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「iOS 27」の新機能「Siri AI」、デジタル市場法の影響でEU圏内では利用不可に

 アップル(Apple)は日本時間9日、EU圏内で新しいSiri「Siri AI」の提供を延期すると発表した。EUのデジタル市場法(DMA)が影響したとしている。

 EU圏内のユーザーは、macOS 27、visionOS 27、watchOS 27で「Siri AI」が利用できるようになる一方、DMAの規制を受けるiPhone向けの「iOS 27」とiPad向けの「iPadOS 27」では、「Siri AI」を利用できない。また、EUに拠点を置く開発者も、新しいSiri AI機能を使用したアプリの開発において、テスト段階から同機能を使用できない。

規制当局は「あらゆる権限を付与せよ」と主張

 「Siri AI」は、今秋提供が開始される「iOS 27」と「iPadOS 27」に導入されるAI機能。同社の音声アシスタント「Siri」に生成AI「Apple Intelligence」が取り入れられた機能で、これまで同様「Hey Siri」と言うだけで起動できる。画面内の情報について質問したり、返信するメッセージの下書きや校正をしてもらったりできる。

 同社は、「Siri AI」の提供にあたり、数カ月間にわたりEUの規制当局と協議してきたものの、同社の提案が受け入れられることはなかったとしている。

 規制当局は、「Siri AIが利用できるのであれば、あらゆるバーチャルアシスタントに対し、ユーザーの個人データへのアクセス権やアプリを直接制御できる権限を付与しなければならない」というDMAの解釈を持っているという。

 EUからは、あらゆるAIシステムに、「ユーザーのデバイスへのほぼ無制限のアクセス権限を付与すること」や「ユーザーの継続的な監視や制御なしで、アクセスに基づいて自律的に動作できること」が求められているという。アップルによると、これにはメッセージの閲覧や送信、ファイルへのアクセスやあらゆるアプリの操作権限が含まれているといい、AIシステムにより、パスワードや写真などの個人データが盗まれたり、ユーザーの同意なしでファイルやアカウントの権限が恒久的に変更されたりする可能性があると指摘する。

代替案を提案も「EUは拒否」

 アップルは、Siri AIについてプライバシーを重視して設計しているといい、デバイス内処理と「Private Cloud Compute」を活用してプラットフォーム全体に統合されたシステムを採用している。これにより、プライバシーとセキュリティの保護範囲はクラウドにまで拡大され、ユーザーの個人情報を強力に保護している。同社は、規制当局との協議の中で、バーチャルアシスタントが「Siri AI」と同様の機能を持つことができるよう、デバイスとアシスタントを仲介するソリューション「Trusted System Agent」を考案し、順次導入する計画を提示したものの、EUからの承認は得られなかったと説明する。

 同社では、EU圏内における「Siri AI」提供にあたり、引き続き取り組んでいくとしているが、「EUがユーザーに対する危険性やリスクを認識していない」現状を踏まえ、現時点でEU圏内におけるiOSやiPadOSにおけるSiri AIの提供時期は“未定”としている。