スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

お高めだけど長~く使い倒せるはず! ブラザーのラベルライター「PT-P910BT」

 久々に「ブラザー」のラベルライターを買った。「P-TOUCH CUBE」シリーズの最上位機種「PT-P910BT」だ。ネット通販で2万7000円くらい。

「P-TOUCH CUBE」シリーズの最上位機種「PT-P910BT」は最大36mm幅のテープに対応したラベルライター(ラベルプリンター)。スマートフォンやパソコンとBluetooth接続して使えるほか、スマートフォンやパソコンとUSB Type-C接続しても使える。

 この「P-TOUCH CUBE」シリーズとは、スマートフォンとBluetooth接続して誰でも場所を問わず手軽に使えることをアピールしたラベルライターシリーズ。シリーズ中「PT-P710BT」と「PT-P910BT」はUSB Type-C接続にも対応している。

 ところで、俺の場合はブラザー製ラベルプリンターっていうか「P-TOUCH」シリーズLOVEなヤツで、新たに買った機種を除いて3台もP-TOUCHラベルライターを持っている。それぞれ「P-Touch 9700PC」、「P-Touch P900W」、「P-Touch PT-P750W」である。

左から、P-Touch 9700PC、P-Touch P900W(充電池ホルダー/専用バッテリー使用)、P-Touch PT-P750W(専用バッテリー使用)。どれも10年くらい前の機種だが、現役で使用中だ。

 どの機種も便利で実用的。またどの機種もパソコンとUSB接続でき、「Brother P-touch Editor」アプリから自由なフォント&好みのグラフィックなどをレイアウトしてオリジナルのラベルを作成できる。

 だが、最近は上記の古いラベルライターを使うにあたって、「ちょっと面倒」と思うことが増えた。というのは、パソコンとUSB接続したり機種によってはACアダプターとつないだりするのが面倒。

 Wi-Fi対応の機種もあるが、拙宅環境ではパソコンとプリンターをWi-Fi接続するときにプリンターが認識されないことがあり、その場合はパソコンの再起動が必要になったりする。

 も~なんかぁ~、Bluetoothヘッドホンとかみたいに、パソコンとBluetooth接続するだけで即使い始められるラベルライターないのぉ~? と思ったが、フツーにあった。

 しかもブラザーの「P-TOUCH」シリーズ。使ってみたら、かな~り便利♪ ということで今回はこの「PT-P910BT」についてレビューしてゆきたいッ!!!

なぜブラザーP-TOUCH CUBE・PT-P910BTを買ったのか?

 Bluetooth接続して使えるラベルライターが欲しいニャ♪ というのが主眼であった。Amazonとかで探せばBluetooth対応ラベルライターは技適不通過品(国内でBluetooth接続で使うと電波法違反だョ!)を含めて多々ある。安いのもいっぱい。

 だがしかし、俺の場合、可能な限りブラザーのラベルライターを選びたい。というのは、ブラザーP-TOUCHシリーズ用ラベルのほとんどが「ラミネートテープ」だからだ。

ブラザーP-TOUCHシリーズ用ラベルのほとんどは「ラミネートテープ」。インク層の上にPET素材の透明保護フィルムがあり、印字が汚れたりカスレたりしにくい。※画像はブラザーWebサイトより抜粋。
2010年に購入した「P-TOUCH 9700PC」に貼った「DIGITAL」というDEC趣味な自作ラベル。このラベルもラミネートテープで、このP-TOUCH 9700PCで印刷したもの。15年も経つのに全然劣化していない!
同じくP-TOUCH 9700PCで印刷したACアダプター識別ラベル。これも15年経っているのに「さっき印刷したばかり」的な濃さ・コントラストが健在!

 という感じでスゴいんスよ、ブラザーのラミネートテープ。耐久性抜群。ただし他社の非ラミネートラベルにくらべるとけっこうお高い。

 それが理由なのか、量販店のラベルプリンターコーナーは、K社とC社のエリアが4割程度ずつで、ブラザーのエリアは2割以下的な陳列だったりする。まあラベルの品位と耐久性を求めるフツーのユーザーはそーんなに多くないのかもしれない。

 ちなみにブラザーにもP-TOUCHシリーズ用ノンラミネートテープがある。ラミネート構造をなくすことでローコストを実現した「フツーのラベル」で、ラミネートテープと比べると安価。ではあるが、他社のラベルと比べると、これもお高めだったりする。

 さて、そんな理由でブラザー製のラベルライターを選んだわけだが、機種としてP-TOUCH CUBEシリーズのハイエンドであるPT-P910BTを選んだ理由は? それは36mm幅テープの印字に対応しているから。36mmテープはP-TOUCHシリーズラベルライターで最大幅。この幅が使えるとより多彩な用途に活用できる。

ブラザーP-TOUCHシリーズラベルライター用テープは4タイプがあり、それぞれTzテープ、HGテープ、HGeテープ、TZeテープがあるが、現在はTZeテープが主流。前出のP-TOUCH 9700PCはこれら全種類のテープに印字できるが、新しいモデルではTZeテープのみ対応の機種が多かったりする。今回買ったPT-P910BTもTZeテープのみ対応で36mm幅のテープも扱える。

BluetoothとUSB接続に対応、バッテリー内蔵でどこでも使える!

 続いて、購入したPT-P910BTの概要を少々。

 前述のようにスマートフォンからの利用をメインとした感じのラベルライターだが、実際はスマートフォンでもパソコンでもフツーに活用できる。端末との接続はBluetoothとUSB。パソコンともスマートフォンともBluetoothおよびUSB Type-C接続できる。

 ただし、スマートフォンとBluetooth接続時は「P-touch Design&Print 2」アプリを使い、USB接続の場合は「Brother iPrint&Label」アプリを使う(とユーザーズガイドに書いてあるが「Brother iPrint&Label」アプリは俺の場合は未検証)。

PT-P910BTとスマートフォンをBluetooth接続して「P-touch Design&Print 2」アプリを使っている様子。オリジナルラベルの作成やユーザー投稿ラベルの利用、消耗品の購入などを一括して行える。

 パソコンと接続して使う場合は「P-touch Editor」アプリを使う。現在は、Windows版がバージョン5.4、Mac版がバージョン5.3となっている。

PT-P910BTとパソコン(Mac)をBluetooth接続して「P-touch Editor」アプリを使っている様子。

 PT-P910BTの電源は内蔵バッテリーで、コンセントなど電源の位置に依存せず使える。バッテリーは交換可能なリチウムイオン充電池「PA-BT-003」で、本体にセットした状態でUSB Type-C充電して使う。

 というわけで、端末とBluetooth接続・バッテリー駆動なので、場所を問わずに使用可能。パソコンで使う場合も、ラベルライターとパソコンを有線接続したり、ラベルプリンターにACアダプターを接続したりする手間がないので、非常に手っ取り早く使えて超便利だ。

 というか、このPT-P910BTを使い始めてから、前出の手持ち3台のブラザー製ラベルライターの使用頻度が激減。唯一P-TOUCH 9700PCは「TzテープやHGテープの在庫が多々あるのでけっこう使っている」感じだが、そのうちにPT-P910BTだけ残してほかの機種は処分してしまうかもっ! みたいな?

使い方は簡単、俺的にはパソコンアプリ「P-touch Editor」がオススメ

 PT-P910BTを使ってみての雑感は、印刷品位が高くて印刷速度も速くて快適。スペックとしては印刷解像度が360dpi、印刷スピードは最高20㎜/秒。印刷方式は熱転写式で、熱転写プリントの表面を(ラミネートテープの場合は)透明のフィルムが覆うという仕上げになる。「仕上げ」といっても全て自動で行われるため、手間や追加時間はかからない。

付属の印刷サンプル。非常に細かい図柄などまでクッキリと印刷されるので、そのまま商品ラベルとしても使えると思う。

 こんな高精細なラベルをスマートフォンから手軽に印刷可能。ただし凝ったデザインのラベルを作る場合は、スマートフォンアプリよりもパソコンアプリのほうが……効率的なような気がする。

 そんな理由もありつつ、文字入力も効率よくできるということで、個人的にはスマートフォンから使うことはあまりなく、パソコンアプリ「P-touch Editor」を使うことが大半だ。

パソコンアプリ「P-touch Editor」を使っている様子。自由な図版、文字、枠などをレイアウトしていける。今どきにおいては「UIがややプリミティブ」という感じがしなくもないが、シンプルで扱いやすく迷いにくいという使い心地ではある。
その印字結果。ラミネートタイプのクラフト紙への印字だが、非常に高精細でクリアだ。
「P-touch Editor」に付属しているラベル作成用テンプレートデータを少しアレンジして作ったもの。実用的なテンプレートが多々用意されているので、それを読み込んで印刷するだけで実用的なラベルとなる。
その印字結果。こちらもキレイ。図版類もしっかり印刷されている。

 あとこのパソコン用アプリ(も)、ずーっと以前からこのスタイルのままなのがイイ。10年以上経つのに「相変わらずの使い勝手」であり「使い慣れた環境がほぼそのまま」というのは、けっこう希有で有用な持続性なのではないかと思う。

 あとブラザーのこういう製品って、「もう何年も前の製品だし、オプション品とか販売終了だろ」とか思ってもフツーに販売が継続されていたりする。そういう点でも安心して使い続けられる。

 それから、ブラザーのP-TOUCHシリーズラベルライター用のラベルだが、ハーフカットなどを施せる機種でプリントした場合、ラベル裏面台紙の剥がしやすさも非常に良好だ。ラベルによっては台紙中央がハーフカットされていたりもするので、ラベルから台紙を剥がす際に「イラッ」とするような鬱憤が全然ないのもナイス。

 まあ、廉価なブラザー製ラベルライターの場合はそうでないかもしれないが、ある程度高機能・高品位な機種だと上記のような良さを多く含んでいる。PT-P910BTはネット通販で2万7000円くらいと「フツーに使うラベルライターとしてはかなり高価」だが、たぶん長~く使い倒せるモデルだと思う。

 ひとつの製品を快適に末永く使いたい、と考えるならこういった製品も選択肢に入ると思うので、ぜひチェックしていただきたいッ!!!

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。