スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

携帯性と打ちやすさを両立! けっこう良き良きなNILLKINの折りたたみBluetoothキーボード

 ここのところ、iPad mini用のBluetoothキーボードを物色していた俺。そして最近、ひとまず↑のキーボードに落ち着いた。NILLKIN(ニルキン)ブランドの「キューブポケット折りたたみ式Bluetoothキーボード(タッチパッド付き)」という製品だ。

折りたたんだ状態でiPad miniと重ねた様子。いっしょに携行するに都合のよいサイズ感だ。
使用時はiPad miniよりだいぶ幅広になるが、そのぶんキーピッチが広く入力しやすい。右端にはトラックパッド兼テンキーパッドもあるョ!

 ちょっと前に、愛用中のiPad mini (A17 Pro)に、サードパーティ品のカバー・キーボードを装着してみた俺。iPad miniとキーボードやトラックパッド合体させたら便利であろー、と。

 実際、便利化したのだが、イマイチな部分も。ザックリ言うと、キーボードのキーピッチが狭いこと。それからiPad miniがちょ~っと嵩張る感じになること。

iPad miniとサードパーティ品のカバー・キーボードを合体。UMPCみたいな感じで便利化した。
ただしiPad miniのサイズ(とくに幅)の制限から、カバー・キーボードのキーピッチは狭い。タッチタイピングはちょっと苦しい感じ。
カバーでありかつキーボードなども搭載しているので、iPad miniに装着すると厚みもけっこう増える。嵩張る感じ?

 その後、キーピッチが広めの外付けBluetoothキーボードを2台ほど購入して使ってみた。俺の場合US配列キーボード派なので選択肢狭めだが、BluetoothキーボードにおいてはUS配列品がけっこーあったりする。

 ともあれ、使った2台はトラックパッドの使用感がビミョー過ぎだったり、若干の不安定さ(ガタつき)があったり、「あと1歩……いや2歩か!?」くらいな感じで間もなく死蔵。使いやすさに納得がいくキーボードって、やはり、なかなか見つからないのであった。

 そんなときに見つけたのが上記NILLKINブランド品。探して見つけたわけではなく、Instagramで毎回のように広告映像が出て、US配列だしトラックパッドも装備だしキーピッチも広めだしカラーもイイ感じだよなぁコレ、と。

カラーは3色ある。左からカーキ、グリーン、ブラック。

 さらに間もなくAmazonのNILLKIN公式直営店でも売り始めたしで、あーはいはい買います買いますよ、と。インスタ広告に買わされた感じ?

 ちなみにAmazonでの販売価格は9499円。だが、先ほどチェックしたら1420円OFFクーポンがあり、適用すると8079円で買える状態になっていた。

 ともあれこのNILLKINブランドのBluetoothキーボード、使ってみたらそこそこイイ感じであった。なので、iPad miniと併用してみての使用感などをレビューしてゆきたいッ!!!

iPad miniとのサイズ感がイイ、つくりも色も感触もイイ

 買ったのは、カーキ、グリーン、ブラックの3色のうちのグリーン。新緑に近い明るめのグリーンかな……と思ったが、どちらかと言うと抹茶に近い渋めのグリーンであった。

新緑色~やや蛍光グリーンの付箋紙と比べると、けっこう渋い緑色。まあ飽きなさそうな色って感じなのでよしとした。

 キーボードをたたんだ大きさは18.2×10.8×1.6cmで、展開した大きさは34.2×10.8×9.5cm。重さは約238g。iPad miniの倍程度の厚みがあるものの、折りたたみ時のフットプリントはiPad mini未満なので、携帯性は良好。

 こういう「端末未満サイズで携行できる外付けキーボード」は、「キーボードを追加してもこれまで使っていたバッグに入れられることが多い」というのもポイント。「キーボードを追加したらより大きなバッグが必要になっちゃった~」とかなると、いろいろとキリがない。

たたんだキーボードとiPad miniを重ねた様子。ひとまとめにして持ち歩ける携帯性がナイス。
iPad miniの前で展開した様子。けっこう広々としていて余裕をもってタイプできる。トラックパッドは静電容量式・押下式で、テンキーパッドとしても使える。

 つくりもイイ感じで、キーが傾いているとかガタつくとか、ヒンジ部が微妙に斜めだとかガタつくとか、閉じた状態で振るとカシャカシャいうとかガタつくとか、そういう微妙感は皆無。バリみたいなのも全然なく、キレイにつくられている。

しっかりしたつくりでガタつきなどはない。キレイなプロダクトだ。
底面は硬質なシリコンといった感じの樹脂で、机上に置いたときに滑りにくい。
たたんだ状態では(展開した状態だと底面になる)樹脂部分を掴んで持つことになり、これまた滑りにくく持ちやすい。たたんだ状態で接触したスマートデバイスなどを傷付けにくいのも好印象。

キーピッチは広め、トラックパッドも好反応、気分良く使えるBluetoothキーボード

 Bluetoothキーボードとしては、3台のデバイスとペアリングでき、キーボードショートカットで接続先を選ぶことができる。対応OSは、Windows、macOS、Android、iOS。充電式(USB Type-C)で満充電から最長10時間の連続使用が可能。満充電にかかる時間は最長2時間だ。

 使い始めて「あれ?」と思ったのは、電源ボタン。こういった折りたたみ式のBluetoothキーボードの多くは、展開すると電源オンでたたむと電源オフとなることが多い。だがこのキーボードの場合は、スライド式の電源スイッチにより電源のオンオフを切り換える。

本体右側端、トラックパッドの横にスライド式の電源スイッチがある。

 キー配列はわりと一般的なUS配列で、US配列野郎の俺としては「すぐタッチタイピングできた」という感触で使いやすい。

 ただ、日本語の説明書は付属せず、中国語・英語の説明書も簡素でわかりにくい。各機能をスムーズに使えるようになるまで、「これかな?」みたいな感じで「キートップ刻印と勘を頼りにキーボードショートカットを探った」りしていた。

キー配列はこんな感じ。キーピッチは、メーカーは19mmと言っているが、実際は18mm程度で「一般的なフルキーボードのキーピッチより僅かに狭い」という感じ。まあ、十分なキーピッチがあるのでそこそこ打ちやすいが。

 トラックパッドはiPad miniなどのポインター操作ができるほか、テンキーパッドとしても使える。トラックパッド/テンキーパッドの切り替えはFn+左commandキー。

 ちなみにトラックパッドは決定操作が押下式で、「ポインターを動かして目的の位置で軽くタップ」という動作ではアプリの起動や機能の起動ができない。「ポインターを動かして目的の位置でトラックパッドを強く押下(クリック感があるまで)」とする必要がある。

ポインター操作は快適に行えるトラックパッド。テンキーパッドとして数値の入力もそこそこ快適だ。しかし、タップで決定操作とはならず、やや強く押下しての決定操作となるので、使い慣れるまで少々戸惑うかも
※(著者訂正)本キーボードとiPadなどを接続した状態でiPadOSの「設定」→「トラックパッド」にて「タップでクリック」をオンにすれば、押下操作せずタップで決定操作が可能であった。失礼しました!

 といった感じで、部分部分にクセというか「想定外の使いにくさ」があるものの、慣れられるレベルかな、と。他方、必要なキーがマトモな位置にあり、メディアキーなども使える。

 なので、たとえば、キーボードの電源を入れてiPad miniに(自動)接続した直後、スペースキーなどを(機種により1度か2度)押してiPad miniをロック画面(パスキー入力画面)とし、キーボードからパスキーを入力すればiPad miniがロック解除されて使用可能になる。

 iPad mini (A17 Pro)のロック解除について「指紋認証が意外にめんどくせー」とか思う俺にとっては、このキーボードを使ったほうがスムーズに使える感じ、かも。なお、キーボード操作でiPad miniをロックすることもできる。

 ただ、前述した電源スイッチだが、これはやはり「キーボードを展開したら自動で電源がオン」になって欲しい感じ。「自動電源オンだと困る」って場面は、複数端末を同時に使うなど希にしかない。

 一方、使うたびに電源スイッチを操作してオンにし、使い終えたらオフにするというのは少々面倒。

トラックパッド近くにある電源スイッチ。誤操作しにくく、オンにしたままでも基本的には大丈夫だが……。

 まあ、キーボードの仕様として「10分間操作されなかったら自動でスリープに移行する」となっている。ので、電源スイッチはオンのままでもいい。

 のだが、心情的に「ちゃんと電源オフ」にしたいし、物理的なスイッチ1個増えるのもなあ……という気がしたりする。でもこういうスイッチのほうが壊れにくかったりする?

半月ほど使ってみて……細か~い違和感は残るが、まずまず満足

 このNILLKINブランドのBluetooth、週に数回というペースで半月ほど使ってみたが、まずまず満足といったところ。キーボードとしてはフツーに使いやすいのであった。とくにUS配列なので、US配列派の俺としては快適に入力できている。

 ただ、トラックパッドが……。前述したが、ポインターを動かすのは快適なトラックパッドだが、決定操作がタップではなくて「クリック感がするまで押下」である。これにけっこう違和感があるというか、Appleデバイスなど今どき的なスマートデバイスと大きく違うのがヘンな感じ。

トラックパッドでのポインター操作はスムーズ。だが決定操作は、トラックパッドからクリック感が得られるまで押し下げるという動作になる。一昔まえのパソコンみたいな? ちなみに、トラックパッド上のenterキーあたりを押下すると決定操作がキマりやすい
※(著者訂正)本キーボードとiPadなどを接続した状態でiPadOSの「設定」→「トラックパッド」にて「タップでクリック」をオンにすれば、押下操作せずタップで決定操作が可能であった。失礼しました!

 もうひとつ、俺的にはこのキーボードの矢印キーの並び・サイズが使いにくく感じられる。とくに上下矢印キーは小さいしキー間隔も狭いし……。

無理やり押し込んで実装した感がある4つの矢印キー。Appleデバイスもこういうキー配列だったりするが、矢印キーを多用する俺にとっては使いにくいサイズ・配列だ。

 小型のキーボードにアリガチな、こういう扱いにくいサイズ・配置の矢印キー。ぐぬぬぬ……どうにかなんないのだろうか? と思ったりする。

 とまあ細かな鬱憤はあるものの、全体的にそこそこ便利でまずまず満足している。「これサイコー!」とは行かないが、「コレ、けっこうイイすよ」みたいな?

 ただ、率直に思ったりするのは「トラックパッドって要るのか?」ということ。あればあったで便利だが、このキーボードとiPad miniを組み合わせて使う場合、キーのすぐ前方にiPad miniの画面があったりするので、「ちょっと手を伸ばしてタッチ操作」しがち。

 ……タッチパッドなしのUS配列Bluetoothキーボードで、iPad mini……というかAppleデバイス全般で快適に使えるもの……という方向で探してみようかな? とか思い始めている。

 Appleデバイス+US配列Bluetoothキーボード、そして必要に応じてBluetoothマウスを使う、みたいなスタイルだが、そんなコトを考え始めると、また深くハマるかもしれないキーボード沼が待ち受けているような気がする。

【訂正】
 本稿写真内の説明について、一部修正の旨追記致しました。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。