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2025年を「nubia元年に」、ZTEがタブレット含む新機種3モデルを発表
2025年1月15日 00:00
ZTEジャパンは「nubia」ブランドから、新型スマートフォン2機種「nubia Flip 2」「nubia S 5G」とタブレット「nubia Pad SE」を発表した。スマートフォンはワイモバイルから、タブレットは家電量販店などで順次、発売される。
ワイモバイルとタッグでシェア拡大狙う
発表の場には、ZTE SVP President Asia & CISの梅中華氏が登壇。nubiaのブランドが世界で拡大しつつあることを説明。主に若い世代に向けて、ドイツ、イタリア、スペインなどの市場に売り込んでおり、東南アジアや中東、南米などでも高い評価を受けたという。
nubiaは、日本では2024年に本格展開を開始したブランドだが、国外ではすでに10年以上の歴史を有する。ディスプレイ下に埋め込まれたインカメラや多くの3Dコンテンツの実現など、さまざまな技術基盤を多くの製品に展開しており、AIにも注力する。
ZTEジャパン 周涛代表は「AIが我々のビジョンのなかで大きな役割を果たす。『AI for ALL』は我々のスローガン」と話す。日本では、新製品「nubia Flip 2」のイメージキャラクターに俳優の山崎賢人を迎えるなど、積極的なコミュニケーションを展開する。これにより、nubiaの認知度を広める狙いだ。
ソフトバンクがそのパートナーとなる。今回発表された製品のうち、スマートフォン2機種についてはワイモバイルで発売される。ワイモバイルにおける販売価格2万2000円以下の機種では、ZTE製の「Libero 5G IV」がトップセールスを誇る。ソフトバンクLINE&Y!Mobile事業推進本部の有馬英介本部長は「最初は(販売に)苦労することもあったが、今ではワイモバイルの主力メーカー」とZTEへの評価を語る。
一方で、「Libero」というブランドとしての認知率には課題があったと話す。今後、ワイモバイルでの取り扱い端末も「nubia」ブランドに切り替えていくことでさらなる販売増を目指す。
有馬氏は、昨今のスマートフォン市場について価格の高騰や電気通信事業法で定められる端末値引きのガイドラインが改定されたことなどの影響を指摘。ワイモバイルでも、端末購入補助プログラムの「新トクするサポート(A)」を1月16日から導入するなど、端末を購入しやすい環境を整える。2024年に発売された「Libero Flip」や今回発表の新モデル「nubia Flip 2」も対象となる。
「nubia元年」にしたい、販売拡大を図るZTE
日本でnubiaブランドが立ち上がりもうすぐ1年。これまでの感触と今後の展開はどのように描いているのか? ZTEジャパン 黄凱華(コウ・ガイカ) 取締役副社長と同 商品企画本部 鄧鵬(ピーター・デン) 本部長に聞いた。聞き手はライター法林岳之氏と編集部北川。
――nubiaブランドが日本で立ち上がり、そろそろ1年です。これまでの感触を教えて下さい。
ピーター氏
当初は本当に認知度が低かったですが、最近になり徐々に上がってきました。今回の発表会でもう少し(知名度が)上がっていくのではないかなと期待しています。山崎賢人さんにも出演してもらいましたので今後、どういうふうになるのかが楽しみだと思っています。
黄氏
(nubiaは)世界では12年くらい歴史がありますが、日本では「Libero」として展開していて、なかなか投入できていませんでした。2025年はグローバルでもnubiaを拡大することも背景にあり、日本も重要な市場として展開しようということになりました。
正直なところ、SIMフリーマーケットでは浸透感はまだまだこれからで、規模としてはソフトバンク(ワイモバイル)のほうが大きいです。Liberoブランドを終息させ、nubiaに切り替えることをソフトバンクと話し合い今回、やっと本格的に(nubia)を展開できることになりました。
nubiaという「新鮮感」は期待できるのではないかなと思います。日本のマーケットでは、これまであまり知られていない新しいものだからこそ、興味を持ってもらえるのではないでしょうか。2025年は「nubia元年」と言えるくらい、nubiaが日本の皆さんに浸透することを期待しています。
――(法林)タブレットを用意されたのは意外でした。どのような戦略があるのでしょうか?
黄氏
スマートフォンやWi-Fiルーターなどを展開していますが、実は日本市場ではタブレットを1機種も発売していませんでした。タブレット市場も参入すべきだとずっと考えていましたが今回、量販店などに展開することになりました。
こういったオープンマーケットのモデルを販売して実績を積み上げ、通信事業者にも取り扱ってもらえれば、より大きなシェアを獲得できると考えています。一部、他社さんではタブレットのビジネスを縮小する動きもあるので、隙間を埋められる部分もあるかなと。
我々も中国の大手通信機器メーカーとしてとして、しっかり品質を備えています。日本というレベルが高い市場で、品質が良くコストパフォーマンスに優れた製品を投入し、シェアを一部でも獲得できれば我々のビジネスにもなるのではと期待しています。
――グローバルではよりハイエンドなモデルも登場しています。日本ではどんな製品展開を描いているのでしょうか?
ピーター氏
計画はありますが、まだ詳しいお話はできません。今後にご期待いただければと思います。
――折りたたみ型スマホは他社も注力しています。ZTE(nubia)としてどんな優位性がありますか?
ピーター氏
折りたたみスマホの購入に二の足を踏んでしまうポイントは「値段」「壊れやすいという先入観」に加えて、市場調査の声から「アウトディスプレイの機能の低さ」があるとわかりました。複雑な操作もできないからいらない、ということです。
nubiaでは、アウトディスプレイでもアプリを通常通り使うことができるようにしました。(値段や頑丈さ含めて)対応しておりますので、きっと購入いただける方は増えるのではないかなと思います。
――サポート体制についてどうなっているのでしょうか?
黄氏
技術的な観点でいうと、スレート型の端末よりも折りたたみ型が故障しやすい箇所があることは事実です。しかし、(折りたたみスマホの)耐久性については前モデルでも問題はありませんでした。一方で、万全の体制をとるということで、普通の端末よりも迅速に対応できるように、交換用の部品を修理拠点に用意してあります。
――本日はありがとうございました。