三井公一の「スマホカメラでブラブラ」

コンデジ顔負けのOPPO「Find X9 Ultra」、ハッセルブラッドの名に恥じない描写力

 ハッセルブラッドとの共同開発をさらに深め、モバイルフォトグラフィーの頂点を目指すOPPOの最新フラッグシップモデル「OPPO Find X9 Ultra」が登場した。大型センサーやデュアル望遠カメラを採用したクアッドカメラに、マルチスペクトルカメラを組み合わせ、自然な描写と高画質を追求した1台だ。

 日常のスナップを高画質かつ味わい深く残せる端末に仕上がっているのか、実際に街をブラブラとフォトウォークして検証した。端末の詳細情報やスペックについては、本誌別記事を参照いただきたい。

洗練されたルックス

 デザインはすっきりとしながらも、中央に大きく鎮座する円形カメラモジュールの存在感が際立つ。ハッセルブラッドの「H」ロゴが刻まれたデザインは、高級コンパクトカメラを思わせる佇まいだ。

別売りの「OPPO Find X9 Ultra Hasselblad Earth Explorer Kit」を装着したところ

 背面の質感やフレームとの組み合わせも上質で、手にした際のホールド感は良好。大型のカメラユニットを採用しながらも重量バランスがよく、撮影時の取り回しにも配慮されている。

迫力あるカメラユニット

 最大の特徴は、広角から超望遠まで妥協のない大型センサーとハッセルブラッドのカラーサイエンスを融合させたクアッドカメラに、マルチスペクトルカメラを組み合わせたカメラシステムだ。カメラスペックは以下の通り。

広角望遠超望遠超広角
焦点距離23mm相当70mm相当(光学3倍)
ペリスコープ構造
230mm相当(光学10倍)
ペリスコープ構造
14mm相当(画角123度)
センサーサイズ1/1.12インチ1/1.28インチ1/2.75インチ1/1.95インチ
画素数約2億画素約2億画素約5000万画素約5000万画素
F値F1.5F2.2F3.5F2.0
光学式手ブレ補正(OIS)2軸2軸2軸
機能200MPハイレゾ撮影
13cmマクロ
15cmテレマクロAIズーム対応ディストーション補正

撮影画面

 撮影画面は非常に洗練されており使いやすい。通好みの「Hasselbladマスターモード」を起動すると、露出補正、ISO、シャッタースピード、フォーカスモードを直感的にコントロールできる。さらに、彩度やコントラストなどのパラメーターを細かく調整し、自分好みの描写へ追い込める点も魅力だ。

各カメラの描写はいかに?

 超広角14mm相当から230mm相当の超望遠まで、それぞれのレンズで解像感や発色の統一感が高い。コンピュテーショナルフォトグラフィー特有の過度な輪郭強調も抑えられており、自然で立体感のある描写が印象的だった。

0.6x(14mm)
1x(23mm)
2x(47mm)
3x(70mm)
6x(139mm)
10x(230mm)
120x(Super Zoom)

「OPPO Find X9 Ultra」で実写フォトウォーク

 夏空が広がる街を「OPPO Find X9 Ultra」を片手にフォトウォーク。どのレンズへ切り替えても、豊かな階調と透明感のある描写が得られ、撮影する楽しさを実感できた。やはり望遠撮影が断然面白かった。(編集部注:作例のうち、月のみテレコンバーター装着)

暑さでへばっているネコを撮った。瞳の精細感、顔周りの描写がものすごい。コンデジ顔負けの写りだ。
河川敷のスコアボードをポートレートモードで。ボケ感は自然でいい感じ。スッとなじむ印象で、ピント面がしっかりと浮かび上がった。
「OPPO Find X9 Ultra」の超望遠撮影は実に楽しい。強力な手ブレ補正により安定した撮影が可能で、遠近感をぐっと圧縮した迫力ある写真を手軽に楽しめた。
曇天だったがホワイトバランスも色再現性もなかなかのもの。端末任せでイージーに撮影しても失敗が少ないと感じた。モニュメントのテクスチャー感もよく出ている。
雨上がりのテラス。メタル製のテーブルとチェアに付いた水滴が見事に写し取られている。立体感も素晴らしい。
東京都庁前の歩道から。「OPPO Find X9 Ultra」は15cmまで被写体に寄れるテレマクロ撮影も楽しめる。近接撮影時の描写も素晴らしく、思わずこの端末が欲しくなってしまったほどだ。
超広角カメラも写りがいい。画面周辺部の描写もまずまずで、窓の枠から写り込みまで舌を巻く再現力だ。
ナイトシーンも「OPPO Find X9 Ultra」は優秀だ。ホワイトバランスも発色もよく、大きく見やすいディスプレイのおかげで撮影も快適だった。
夜の多摩川を渡る。橋の上から真っ暗な河川敷を撮ったが、草むらの微妙なディテールや遠景の都心部まで、肉眼以上の情報量で描き出してくれた。
「OPPO Find X9 Ultra Hasselblad Earth Explorer Kit」に含まれる「OPPO Hasselblad 300mm エクスプローラー・テレコンバーター」を装着して満月を狙う。300mm相当の光学焦点距離により、手持ちでもここまで大きく月を写すことができた。手持ちではフレーム中央へ捉えるのがやや難しいものの、その描写力には驚かされる。
テレコンバーターは16枚構成の全ガラスレンズを採用し、F2.2の明るさを実現している。
被写体に15cmまで寄れるマクロ機能も魅力だ。精細感と発色もよく、フードや小物撮影で活躍する機能だと感じた。

「OPPO Find X9 Ultra」まとめ

 「OPPO Find X9 Ultra」は、解像感だけでなく、空気感や立体感まで写し出す描写力が印象的なスマートフォンだった。単に画素数やズーム倍率を競うのではなく、「写真としていかに自然で美しく残せるか」という画づくりへのこだわりが随所に感じられた。

 外観の質感や撮影体験を含めた完成度も高く、日常のスナップから風景、テレマクロまで幅広いシーンを高品質に楽しめる端末に仕上がっている。特にデュアル望遠カメラを生かした撮影体験は秀逸で、望遠撮影の面白さをあらためて実感させてくれた。

 スマートフォンでも画質に妥協したくないユーザーや、ハッセルブラッドの世界観を存分に楽しみたいユーザーにとって、有力な選択肢となる1台だろう。

三井 公一

有限会社サスラウ 代表。 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。 雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなども行っている。Twitter:@sasurau、Instagram:sasurau