スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

トラックパッドは”なし”が正解? iPad miniの文字入力が快適になるキーボード

 愛用中のiPad miniで使っているハードウェア・キーボードを「また」新調した。今度のはサウザンドショアスのiCleverブランド品「折りたたみ式キーボード IC-BK20se」。Amazonで5990円だった。

iClever「折りたたみ式キーボード IC-BK20se」は、Windows/macOS/Android/iOS/iPadOSに対応したキーボードで、端末とはBluetoothもしくはUSB(有線)で接続できる。キーピッチはほぼフルキーボードサイズで、キー配列は英語(US)。開いた状態の大きさは29.1×11.7×0.83cmで、重さは279g。
2つのヒンジにより折りたたむことができる。折りたたんだときの大きさは16.6×12×1.48cm。

 なんで「また」iPad miniで使うキーボード買ったの? それはこれまで使っていたキーボードに微妙な不満が出てきたからだ。

 最近だと、iPad miniで使うためのキーボードを4台買っている。最初の1台はケース型のキーボードってゅ~かiPad miniが収まるケースにキーボードが内蔵されているというタイプ。

iPad mini用のカバー・キーボード。HENGHUIブランド品で、Amazonで5999円だった。Apple純正としてはこういうカバー・キーボードは発売されていない。
iPad miniに装着した様子。あらカワイイ♪ UMPCみたいになるのもイイ。
Apple Pencilをマグネット吸着したまま、ふたつ折りにできる。

 ただ、↑コレはいきなりイマイチであった。予想通りイマイチというか、キーサイズが小さく、キーピッチ(隣り合うキーの中心から中心までの距離)が狭いので、タイプしにくいのだった。まあ頑張って使えば、一応は使い物になるのだが……。

 その後、2台のBluetoothキーボードを買ったが、どちらもトラックパッドの使用感がビミョー過ぎだったり、若干の不安定さ(ガタつき)があったりで、間もなく死蔵。そして続いて買ったBluetoothキーボードがけっこう「アタリ」だった。

NILLKINブランドのBluetoothキーボード。Instagramで広告が出まくった結果、なーんか欲しくなった&仕様的にも良さそうなので買った。本稿執筆時、Amazonで7980円で売られている。
iPad miniと組み合わせて使っている様子。メーカー公称のキーピッチは19mmだが、実際に測ると18mm程度。「一般的なフルキーボードのキーピッチより僅かに狭い」という感じだが、十分なキーピッチがあるのでそこそこ打ちやすい。
2つのヒンジにより折りたためる。iPad miniとだいたい同じサイズになるので携帯性も良好だ。

 最近まで↑のBluetoothキーボードをiPad miniと組み合わせて使っていた。のだが、小さな不満が出てきた。

 というのは「トラックパッド要らないかも?」ということ。あればあったで便利なトラックパッドではあるが、なくてもいいと思うようになった。

 あるから使ってしまうトラックパッドだが、いつもマウスでポインター操作をしているので、それと比べるとこのキーボードのトラックパッドはちょ~っと使いにくい。

 でも「ある」のでつい使ってしまって「んん~若干使いにくいかも~」と感じてしまうのである。とくに文字入力時のキャレット(アイビーム)位置決定は、このトラックパッドだと微妙にやりにくい。

 そこでiPad miniにBluetoothマウスをつないで使ってみると、あ~ら快適♪ iPad miniには小型Bluetoothマウスがマッチするなぁ~♪ となる。それと同時に「このトラックパッド邪魔かも」ってコトに。

 そこで前出の3つ折りBluetoothキーボードこと、iClever「折りたたみ式キーボード IC-BK20se」(以下、IC-BK20se)を購入したのであった。そして使ってみたら「えっ!」という使い心地と利便があったってゅ~か予想以上にスゲく使いやすかったので、今回はIC-BK20seについてレビューしてゆきたいッ!!!

 なお、俺の場合、iCleverブランドのキーボードをこれまで数台買っている。そのどれもから満足感を得られた。なのでiCleverブランドがけっこう好きだったりする。

 で、今回レビューするIC-BK20seについて、とりあえずココで使用感を書いてしまうと、コレもまたかなりイイのであった。キーピッチ・サイズはもちろん、キー機能もバッチリ。iPad mini用としてだが、現在の俺的決定版となっている。

イイ感じのサイズで携帯性は良好、ただしチョイ重め

 まずはiPad miniと組み合わせて使うということで、IC-BK20seの携帯性について。率直なところ携帯性は非常によく、iPad miniと一緒に持ち歩くのがラク。ただし重さは279gで、こういった折りたたみ式の携帯向けキーボードとしてはチョイ重めという印象だ。

IC-BK20seを折りたたんだときの大きさは16.6×12×1.48cm。iPad miniより一回り小さいが、iPad miniよりは厚い。
iPad miniとIC-BK20seを重ねてランチベルトでまとめた様子。ただしIC-BK20seのヒンジ部以外の外装(筐体)はアルミ製なので、iPad miniがハダカだと傷付きそう? IC-BK20seには専用のポーチが付属するのでソレを使うといいかも。

 IC-BK20seはPCやタブレットやスマートフォンで使える。実際にiPhone 16 Pro Maxともペアリングさせて時々使っているが、ヒッジョーに快適に文字入力を行える。

iPhone 16 Pro Maxと重ねた様子。6~7インチサイズのスマートフォンと組み合わせたときの携帯性も良好だ。

 ちなみに、前出の「これまで使っていたNILLKINブランドのBluetoothキーボード」と比べると、IC-BK20seのほうがコンパクトではあるが、携帯感はあ~んまり変わらない。またNILLKINブランド品の重さは約238gで、IC-BK20seより少し軽い。

NILLKINブランド品と比べると、携帯性の差はあまりない。

 ただし、NILLKINブランド品は外装が樹脂でありかつやや軽い。なので、携帯時に「端末にぶつかって傷がついたらイヤ」とか「軽さ重視」という場合は、NILLKINブランド品がオススメかも。

キー配列もキーピッチも好感触、オマケのキーも便利♪

 それから肝心要のキー配列とキーピッチ。結論から言って、主要なキーのほとんどはフルキーボードと同じサイズとキーピッチで、慣れ要らずで使いやすい。

IC-BK20seのキー配列。全体的にマトモなUS配列という印象だ。
NILLKINブランド品と並べてみると、IC-BK20seのほうがキーピッチが少々広いことがわかる。
「英数」「かな」キーがあるので、英字/日本語の入力切り替えもラク。もちろんctrl+spaceなどでの入力モード切り替えも行える。

 ほぼ完全にフルサイズのテンキーレスキーボードって感じ。英語キーボードとしてのキー配列についても大きな違和感ナシ。

 実は、この原稿のところどころをIC-BK20seで書いてきた。他機種との比較や折りたたんだときの様子を調べる必要がなければ、IC-BK20seでこの原稿を全部書けちゃうくらい入力しやすいと感じられた。

 また、US配列キーボードなのに「英数」「かな」キーがあること。オマケ的要素のキーで、US配列キーボードとしては違和感だったりもするものの、実際にiPad miniやiPhoneで文字入力するにおいて便利。矢印キーのサイズが統一されている点も俺的には扱いやすいと感じる要素だ。

 打鍵感は、まあフツーのパンタグラフキーの押し心地って感じ。音は静かで、フツーにタイプしやすい。ほか、キーボードを展開すれば電源オン、たためば電源オフになるあたりもフツーに便利。なお、電源オンで放置した場合は30分間で自動的にスリープモードに入る。また、スリープモードからは、キーのどれかを押せば復帰する。

iPad miniと組み合わせて使っている様子。

 あと、なんかこう、iCleverブランドのBluetoothキーボードで、こういう折りたたみタイプの製品は、「そうそう、こうであって欲しい」というキー機能になっているように感じる。

 たとえばペアリングとか接続先デバイスの切り替えのためのキー位置とか、あるいはソフトウェアキーボードのポップアップと格納のための機能キー位置とか、さらにはdeleteキーとbackspaceキーをしっかり共存させているようなところとか、俺好みの要素が満載である。

 便利な「英数」、「かな」キーをシレッと組み込むという邪道的な仕様も持たせつつ、でも細部はしっかりマトモな感じで、そういうあたりが使いやすさに直結しているのかなーとか思う。

デバイスとはBluetooth接続のほか、USB接続しても使える

 IC-BK20seはBluetoothキーボードで、3つのデバイスとペアリングしておける。接続先はfnキーとQ/W/Eキーの(どれかと)同時押しで切り換えられる。

 また、デバイスとUSB接続して有線キーボードとして使うこともできる。Bluetooth接続で3台のデバイスとつなげられて、USB接続を含めると接続先デバイスの制限がほとんどなくなることになり、つなぎ放題!

 なお、USBポートはUSB Type-C。このUSB-Cポートは充電用としても使われ、充電時間は最長で2時間、満充電から約83時間の連続使用が可能となっている。

fnキーとQ/W/Eキーの(どれかと)同時押しでBluetooth接続先を切り換えられる。また、fnキーとRキーの同時押しでキーボードを有線接続モードに移行できる。
充電・接続のためのUSBポートはUSB Type-C。ちなみにiCleverブランドのキーボードなどは同じ製品でもアップデートが繰り返されており、たとえばIC-BK20seの少し前のロットのUSBポートはUSB Micro-Bだったそうだ。

 Bluetooth・USB両対応の接続性ってのはイイ。Bluetoothだけだと電波状況によっては入力がうまく行かないことも(希にだと思うが)有り得る。そんなときUSBで有線接続して使えれば楽勝で電波問題を回避できる。

 あと電池切れになっても、USB接続すれば使えるし充電もされるので、そのあたりもイイかも。まあ満充電から83時間も連続使用できるキーボードなので、電池切れの心配はあまり要らないが、そういう心配さえ不要になる仕様はメンタルにイイ。

 といった感じで、俺的には難点ほぼナシのフォルダブル・ポータブル・キーボードことIC-BK20se。キー配列も打鍵感もほとんどクセがなく、俺的にはとりわけiPad miniや、より大きいサイズのiPad、さらにはiPhoneと組み合わせるとヒッジョーに使いやすいと感じている。

 残念なのは、IC-BK20seっていうか、iCleverブランド品を含めたマイナー? っぽいブランドのキーボードって量販店での扱いがあまりっていうかほぼナイこと。IC-BK20seとかは触れれば「あ~コレいいじゃ~ん!」となるキーボードなのだが、その良さを試せないのはモッタイナイと思ったり。

 ともあれ、俺的には「予備を買っておこうかな」と思ったくらい使い心地が良いIC-BK20se。まあiPad miniでの使用が前提だが。IC-BK20se、かなりイイ感じのテンキーレス・フォルダブル・ポータブル・US配列・Bluetooth&USBキーボードなので、気になる方はぜひジックリとチェックしてみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。