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総務省とNTTの接待問題で最終報告、「会食による影響は確認できず」

 総務省は、NTTによるNTTドコモの完全子会社化などに関する総務省の対応について、NTTの接待によって行政としての対応が歪めらた懸念について、その真相究明を目的に設置した情報通信行政検証委員会による検証結果の取りまとめを終え、報告書を公開した。

総務省、接待問題に対する最終報告

 報告書は、東北新社グループ関係とNTTグループ関係によるものにわけられ、2017年10月に東北新社から東北新社メディアサービスへの事業継承に対する総務省の認可は、外資規制への違反を認識しながら4K放送認定を取り消さず、承認による違反状態解消を追認した可能性が高く、4K放送の普及推進に影響しないよう、認定を取り消さないことが適当であると自己正当化した可能性があり、会食の有無にかかわらず、行政を歪めた可能性があると指摘している。

 NTTグループ関係の対応については、NTTドコモの携帯電話料金の低廉化についての総務省の対応(2016年〜)、中間持株会社(NTT株式会社)の設立の際の総務省の対応(2018年11月)、NTTドコモの完全子会社化の際の総務省の対応(2020年12月)について、いずれも総務省の対応に不自然な点は見当たらず、会食の影響が確認できないとしている。

最終報告よりNTTグループ関係の報告を抜粋

 一方で、総務省職員はNTTとの懇談が政策立案上有意義であると参加を正当化し、少人数の参加が倫理法違反を助長したと指摘、単なる法令の知識や遵守意識の欠如で片付けてはならないと、NTTグループと総務省職員による会食について厳しく評価している。

 報告書では、情報通信行政の信頼回復に向けて、5つの指針を示した。指針の概要は、職員自らの説明責任の自覚、重要な政策決定などの組織としての適切な記録と透明化、組織のミッションの明確化と風通しのよい組織風土作り、マネジメント体制の構築と仕事の属人化の排除、前例踏襲意識の打破で、これらの指針をスケジュールを定めて実行したうえ、その状況を外部の目を活用して評価し、結果を国民に丁寧に示すべきとしている。