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Googleの“モバイルエコシステム”に関する考え方とは? 政府が考える規制への反論か

 グーグル(Google)は、公式ブログにおいて、モバイルエコシステムに関する同社の考えを紹介している。

 4月には、内閣官房デジタル市場競争会議で「モバイル・エコシステムに関する競争評価」の中間報告書がとりまとめられていた。今回のGoogleによるブログエントリーは、政府が進める規制に関する議論に対し、反論するような内容となっている。

Googleが掲げる基本原則

 モバイルエコシステムの運営方法や、プラットフォームが開発者やユーザーに価値を提供するうえで政策が果たす役割については、多くの議論が重ねられてきた。

 Googleはこれらの議論の内容を注視しており、そのうえで、「エコシステム全体のイノベーションの促進」「セキュリティの担保」「ユーザー体験の向上」といった基本原則が重要であるとしている。

 また、同社は、モバイルエコシステムに関する原則として、「OSが複数のアプリストアに対応すること」「乗り換えが容易なこと」「プライバシーの保護」などの考えを紹介している。

モバイルエコシステムに関するGoogleの考え(公式ブログより)
  • ユーザーが、どこからでもアプリやゲームをダウンロードできるようにすること。OSは、複数のアプリストアに対応し、ユーザーが開発者から直接アプリやゲームを入手できるようにすべき。
  • データ・ポータビリティを促進し、ユーザーが容易に、異なる企業のサービスへ乗り換えられること。
  • 主要なOSはユーザーのプライバシー保護機能をあらかじめ組み込み、アプリストアやブラウザ、開発者に高い安全基準を満たすことを義務付け、引き続きユーザーが安心・安全に使えるようにすること。
  • 開発者に関する非公開データを、競合する製品やサービスの開発のために使用しないこと。
  • ユーザーや開発者そして業界団体と今後の方針について率直に議論し、予測可能な方法でその方針を実行すること。また、彼らと協力して問題に対処し、問題が発生したときには明確な異議申し立て方法や是正方法を提供すること。
  • ユーザーのプライバシーを保護する合理的な措置を施したうえで、開発者がユーザーと直接的な関係を築くことができるようにすること。

Androidの成長

 Googleは長年にわたって、無料かつオープンソースのOS「Android」に代表されるモバイルエコシステムの発展に対し、多くの投資をしてきた。

 同社によれば、Androidは世界における何万機種ものスマートフォンに採用されている。また、200万人以上の開発者が「Google Play」を利用し、190カ国25億人以上のユーザーにアプリを提供している。

 Googleは、同社がAndroidを提供し始めたころの“モバイル黎明期”に関する状況も紹介。当時、プラットフォームを支えるビジネスモデルには、OSのライセンス料を徴収するものや、利益率の高いハードウェアを販売するものなど、さまざまな選択肢があったという。

 一方で同社は、「OSとアプリストアに最小限の制限をかけて無料提供する」というアプローチをとった。

 Googleは、「モバイルエコシステムは、プラットフォーム事業者と開発者双方が経済的に成功できるビジネスモデルであるべき」としている。

手数料について

 AndroidとGoogle Playは、アプリ内でデジタルコンテンツを販売する開発者が支払う手数料によって成立している。

 Googleによれば、全世界の開発者の97%は、デジタルコンテンツを販売していないため、サービス料の支払い対象ではないという。

 同社は、「デジタルコンテンツを販売する開発者全員に一律的なルールを適用するのは現実的ではない」との考えに基づき、開発者のフィードバックに耳を傾けつつ、料金体系を進化させてきた。

 2021年には、年間の収益が一定額以下の開発者を対象に、サービス手数料の料率を15%に引き下げた。

今後の展望

 Googleは今後の目標として、「ユーザーをエンパワーし、選択の機会が確保され、そして関係するすべての人の成功をサポートする活気ある開かれたプラットフォームを構築する」というビジョンを掲げる。

 そのうえで、ユーザーや開発者との関係性を保ちつつ、存続可能なビジネスモデルとしてモバイルプラットフォームを構築していく、とした。