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心電図機能が承認された「Apple Watch」、販売方法は? 厚生労働省に聞く

 9月4日、心電図機能が医療機器として承認された「Apple Watch」。医療機器となれば、販売の形に何か影響は出ないのか。

 セルラーモデルを扱う携帯3社では、ドコモは「未定」、auとソフトバンクは「変更の予定はない」という。

厚生労働省「前例がなかった」

 厚生労働省の審査管理課に聞いたところ、Apple Watchの販売にあたり、アップルからの届出があれば、アップルストアや量販店からの届け出は必要ない制度になっていることがわかった。

 今回の承認は、「家庭用心電計プログラム」「家庭用心拍数モニタプログラム」となっているが、これは「時計のほうではなく、プログラム(アプリ)」と厚労省の担当者。承認するにあたり、前例がなかったため新設された。

 担当者によればApple Watchの心電図機能は、家庭用の医療機器として本来であればクラス IIと呼ばれる分類に当てはまるのだという。クラス IIであれば、本来、販売店には、営業所管理者と呼ばれる資格を持つスタッフを配置する必要がある。

 しかし7月20日の告示で、「家庭用心電計プログラム」「家庭用心拍数モニタプログラム」というジャンル(一般的名称)が新たに用意され、この新ジャンルに該当する場合、営業所管理者は不要と整理された。家庭用の心電計ということで、医師の指導のもとで用いるものとは違い、健康な人向けの製品のためだという。したがって、今後もApple Watchの販売に大きな変化はないということになった。これは最初から心電図機能のアプリをインストールしておく、あるいは後から追加する、どちらでも同じ。

 Apple Watchの心電計測では、不整脈を検知すると知らせるといった機能が海外では活用されている。通知があれば医療機関へ相談することが増える可能性があり、そうした情報の整理なども含め、「承認されたものの、まだ準備期間」と考えられる。そう遠くない将来、Apple Watchが新たな役割を果たす時代が来ることを期待して待ちたい。

Apple Watch Series 5