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“カメラ対決”の夏モデル、Galaxyは「感じたまま」に撮れる性能と活用がポイント
2018年5月21日 13:59
2018年の夏モデルのスマートフォンが各社から発表され、さまざまな特徴を備えた高性能なカメラ機能に注目が集まっている。サムスン電子は、「Galaxy S9」「Galaxy S9+」の2機種で展開するGalaxy S9シリーズ共通のカメラ機能において、3つの特徴を打ち出している。
韓国・サムスン電子 無線事業部 主席開発員でカメラ開発を担当した李石根(リ・ソククン)氏によれば、Galaxy S9シリーズのカメラは、スーパースローモーション、スーパーローライト、AR絵文字の3点にフォーカスして開発したという。
スーパースローモーション
スーパースローモーション撮影は、HD解像度で960fps(1秒間に960コマ)というスローモーション撮影が可能な機能。フレーム間のコマを生成してコマ数を高めたのではなく、実際に960fpsで撮影されているとのことで、これらは、イメージセンサーにDRAMを搭載した3層積層センサーを採用することで可能になったという。
また動画撮影中に、ファインダー画面の中に設けられたフレームの中で被写体の動きを検出すると、自動的にスーパースローモーション撮影を行う機能を搭載しており、素早くフレームに入ってくる被写体の決定的瞬間も逃さないようにした。1回の動画撮影中に20回までスーパースローモーション撮影を適用でき、印象的な映像を作りやすくなっている。
さらに、動画は好きな場所を切り出せるほか、自動的にBGMが付き、短い動画として投稿・共有できるなど「SNS映え」もしっかりと意識されている。より軽い素材として投稿できるようGIFアニメーションにすることもでき、アニメーションのパターンも選択できる。スーパースローモーション撮影などで気に入ったシーンは、ロック画面の背景として設定することも可能だ。
このようにスーパースローモーション撮影は撮影のしやすさだけでなく、撮った後の活用を考えて機能が作り込まれているのが特徴になっている。
デュアルアパチャー
デュアルアパチャーはGalaxy S9シリーズに特有の機能で、明るさに応じてレンズの絞り(電磁絞り)をF1.5かF2.4のどちらかに自動的に切り替える機能。マニュアルで設定できるプロモードでは任意に選ぶこともでき、レンズ部分を見ると絞りが可変している様子を確認することもできる。
スマートフォンのカメラのレンズは、暗所撮影などを意識して明るいレンズが搭載される傾向にあるが、日中の屋外など十分に明るい環境では、綺麗な写真にするのが難しくなってしまう場合があったという。
またF値が低いレンズでは、ピントの奥行きが浅くなり、昼間に、手前の人物と背景を一緒に綺麗に撮影したというパンフォーカスが求められる場面でも、わずかに背景がボケてしまい解像感の落ちた写真のように見えるといったケースもあったとのこと。こうした場合でもF2.4が選択されればパンフォーカスとして撮影できる。
さらに、ローライト撮影(暗所撮影)では、デュアルアパチャーでF1.5の明るいレンズを使用しつつ、マルチフレームノイズリダクションとして、4枚の写真を高速にブラケティング撮影(設定値をずらしながら撮影)し、暗部ノイズを抑制した1枚の写真が合成される。これは、前述の超高速撮影が可能なカメラのセンサーにより実現できた機能という。
AR絵文字
AR絵文字は、インカメラで撮影した写真から表情も変わる3Dアバターを生成する機能で、SNS用のスタンプも作成できる。
グローバルで発表されてから、似ている、似ていない、と話題も起こったこの機能。李氏は、継続的にチューニングを続けつつ、似ていなくてもコミュニケーションが捗ることはあるかもしれない、とも。日本で販売されるにあたっても、日本人向けのチューニングなどは施されてないという。ちなみに、撮影時のコツは、顔の正面から撮影するのではなく、陰影が出やすいように、やや斜め上から撮影するのが良いそうだ。
サムスン電子ではGalaxy S9シリーズを「感じたままを伝えるカメラ」とアピールする。ただ、それのみならず、スロー撮影やAR絵文字など、利用シーンを想定して、撮影後の活用にもしっかりと踏み込みユーザーに機能を提案しているのが特徴になっている。