スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

チェキ難民の悩みを解決。1枚80円台で驚くほど高画質なフォトプリンターに大満足

 Liene(ライネン)の「Pearl N200 Pro」というポータブルフォトプリンターを買った。Liene直販サイトにて、専用フォトシール紙50枚(およびインクカートリッジ)付きで1万7982円(セール価格)だった。

Liene「Pearl N200 Pro」はポータブルサイズ・充電式(USB Type-C)の携帯向けフォトプリンター。サイズは144.4×87.5×29.4mmで重さは340g。2×3インチ(5.08×7.62cm)の専用紙に熱昇華方式(カラー)でプリントできる。※画像はLiene直販サイトより。
iOSやAndroid端末とBluetooth接続し、専用アプリからスマートデバイス内の画像をプリントする。アプリ上で各種装飾を追加したりAIによる画像生成(顔だけ本人で服などはAIによるデザインとか)も利用できる。プリントはシールになっていて貼って楽しむこともできる。※画像はLiene直販サイトより。

 このプリンター、俺に対してイロイロと刺さったので買った。最も大きかったのは、チェキフィルムの高騰。ご存知のように、富士フイルムのチェキ用の用紙(チェキフィルム)は全世界的に需要が急増しており、このところ超品薄。転売も続出で、ぼったくり価格で売られている。ちなみに富士フイルムのオンライン販売サイト「フジフイルムモール」では、チェキ専用フィルム(10枚入り)1パックが税込990円だが、Amazonなど通販サイトでは最安クラスでも1パック1600円くらい以上(ただ少し前は2000円以上だった/最近富士フイルム直販で在庫がときどき復活したりしているので転売相場が下がってきている?)。

ベーシックな「チェキ専用フィルム」。直販サイトでは1パック990円だが、2022年頃以降から急騰し始めた。推し活や「デジカメにはないエモい紙写真」などでチェキが世界的に注目され、チェキフィルムの供給が間に合わなくなった(ので富士フイルムは工場を増築したがすぐに供給が間に合うはずもなく……)。アイドルの活動ではチェキで撮った「アイドルとのツーショット写真」が商品ともなっており、チェキフィルムの高騰化・入手性の悪化がアイドルを苦しめているという現状もあるそうだ。チェキ関連ハードウェアも品薄が続いている。

 俺もわりと最近チェキ系の製品を買ったが、フィルム不足で「あーこんなランニングコストだと紹介とかレビューとか無理」って感じで先送り&お蔵入りにしているところ。ともあれその一方で、「富士フイルムの市場に隙間ができたぞ〜!」という感じで、いろいろなメーカーが「チェキの代替になる紙写真製品」をガスガス出してきているのだ。

 で、Liene(ライネン)もそんなメーカーのひとつだと思う。いや、絶対そういう狙いで(も)商品を開発・市場投入していると思われる。というのは、直販サイトに以下のような画像が掲載されているからだ。

モロに「推し活」とか「チェキ」「チェキ難民」とかゆってるぅ〜! ちなみにチェキフィルムの直販価格990円から計算した1枚のランニングコストは99円、Liene「Pearl N200 Pro」専用紙の直販価格4280円から計算した1枚のランニングコストは85.6円(ただしセール価格3852円から計算すると1枚約77円)。※画像はLiene直販サイトより。
ダイレクトに「チェキフィルム品薄」とかゆってるぅぅ〜! しかも「チェキ写真は厚みがあって10枚貼ると手帳がパンパン」とかもぉ〜! ※画像はLiene直販サイトより。

 攻めるねLiene! とか思いつつ、Liene「Pearl N200 Pro」のプリントは昇華式(YMCそれぞれの色をドット単位で熱気化・定着させる方式で鮮明で発色がいい)でありかつシールタイプ! スペック的にはチェキを遥かに超えてる感があって見過ごせない!

 でもこういう中国のアレ(Lieneは2017年3月創設の中国(上海)発祥ブランド)って……たとえばこのプリンターさー、Bluetooth接続で使うけどさー、技適(技術基準適合証明)通してんのかなぁ……? 直販サイトにもそういう情報全然ないし……あっ直接訊いてみよう! と直接問い合わせてみた。まあ技適通ってないなら絶対買わないし〜、的な。

 そしたら間髪容れずに凄い勢いで返答が。「あったりまえじゃぁ〜既に技適通しとんじゃぁ〜! 見ろやぁ〜コレが証拠×3点の画像じゃぁぁ〜!」的なスピード感で、非常に親切・丁寧なご返答をいただいた。ので、俺も「おゥ! ええ証拠じゃの! だったら安心して買うたるわい!!!」みたいな気分になって即座にLiene「Pearl N200 Pro」を買ったという次第だ。

Liene「Pearl N200 Pro」のカラーはゴールドとパープルがあるが、パープルを買ってみた。専用フォトシール紙50枚(およびインクカートリッジ)付きで1万7982円(セール価格)だった。
用紙を入れる箇所に技適マークがある。

 そして使ってみたら手軽で愉快。昇華型ということで、画質は期待以上に鮮明で発色もよかった。フィルムのカタチではあるがシールとしても使える! イイっすね〜コレ〜♪ ということで、以下にLiene「Pearl N200 Pro」をレビューしてゆきたいッ!!!

スマートフォンとBluetooth接続して使う携帯型フォトシールプリンター

 まずは概要から。Liene「Pearl N200 Pro」はスマートフォン向けのフォトプリンターで、対応OSはiOSとAndroid。スマートフォンとはBluetooth接続し、専用の「Liene Photo」アプリからプリントを含む各種操作を行う。充電式で、USB-Cポートを使ってUSB充電する。フル充電から約30枚のプリントが可能だ。

Pearl N200 Proはスマートフォン用のプリンターで、専用のフォトシール紙にプリントされる。1枚のプリントにかかる時間は1分〜2分(印刷する画像の内部処理による)。

 なお、専用用紙とカートリッジ(昇華型インクリボン)は本体に10枚単位でセットできる。消耗品として直販サイトで「Liene Pearl N200 Pro 専用フォトシール紙 50枚入」として売られていて、10枚の用紙×5セットとカートリッジ×5本が含まれている。通常価格は4280円でセール価格は3852円など。

本体に専用のフォトシール用紙とカートリッジをセット。1回のセットで10枚のプリントが可能だ。

 気になるランニングコストは、前述のとおり、直販サイトでの50枚セットの標準価格4280円の場合は1枚85.6円。なんだかんだで頻繁にやっているセール価格3852円の場合は1枚約77円。同様の昇華型印刷方式であるコダックの4PASSフィルムだと50円前後。印刷方法が大きく異なるので比較対象にはなりにくいが、チェキ(直販価格)の場合は1枚99円。まあ大ざっぱに見れば、このテのプリンター用の用紙としては「まあそんなモンだろうなあ」というランニングコストという気がする。

 ただ、後述するがPearl N200 Proの出力結果はなかなか秀逸。俺的に率直な意見を述べると「この画質で1枚77円とか85.6円とかならオッケー! キレイだしシールにもなるし! でゅふふ♪」みたいな感覚。そんな観点からは優れたランニングコストだと感じられる。

プリントは簡単、進捗の様子も愉快、印刷結果は良好、たまに失敗する?

 Pearl N200 Proでのプリントは専用アプリ「Liene Photo」から行う。現時点ではアプリ使用以外のプリント方法は提供されていないようだ。ともあれ、アプリは容易に使えるので、以下、アプリ使用時のスクリーンショットでイロイロとご説明を。

スマートフォンとPearl N200 ProをBluetooth接続した状態で「Liene Photo」を開くと左のような表示になる。プリント方法は「写真印刷」(スマートフォンの写真アプリなどから印刷)、「InstaPic印刷」(アプリで写真を撮って即座に印刷)、「パズル印刷」(写真アプリ内にある写真を複数組み合わせて1枚に印刷)、「AIポートレート」(実在の顔に基づいた顔生成+体・背景のAI生成合成写真の印刷)の4種類を利用できる。「写真印刷」の場合、写真アプリ内から1枚の写真を選び、それをそのまま印刷するか、トリミングや補正やアイコン追加などの編集を行ってから印刷することができる。
「写真印刷」でプリントを開始した様子。昇華型印刷ではイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)をそれぞれ重ねてプリントするが、「現在どの色を重ねているか」がグラフィカルに表示される。これはほかの印刷方法でも同様に表示される。Pearl N200 Proからはフィルムが物理的に出入りしており、そのフィルム上にもほぼ同じ色(の重ね具合)が見える。アプリ側の表示は無くてもいい演出ではあるものの、見てみて興味深いし楽しい。ちなみにこの写真の場合、プリントを終えるまでに約1分20秒かかったが、徐々に色が整っていく様子を見ているのは意外に飽きず、「もう印刷された」という気分になったりもする。
いろいろな写真をプリントしてみたが、総じてクリアで発色が良好だ。レトロ感があるプリントではなく「これぞ昇華型プリンターの出力」って感じの画質の良さが際立つ。元の写真の色の偏りもそのままプリントされたりする。逆に、レタッチした色味などをかなり忠実にプリントしてくれるとも言えよう。
「InstaPic印刷」は、アプリで写真を撮影すると即プリントされるというモード。シャッターボタンの上に並ぶカメラ機種を選ぶと、そのカメラで撮ったような雰囲気のエフェクトを加えられる。試しに「INSTAX」(チェキ)を選んでみたら(中央)、全体的に薄めでパステル調のエフェクトが加わり「なるほどチェキっぽい」という印象に。右のスクリーンショットはシャッターボタン左のアイコンから各種エフェクトを加えた様子で、フレームとしてパーフォレーション(フィルムの外枠と穴)を追加し、撮影機種名や露出といった情報も加えた。このようなカスタマイズをした後にシャッターボタンを押すと、撮影され、カスタマイズ内容を加えたプリントがなされる。
「パズル印刷」は複数の写真を1枚に詰め込んでプリントするモード。2枚〜4枚の写真を1枚のプリントにまとめられ、そのレイアウトも複数から選べる。写真は自動配置されるが、その後にトリミング処理を行える。その後の印刷段階では「まとまった複数枚の写真」に対して色補正などの処理や回転などの編集を行える。個別の写真には編集処理を行えないようなので、個別の写真の色などを編集したい場合は、「パズル印刷」をする前段階で(写真アプリなどで)準備しておく必要がある。なお、「パズル印刷」でプリントした写真は、画像と画像の間に1mm程度の白い隙間ができるので、そこを目印にカッターなどで切り離すと、小さめの写真シールができる。
4枚の写真を「パズル印刷」した出力。4枚の写真の間に1mmくらいの白い余白がある。上端の大きな白い余白は折り返すと「パキッ」と取れる「印刷時のみ必要で使われた部分/印刷後は不要」の余白だ。
「AIポートレート」は、顔が入った写真を選択すると、顔を似せつつ他の部分をテーマに応じてAI生成し、それをプリントできるというもの。テーマとして「K-メンスタイル」(落ち着いたカラーコーディネイトで敢えて緩さをもたせた力み過ぎていないファッションや髪形)を選んで自分の顔を入れてみた。出力されたのが右(出力時間は1〜2分)。あ〜らお手軽でカッコいいフェイク写真♪ ちなみにこの写真の場合、プリントを終えるまでに約1分かかった。
かかかカッコよ過ぎるフェイク写真だゼっ!!! なお、AI生成した写真はプリントする段階でスマートフォンに画像として保存することもできる。けっこう高解像度なので保存しておくといいかも。

 プリントにかかる時間は1分〜2分といったところで、編集処理などによって写真解析などにかかる時間が変わるもよう。凝ったことをしなければ1分くらいでプリントされることが多いように思う。

 プリントの失敗は、現在50枚印刷したが、1枚だけあった。印刷はできたものの、YMCのインクのどれかが適切に処理されず、黄色がかったプリントになってしまった。↓こんなの。

Pearl N200 Proを使い始めてすぐにこの失敗写真がプリントされた。わかりにくいが、オデコから下は黄色が強い。失敗の原因はよくわからず。失敗直後の写真は正常にプリントされ、その後は失敗なし。

 このテのプリンターというか、こういう小さいサイズの写真がカラー印刷される製品が好きでけっこう試してきたが、このPearl N200 Proはダントツで高画質という印象がある。紙写真のカテゴリーによっては「レトロ」とか「味」というのもアリだとは思うが、Pearl N200 Proの写真プリントにはそういう要素はほとんどなくて「画像をそのままプリント」という正統派の高画質写真プリンターって感じがする。

 一方で画像を「レトロ化」したり「味を持たせたり」するのは、Pearl N200 ProアプリのLiene Photoでもできるし、スマートフォン上で動く多くの写真系アプリでもできまくりである。そういうことを考えると、「レトロ」感しか出せないとか、「味」が限定とかって、どうなのか? と思ったり。まあソコがイイんですよね〜って話でもあるが、高画質で被写体に対する忠実度が高い写真やプリントを、崩していったり変えていったりしてレトロ感や味を加えていくほうが……なんて思ってしまうが、ソレが面倒なんで最初からレトロなのがいいんですよね〜って話かもしれない。

シールとしてはどうなのよ?

 カンタンにプリントできて、シールにもなっちゃうョ! 的なプリンター系製品は非常に多いが、モノによっては「えぇぇぇ〜? これがシール?」ということも少なくない。たとえば「発色がヘン過ぎる」とか「精細感がない(画像が荒れ荒れ的な)」とか「粘着力が弱過ぎる」など。シールプリンター「あるある」かもしれない。

 で、Pearl N200 Proの印刷物は写真でありかつシール。サイズは2×3インチ(5.08×7.62cm)で、その全面が余白のない写真となっているシールとしても使える。

 そして画質は、前述のとおり、俺的見解ではあるが、非常に高画質の部類だと感じられる。プリント解像度は公表されていないようだが、2×3インチ(5.08×7.62cm)に猫の全身写真をプリントしても毛の質感がわかりヒゲの本数を数えられる程度高精細だ(元写真のピントが合っていれば)。発色も良好で、元写真の発色に非常に近い色合いでプリントされる。元写真の発色においてカラーバランスがよければ「あらまあ超キレイ!」って感じ。

 なので、Pearl N200 Proの場合は「発色がヘン過ぎる」とか「精細度が低過ぎる(画像が荒れ荒れ的な)」という問題は感じられないと思う。「キレイ過ぎ〜」って部分で「オモシロミがない〜」となるかもしれないが。

 ともあれ、Pearl N200 Proのプリントで気になる残りの要素は、シールとしての使用感。「どのくらいちゃんとくっつくの?」と。

 結論から言えば、表面がツルツルの面なら「貼ったら剥がすのに手間がかかるほどしっかりくっつく」という感じ。アクリルの板とかに貼るとスゲくビシッと貼り付く。また、表面がコートされているので、擦れたりしても色落ちなどはない。印刷直後に強く引っ掻くなどするとコートごと剥がれることがあるがそーゆーコトしなければほとんど問題ない。

 しかし紙に貼ると印象が大きく変わる。紙に貼った場合、ポストイットのような感じで「いつでも手軽に剥がせる」という粘着力……しかない。貼り直しができるという点で便利かもしれないが、「ノートの紙表紙にしっかり貼りたい」という要望は実現できなさそう。また紙でなくても表面が「少しマット」だとか「微妙にざらついている」といった面だと、やはり粘着力が足りないケースが多いと感じられる。

 なので、ちょっと乱暴に言ってしまうと「Pearl N200 Proのプリントはツルツル面だけでバッチリ使えるシール」という感じ。いわゆる「ステッカー」をイメージすると貼る対象によって「えぇ〜? 粘着力弱いんですけどぉ〜」と文句が出てしまうと思うので、その点はご注意を。

 まあ足りない粘着力は、表面保護フィルムとか接着剤の追加で補うことはできるんスけどね。その手間を加えないと……という次第である。

 なお、こういった写真全般に言えることだが、耐候性はほとんどない。直射日光下だと熱や紫外線で退色する。すぐ退色するわけではないが、熱や紫外線が当たる場所に1年も置いておけばかなり退色するか色がほとんど消えるかもしれない。なので、このテの紙写真の保管は「冷暗所」が重要なのだ。

 てな感じのLiene「Pearl N200 Pro」。難点があるとすれば、最後に書いた「貼る面によっては専用紙の粘着力が足りない」ってことくらい? ほかは非常によくできている。こういったポータブルプリンターについて「チェキとかZINKとかだと画質がなー」とか思ったりする非印象派で写実派? の方にはぜひチェックしていただきたいッ!!!

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。