氏

ソフトバンク池田氏「情報を安心安全に使ってもらいたい」

ソフトバンクCSR本部長の池田昌人氏

 ソフトバンク 池田氏は、ソフトバンクの経営理念「情報革命で人々を幸せに」やSDGsの推進を企業全体で進めていることを踏まえ、「情報をつないで感動を届けたい」という思いがあると説明。

 情報を「安心安全」につないで利用してもらいたいという思いから、今回の締結に至ったとした。

 池田氏は、「自分だけは引っかからない、大丈夫という安心とは裏腹に、詐欺に引っかかってしまうことを、(教室やチラシで紹介するソフトバンクのサービスで)機械的にサービス的に防止し、新しいコミュニケーションの接点を持っていただきたい」とし、県内のショップや量販店で、楽しく安全なスマートフォンの生活を届けられるようにしていくと意気込みを語った。

神奈川県佐川氏「特殊詐欺が増加傾向にある」

神奈川県くらし安全防災局長の佐川 範久氏

 また、神奈川県の佐川氏は、県内の刑法犯認知件数について「最悪だった平成14年(2002年)と比べて1/5以下になっており、改善の傾向が見られると思う」と説明。

 一方で、高齢者が狙われる特殊詐欺については増加傾向にあるという。特殊詐欺について、周知がかなり広がっているにもかかわらず、被害が増加傾向にある理由として、佐川氏は「犯人と被害者が電話で話をしてしまうこと」だと言われているとコメント。

 神奈川県では、期間限定で迷惑電話防止機能をもつ機器の購入補助や啓発活動に力を入れているとし、今回迷惑電話防止に役立つ機器やサービスを提供しているソフトバンクと協定を締結したという。

 佐川氏は、今回の協定を機にソフトバンクと警察、県が連携し特殊詐欺対策の強化をしていきたいとした。

神奈川県警則次氏「特殊詐欺は、親心を狙った卑劣な犯罪」

神奈川県警察本部生活安全部長の則次 誠二郎氏

 神奈川県警の則次氏は、「特殊詐欺という犯罪は、電話がなければ成立しない」とコメント。

 これまでも迷惑電話防止機能や留守番電話機能がついた機器を犯罪防止に活用してきたが、「高齢者の方はどうしても電話に出てしまう」ことが多く、「言葉巧みに誘導されてひっかかってしまう。『絶対に引っかかるわけない』と思っていてもひっかかってしまう」(則次氏)と、特殊詐欺被害防止の難しさを説明した。

 特殊詐欺について則次氏は「家族を大事にしてあげたいという、親心を狙った卑劣な犯罪」と断言。ソフトバンクの迷惑電話防止のための機器やサービスについて、「この機能があれば、特殊詐欺の犯罪がなくなると確信している」とし、「官民一体となって特殊詐欺を1件でも減らしていきたい」と協定締結への期待をコメントした。

協定締結のようす

 また、ソフトバンクは、今回の取り組みに関連し、神奈川県警察に対策支援物品(除菌スプレー)を寄贈した。

対策支援物品贈呈のようす。左から、ソフトバンクCSR本部長の池田昌人氏と神奈川県警察本部生活安全部長の則次 誠二郎氏