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NTT、総務省接待問題で報告書、澤田社長ら減俸処分

 NTTは、総務省幹部などとの接待問題で同社 代表取締役社長の澤田純氏など3人を報酬減額処分としたと発表した。

NTT 澤田氏。5月の決算説明会より

NTT 澤田氏など報酬4割カット

 報酬減額処分となったのは、NTT 代表取締役社長 社長執行役員の澤田純氏、同 代表取締役副社長 副社長執行役員の島田明氏、同 執行役員 総務部門長の北村亮太氏の3人。7月からの3カ月間、報酬減額4割となる。

 またNTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏、同 副社長執行役員の田村穂積氏、同 取締役常務執行役員の藤原道郎氏も厳重注意となった。

問題の会食は29件、「非難免れない」

 同社では、週刊誌による報道でNTT経営陣と総務省幹部などが会食を行っていたことが報じられたことを受けて、同社では特別調査委員会を設置し調査を実施した。

 同委員会の報告によれば、費用が等分に負担されていなかった会食は調査対象期間内(2016年4月1日~2021年3月16日)で29件あったことが発覚。一方で、総務省幹部による便宜供与やNTTグループからその依頼、またNTT持株によるドコモの子会社化、携帯電話料金の値下げなどの行政判断がゆがめられたといった事実は確認されなかったとしている。

 ただし、総務省幹部が参加する会食は、結果として国家公務員倫理法に違反するものであり、NTTグループ経営陣はそれを誘発および助長した点で非難を免れることはできないともしており、総務省政務三役が参加するものは国民の疑惑を招きかねないとも指摘した。

 報告書は、今回の事態を招いた原因として、NTT経営陣の国家公務員倫理法や大臣規範に関する知識や感度が不足していたことがあると分析。同法や大臣規範に沿った会食実施のルールを社内で定めていなかったことや法務研修の不実施などが背景にあると指摘した上で、経営陣発案による会食に対しての牽制機能が不十分であったとした。

社内規定を策定、会話内容・趣旨のチェックなど提言

 再発防止策として、国家公務員倫理法や大臣規範遵守のための社内規定を制定するとともに既存の社内規定の趣旨を明確化するとともに同法や大臣規範に関する研修の実施などが報告書で提言された。

 さらに経営陣が発案した会食について新たに策定するルールに基づいて適切に実施されているかの確認や政治家・公務員との会食時には適切な機関による事前チェックを実施。これに加えて特定の政治家や国家公務員との会食件数・集中度などを確認し会話内容や会食の趣旨目的も事後チェックするべきであるとした。