ニュース

KDDI、ケーブルプラス電話向けに後付け機器・電話機交換不要の「迷惑電話自動ブロック」

 KDDIとトビラシステムズは、専用機器など不要で迷惑電話を自動ブロックする「迷惑電話自動ブロック」を2022年2月16日から提供する。利用料金は月額330円。

左=トビラシステムズ 片岡氏 右=KDDI 西沢氏

より手軽な導入を実現

 同サービスは、KDDIがケーブルテレビ各社との提携で提供しているケーブルプラス電話のオプションとして提供されるもの。専用機器を用いない同種のサービスとしては国内初という。

 トビラシステムズのデータベースを用いて、特殊詐欺などの迷惑電話の着信を自動的にブロックする。ネットワークを介して照合、迷惑電話かどうかを判断するため、従来のサービスのように電話機自体の交換や後付けの機器の設置などが不要で、高齢者などでも利用のハードルが低い。

 遮断した電話の着信履歴は「My au」から確認できる。申込みは、ケーブルプラス電話を提携するケーブルテレビ各社で受け付ける。

 KDDI パーソナル企画統括本部 CATV営業企画部 営業企画グループ マネージャーの西沢雅也氏によると、モバイル向けの迷惑電話対策アプリの利用者数は1年半で3.5倍に拡大する一方、固定電話向けの同種の対策サービスは、同じ期間で25%程度の拡大と伸び悩んだ。

 従来の迷惑電話対策サービスは、ブロックする電話番号をユーザーが指定したり、電話機の交換・機器の設置などが必要だったりと特殊詐欺のターゲットになりやすい高齢者にはハードルが高かった。

 一方、迷惑電話自動ブロックは、ネットワークを介して着信をブロックするもので、ユーザー側で新たに電話機の購入や機器の設置などの操作は不要。また「迷惑電話光ってお知らせ」では必須だった、発信番号表示の契約も必要なく、より手軽なものにすることで、誰でも導入しやすくする。

3カ月無料キャンペーンやお得なオプションも用意

 「迷惑電話自動ブロック3カ月無料キャンペーン」として、2022年2月28日までの期間に同オプションを申し込むと利用開始月から最大で3カ月間、無料で利用できる。

 さらに、今回発表の迷惑電話自動ブロックのほか、5種のオプションをまとめて利用できる「オプションお得パック」も合わせて提供される。

 対象のオプションは、迷惑電話自動ブロック、発信番号表示、番号通知リクエスト、割り込み通話、割り込み番号表示。

 同オプションを申し込むと、月額759円で5種のオプションをすべて利用できる。こちらもケーブルテレビ各社で申し込みを受け付ける。提供開始日は2022年2月16日。

オプションサービス月額料金オプションお得パック適用後
迷惑電話自動ブロック330円
合計: 1430円


オプションお得パック: 759円
発信番号表示440円
番号通知リクエスト220円
割込通話330円
割込番号表示110円

詐欺件数高止まり、水面下ではさらなる被害の可能性も

 トビラシステムズ 執行役員 営業企画部長の片岡和也氏は、オレオレ詐欺や還付金詐欺といった特殊詐欺の現状について説明。

 同氏によれば、2020年の認知件数は1万3550件、被害額は285億円。2014年のピーク時(565億円)に比べれば、被害額は下落してきた傾向にあるが、認知件数は依然として高止まりで、水面下での事件も含めると、その被害は未だ蔓延状態と分析する。

 犯罪グループの手口も巧妙化しており、最近の傾向としては新型コロナウイルスの給付金やワクチンの優先接種などをかたり、現金などを詐取するものがあるという。同社のサービスでブロック・警告されている迷惑電話は年間1800万件に及んでおり、固定電話では5件に1件が迷惑電話で、ひとりになる時間が多い高齢者などが狙われやすい。

 その上で、片岡氏は「詐欺につながる電話を着信しないことが大事」と語る。

 トビラシステムズでは、警察や自治体、利用者からの情報提供や自社独自に収集した情報から迷惑電話のデータベースを構築。これと照らし合わせることで、詐欺電話の着信を未然に防ぐシステムを提供している。

 KDDIとは、ホームゲートウェイのオプション「迷惑電話 発着信ブロック」やAndroid/iOS向け「迷惑メッセージ・電話ブロック」などの提供で連携してきた。今回の迷惑電話自動ブロックもそうした連携のひとつ。同社では詐欺や犯罪ではないものの悪質なセールスなど独自にグレーゾーン犯罪と位置づけるものの被害を0とすべく、KDDIの連携を通じて目指していくとした。