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通信障害時の他社のローミングは可能? ネットワーク設備を手掛けるノキアに聞いた

 KDDIによる通信障害でも一部で話題となった、他社の回線にローミングすることで障害を回避しようという試みは現実的なのだろうか。

現在、国内のスマートフォンにある「ローミング」メニューは海外滞在時に現地の通信サービスを利用するための項目だ

 ノキアの担当者によれば技術的には可能という。しかし、無線アクセス装置側が共有できてもコアネットワーク側の共有は、現状でなされておらず、すぐには難しいのではないかという。

 一部地域でKDDI回線を「パートナーエリア」として展開する楽天モバイルとKDDIのような関係性が事前に構築されていれば実現の可能性はあるとしつつも、その調整作業でなんらかの不具合が発生してしまうと、前出の障害のように長時間に渡って携帯電話サービスが利用できなくなる可能性もあり、慎重な作業が求められる。

 設備を共用した際に誰が管理するのか、不具合発生時は誰の責任になるのかといった問題も考えられる。ノキアによると「KDDIと楽天モバイルのような関係性が全キャリアで組めるのであれば、可能性としてはゼロではないだろう」という。

 障害発生時の他社ローミングをめぐっては、金子恭之総務大臣が記者会見の中で、設備改修や運用ルール策定など課題はあるという認識を示しつつも実現について検討したいと言及する場面もあった。